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体育協会が農園経営-様々な試みが始まる農業-

2009-05-13 19:27:45 | ライフスタイル
静岡新聞のWEBサイトを見ていたら、体協が農園 体づくり人づくり 掛川で来年度開園という記事があった。
掛川市の体育協会が、「体力作りを目的とした農園」経営をするというのだ。

今年に入ってから、「農業」にスポットライトが当たっている感がある。
背景にあるのは、「自給率40%(カロリーベース)程度」というコトや、昨今の「安心・安全」という生活者の志向などがある。
その他にも、農業とはまったく関係のない企業が農業へ参入したり、農業+α=第6次産業化という動きも活発になってきてる。
そのこと自体、これからの日本の農政に大きく影響していくコトだと思うし、産業構造が少しなりとも変わるきっかけとなるのではないか?と思っている。

ところが、そんな理由とは別に「体力作り」という視点での、「農業」というのは思いもよらないコトだった。
いくら機械化が進んでいるとはいえ、農業そのものは重労働だ。
最近機械化が進み、にんじん程度(と言っては失礼だが)機械で収穫できる野菜もあるようだが、多くは人の手によるものだろう。
それも、立ったり座ったり中腰になったりと、下手にスポーツジムで運動をするよりも、運動量は多いのかも知れない。

「体力作りを兼ねて、自分で農作業をする」というアプローチは、一石二鳥どころか一石三鳥も、四鳥もあるかも知れない。
まして、自分の作った野菜などを収穫する一運動(=一仕事)の後に食べる野菜は、きっとおいしいに違いない。
野菜嫌いな子どもたちに、野菜作りを手伝わせることで野菜嫌いがなくなったり、観察力が高まるという指摘もあるように、中年以降、お腹周りが気になり始めた運動不足の肉好きの人たちにとっては、運動を兼ねた野菜中心食へ転換できるきっかけとなるかも知れないのだ。
とすれば、体育協会がこのような試みをすることにも、意味があるだろう。
何よりも参加者にとっては「新鮮・安心・安全な野菜」と「運動+健康」が手に入るのだ。
今後このようなアプローチの「健康作り」が、注目されていくのかも知れない。

もう一つは、授産施設なども「農業」に参加し始めているというコトだ。
私の知人が、授産施設関係の仕事をしている方がいるのだが、そこではブルーベリーの栽培を手がけている。
既に、数年前から始め生のブルーベリーやブルーベリー加工食品(ジャムなど)を、道の駅などで販売をしているという。
授産施設に通う人たちは、とても熱心に取り組んでいるようだ。
本格的な農業ではないが、自立する道としてこのようなアプローチもあるのだ。

おそらく、霞ヶ関にいらっしゃる方などは、このような変化に気づいていないのでは?
農政も、時代にあったモノへと変わっていって欲しいものである。