日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

事業領域にあった社会貢献

2009-05-26 21:02:03 | CMウォッチ
最近テレビを見ていると、「これは!」と思うテレビCMがある。
(あまり好きな表現ではないのだが)おバカタレントのつるの剛士さんが登場している「モスキートストッププロジェクト」と言うテレビCMだ。

このプロジェクトは、ケニアの子どもたちの健康環境を整えると言うことを、目的としている。
プレスリリースを読んでみると4月20日からスタートしているようなのだが、テレビCMが始まったのは、このGWが明けてからだったように思う。
それも、CMが流される頻度がまだまだ少ないためなのか?印象度が余り無い。
私も10回も見ていないと思う。
ただ、その内容は生活者の共感が得やすいように思うのだ。

ケニアに限ったことではないのだが、途上国の多くはまだまだ生活環境が整備されているとはいえない。
水資源の問題にしても、日本では考えられないような泥水を、飲み水として使っている地域もある。
このような環境改善を目的とした企業プロジェクトも、今ではすっかり定着し始めている(紹介プロジェクトは、拙ブログでも紹介したことがあるヴォルヴック「1Lfor10L」)。

今回のアース製薬の場合は、販売している「蚊取り商品」に関連付けたプロジェクトだ。
マラリアなどは、蚊を媒体にした病気であることはご承知のとおりだろう。
今の日本では、チョッと考えられないような病気ではあるのだが、アフリカなどではまだまだこのような病気で亡くなる子どもたちも多い。
そのような子どもたちの生活環境を、少しでも整えるために活動している団体への寄付を目的としているのが、今回のプロジェクトと言うコトのようだ。

商品購入をしてもらうことで、寄付金を募ると言う方法は、一見企業としての持ち出し(=寄付金)が無いように思えるのだが、テレビCMなどによってケニアのような国の現状を知ってもらうと言うパブリシティの意味がある。

そして、このテレビCMを見ながら思ったことは、日本の企業も事業領域にあった社会貢献に積極的になり始めた、と言うコトだった。
バブルの頃盛んに言われた「メセナ」は、事業領域とはかけ離れたモノが多く、むしろ「メセナ」と言う名を借りた、広告宣伝的な色合いがあった。
しかし、ここ数年見られる「社会事業」は、とても地に足がついた内容が多く、逆に生活者からの理解が得やすい。

日本の企業文化が、成熟し始めているように感じるこの頃だ。