「国境なき記者団」への返事の来ないメール

2008-04-30 04:30:31 | Weblog

 基本的人権も国境があってはならない

 若い頃から返事の来ない手紙には(特にラブレターには)慣らされていたから、来ないことに対するもどかしさはないが、世界の人権抑圧が一向に改善されないことのもどかしさはなかなか癒されない。 
 そのもどかしさに耐えかねて、人権の改善に少しでも役に立つ方法はないものかと、自分がいつも言っていることを纏めたに過ぎないが、聖火リレーでマスコミの注目を浴びることとなった「国境なき記者団」に提案の形でメールを出してみることにした。

 先ず検索エンジンから「国境なき記者団」のHPにアクセス。探し方が悪いのか日本語のページに行き当たらない。「ASIA 」のタグをクリックして「Contact us」 E-mail : asia@rsf.org」の文字を探し当て、以下の内容の書き記し、送信した。読み直して、少し手直し。 


 送信者: "手代木恕之" <wbs08540@mail.wbs.ne.jp>
宛先: asia@rsf.org
件名 : Suggestion(提案)
日時 : 2008年4月23日 16:58

 Suggestion(提案)――Please translate in English.

 ある国の人権抑圧や自由の束縛を国際社会が批判すると、「内政問題だ」とか、「内政不干渉の原則に抵触する不当な介入だ」などと言って人権問題を「内政」問題に閉じ込めて批判を撥ねつけ、人権抑圧政策を維持して自己権力を保守する。

 このような人権問題は「内政問題」とする人権抑圧擁護論に対抗するには人権問題は「内政問題」ではないとする対抗理論を構築し、マスメディアが取り上げるだけの発言力を持った複数の人間がその対抗理論を日常的に世界に向けて発信することで多くの人間の理解を得て「正当理論」化し対抗していく以外に道はないと思います。

 例えば次のようにです。

 「思想・信教の自由、言論の自由、移動の自由等の基本的人権は人間を真に人間らしく生かす基本中の基本的な生命原理としてあるものだから、すべての国のすべての国民が等しく享受しなければならない国家主権を超えた権利であって、国家体制によって制限や違いを設けてはならない。

 国家主権を超えるゆえに、基本的人権に国境は存在せず、それぞれの国家の内政問題から切り離され、『内政不干渉の原則』は無効化する。

 いわば、基本的人権はそれぞれの国家によって恣意的に扱われてなならない。如何なる場合も国家権力の犠牲となってはならない。」

 このような理論が「対抗理論」にはなり得ないということなら、何かしら対抗できる理論を構築しないことには、人権抑圧政策に対する批判は常に、「内政問題だ」とか、「内政不干渉の原則に抵触する不当な介入だ」といった言葉に撥ね返されることになる。「国境なき記者団」でもいいし、あるいは関係他組織でもいいから、撥ね返されない対抗理論を構築することが必要だと思います。

 上記私の「理論」については自作ブログ≪基本的人権は憲法の保障によって獲得する人間のあるべき存在性ではない≫でも書いています。

 参考になりますかどうか、興味があったなら、アクセスしてみてください。

 手代木恕之(Hiroyuki Teshirogi)
 wbs08540@mail.wbs.ne.jp
 幸いなことに日本は基本的人権が憲法で保障されている。空気のように意識せずに基本的人権の恩恵に浴し、同じく意識せずに何不自由なく基本的人権に則った行動を取ることができる。

 このことは基本的人権の保障が政治やスポーツを含めた文化と一致していることによって可能となる自由な行動性であろう。一つでも一致していなければ、自由な行動は不可能となる。

 その一致点を認識せずに「政治とスポーツは別だ」と言う。基本的人権の保障がそのように言える前提条件となっていることにも気づかない。また人権抑圧国家にあっては、支配者側に立っている者だけが言える「政治とスポーツは別だ」であろう。

 多分、基本的人権を意識しないで済むことが基本的人権が保障されていない国の人々の基本的人権上の酸素不足に喘いでいる状況に無理解、あるいは鈍感でいられるのだろう。対岸の火事視することができるのだろう。北京オリンピックの恙(つつが)ない成功は中国式人権抑圧の勝利を意味する。チベット問題を小さくする効果を生むに違いない。 
 ≪中国で逮捕続々 「人権」主張は国家転覆扇動罪≫(asahi.com/ 2008年02月09日10時04分)

 五輪が半年後に迫った中国で、人権の擁護や民主の拡大を求める活動家らへの締めつけが強まっている。特に、「人権」や「民主」を求めただけで「国家政権転覆扇動」の罪に問われて逮捕されるケースが増えている。国際人権団体は、北京五輪の誘致にあたって中国政府が掲げた「人権状況を改善する」との国際的な約束を守るよう求めるが、五輪が近づいて状況はむしろ悪化しているとの見方が強い。

 今月初め、浙江省杭州市の中級人民法院(地裁)は、著名なインターネット作家の呂耿松氏に対し、国家政権転覆扇動罪で懲役4年の実刑判決を言い渡した。

 呂氏は中国の人権弾圧、共産党・政府高官の腐敗などを批判する文章をネット上などで発表してきた。昨年9月に逮捕された。判決が言い渡された法廷では「民主必勝、専制必敗」などと叫んだという。

