日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

残念すぎる「世界新記録」

2009-05-20 20:47:17 | スポーツ
新聞各社のWEBサイトやYahooのトピックスに入江の水着、認可保留=一部改良しFINAに再提出へと言う内容の記事がUpされている(紹介記事は時事通信)。
先日の日豪対抗の大会で入江陵介選手が背泳200mで、世界新記録を出したコトは、記憶に新しい(紹介記事はロイター版・Yahooトピックス)。

この時は、同じく競泳の北島選手が昨年のオリンピックで優勝した時のように、沸き立った。
と言ってもこの時の「世界新」は「ただし書き付き」と言う、「世界新記録」だった。
それは、入江選手が着用していた水着が、国際水泳連盟に承認されていなかったからだ。

この記事を読んで、フッと思い出したことがある。
それは、昨年の今ごろ話題になっていた、スピード社の「レーザーレーサー」だ。
この水着については、スピード社以外のスポーツメーカーは「エ!こんなコトを水着でしたもいいの?」と言うトコロから、始まった。
何故なら「レーザーレーサー」の特徴は、「筋肉の凹凸を無くすことで、より速く泳げる」と言うのが、ポイントだったと記憶している。
それは、国際水泳連盟が「やってはいけないコト」ではないのか?と言うコトで、スピード社以外のメーカーが作ることをためらっていたからだ。
トコロが、国際水泳連盟と深く関わりを持つスピード社が、他社を出し抜いた格好でこの水着をサポート契約をしている選手に着せ、世界新を立て続けに出したことで、問題視された。

では今回の入江選手の場合は同のだろう?
入江選手が着用したデサント社と国際水泳連盟は、決して仲が悪いわけではないだろう。
ただスピード社と比べると、その親密度は大分違うのではないだろうか?
サッカーのFIFAとアディダスの関係のように、スポーツの国際連盟と親密な関係になると言うのは、スポーツメーカーにとって、大きなアドバンテージとなる。
逆にいえば、親密な関係にならないと様々な面で、ハンディとなるのだ。
まさに今回の入江選手の「世界新記録」は、そんな「大人の事情」に影響されているように思えるのだ。
と言っても、私の偏見に満ちた見方なのだが・・・。

「水泳界の王子様」とも言われるという、入江選手だがそんな「大人の事情」に振り回されること無く、自己更新を目指して欲しい。
・・・と思って、更新したらフランスでも同じような問題が起きていたようだ。
水着不認可問題:世界新のベルナール反発…FINA裁定に(紹介記事は毎日新聞)。
ここまで話が進展すると、国際水泳連盟とスピード社との深く親しい関係が、問題になるかも知れない?