 米国ニューヨークに本部を置く人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチが北京五輪の開催まで半年を期に発表した声明によると、過去1年に逮捕されるか有罪判決を言い渡された著名な活動家は呂氏で6人目。中国の公安当局が国家政権転覆扇動容疑を名目にした逮捕件数は06年から07年にかけて20%増加したという。そのうえで、同容疑・罪の拡大解釈と乱用が「活動家を黙らせる武器になっている」と批判した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルやパリに本部を置く「国境なき記者団」なども、中国の人権状況の悪化に懸念を示している。

 目立つのは、北京五輪開催で国際社会の注目が集まることを人権状況の改善につなげようとする取り組みへの弾圧だ。黒竜江省で「五輪より人権を」と署名集めをした楊春林氏も国家政権転覆扇動容疑で逮捕された。

 一般市民への締めつけも強まっているとの見方が一般的だ。

 中国が巨大な市場として脚光を浴びるようになるに従って、主要先進国が人権分野で中国側に厳しい注文をつける場面は少なくなっている。ヒューマン・ライツ・ウオッチのリチャードソン・アジア部長は声明で「国際社会が北京五輪に絡んだ弾圧に沈黙すれば、その弾圧に青信号を出したのと等しい」と警鐘を鳴らしている。
    ◇
 この1年に「国家政権転覆扇動」で逮捕、有罪判決を受けた著名な活動家

 呂耿松氏 2月に懲役4年の判決。浙江省在住のインターネット作家。逮捕後、国際ペンクラブなどが早期解放を求めていた。

 胡佳氏 昨年12月に拘束され、1月に逮捕通知が家族に届いた。北京市在住で妻子も軟禁されている。エイズウイルス感染者の人権擁護に取り組み、北京五輪を期に今年を「中国人権年」とするよう訴えた。

  陳樹慶氏 昨年8月に懲役4年の判決。作家で民主化を求める非公認政党・中国民主党の準備委員会メンバー。

  楊春林氏 昨年8月に逮捕。黒竜江省の元工場労働者で「五輪より人権を」と訴え、署名活動にあたっていた。

  厳正学氏 昨年4月、懲役3年の判決。芸術家。インターネットで文章も発表。懲役刑の被告などに科される「労働改造制度」に反対する署名活動などに取り組んだ。

  張建紅氏 昨年3月、懲役6年の判決。ウェブサイトを運営し、「中国政府を中傷した」などと批判された。

 (ヒューマン・ライツ・ウオッチや中国の国営新華社通信などによる)
 ≪北京五輪を前に、中国政府による「人権侵害」が加速≫(AFP BBNews/2008年01月30日 15:42 発信地:北京/中国 )

 【1月30日 AFP】北京郊外に住む人権活動家の胡佳(Hu Jia)氏と妻の曾金燕(Zeng Jinyan)氏は、かつては客を自宅に招き、お茶を飲みながら、北京五輪(Beijing Olympics)が中国民主化の起爆剤になることへの期待を語っていた。

 それが今では、2人の住むアパートは立ち入り禁止に。タイム(Time)誌の「世界で最も影響力のある100人」に名前を連ねている曾氏が前月、国家政権転覆扇動の疑いで拘束され、妻の方は自宅軟禁に置かれているためだ。

 今週2人のAFP記者がアパートを訪れたところ、アパートには規制線が張られ、複数の私服警官に制止された。「保安上の問題が発生したため調査中。詳細は言えない」のだと言う。

 終身刑に直面している曾氏は、「国家機密が漏れる恐れがある」として弁護士との面会が許されず、「危険人物」との理由で健康不安にもかかわらず保釈も認められていない。

 曾氏の逮捕には、欧米のみならず国内の活動家からも非難が浴びせられている。1989年の天安門事件の際に戦車にひかれて両足を失った北京の弁護士・人権活動家のXu Zhiyong氏は、「曾氏は不正にあえぐ数千人の市民の声を代弁している」という内容の抗議文書を胡錦濤(Hu Jintao)国家主席に送付した。

 夫妻のこうした運命は、北京五輪を前に当局が反体制派の取り締まりを強化している事実を物語る。活動家らは「政府は、五輪招致の際の『人権侵害をやめる』との約束を破っている」と世界に訴えているが、その答えは「当局によるさらなる人権侵害」だという。

 中国の人権問題を監視するChinese Human Rights Defendersは先ごろ発表した報告書で、ここ数週間で多数の知識人、活動家が自宅軟禁に置かれ、言論規制も強化されていると指摘。「五輪が近づくにつれて弾圧も強まる」と予想している。(c)AFP/Charles Whelan
 ≪実刑の胡佳氏、弁護士が面会できないまま控訴期限すぎる≫(asahi.com/2008年04月16日00時51分)

 【北京=坂尻信義】国家政権転覆扇動罪に問われ北京の裁判所で懲役3年6カ月、政治権利剥奪(はくだつ)1年の判決を受けた人権活動家・胡佳氏(34)が控訴するかどうかを相談するため、弁護士が面会を求めたが、拘置所が応じないまま控訴期限が過ぎる事態となっている。

 李方平弁護士によると、控訴期限の14日、胡氏と面会するため同僚弁護士と拘置所に出向いたが、拘置所は胡氏が「医療検査」で不在と説明。李弁護士らは夜まで待ったが、会えなかった。15日午後に拘置所を再訪すると「控訴期限を過ぎているので面会できない」と断られたという。

 肝硬変を患う胡氏の健康状態に妻の曽金燕さんら家族や友人は不安を募らせている。

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