日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

テレビCMを効果的に使ってみては?-がん検診キャンペーン-

2009-05-17 21:29:14 | ライフスタイル
「新型インフルエンザ」が国内で、急速に拡大し始めている。
発生状況から察するに、高校の部活などの試合がきっかけとなって広がっているようだが、その感染源が分からない不安が残る。

もう一つ気になるコトが、毎日新聞のWEBサイトにあった。
それが子宮頸・乳がん:検診無料 厚労省、850万人にクーポン券と言う記事だ。
拙ブログに来られる方の多くが、男性なのではないか?と想像をしているのだが、女性だけの問題としてとらえずに、考えて欲しい問題でもあるのだ。
と言うのも、「生涯でがんになる人は男性で1/2、女性で1/3」だと言われている(資料「がん対策情報センター・統計」より)ことと、早期発見が一番の治療だと言われているからだ。
反面、「がん検診」そのもの費用は高く、企業などが行っている「健康診断」では発見できない(発見しにくい)と言う現実がある。

がんの発症状況などについては、某保険会社のテレビCMなどで盛んに流されているのでご存知の方もいらっしゃるとは思う(のだが、現実には6割以上の人にとっては印象に残っていないかも知れない)。
ただ、「がん対策情報センター」の統計を見てお分かりだと思うのだが、「がん」になるのは若年者よりも、40代以降が多いのだ。
その意味でこの年代層に対して、「どれだけ検診を受けてもらうのか?」かが、「がん患者を減らす」ポイントだと言える。

おりしも、乳がんで亡くなった女性の手記を元にした映画が、先週末から公開され話題になっている。
この映画を見た若い女性が、積極的に乳がん検診を受けるようになることは良いと思う。
問題なのは、このような映画を見に行かない層に対する啓蒙活動だろう。
その意味で、今回の検診チケットは効果的だと思う。
そして「子宮頸がん」は、検診以前にある程度予防することができると言われている。
そのためのワクチン(AFPBニュースより)も、アメリカやフランスなどでは処方されているらしい。
ただし、性交渉を始める前が効果的といわれているので、成人女性に対しては検診が最重要と言うコトになってしまうようだ。
いずれにしても、日本では未だ未承認の状態なので、検診が優先と言うコトになってしまうようだ。

このような啓蒙活動には、テレビCMが最適だと思うのだが、なかなかおしゃれで「検診に行こう!」と言う気にさせる内容のものがほとんど無い。
もちろん、一番の理由は「知識不足と高額な検診」だ。
少なくとも「知識不足」解消のために、テレビCMという媒体を積極的に使うことを考えてみては?と、思うのだ。
少なくとも、「乳がんや子宮頸がんなんて、関係ない」と思っている、年代に対してもっと積極的にPRする必要があると思う。

「子宮頸がん」については、コチラのサイトでも、情報が得られます。
大切なパートナーのためにも、男性諸氏には「興味がない」と言わないで欲しい・・・乳房と子宮は女性にとって、肉体的にも精神的にも大切なアイデンティティーなのですから。

テレビCMと視聴者

2009-05-17 09:50:54 | CMウォッチ
讀賣新聞のWEBサイトに、CMの6割、視聴者の心に届かず…好評価トップ「白戸家」と言う記事が掲載されている。
私のように「半分趣味・半分仕事」と言う人ならともかく、多くの人にとっては、目障りなテレビCMと言うコトになるのだろう。
特に、盛り上がったスポーツ中継などに流されるテレビCMは「目障り」どころか、「不快感」すら与え兼ねないだろう。
予約録画などをしている方などは、「CMカット」の機能を使うのが当たり前になっているのではないだろうか?

確かに、「うざったいテレビCM」と言うモノは数多くある。
だから「6割が視聴者の印象に残っていない」と、言われてもどこか納得するところがある。
しかし企業にとっては、テレビCMというのは「自社製品・販売商品を広く・多くの人に知ってもらう」効果的なツールだ。
「印象に残る・残らない」とか「不快感を与えている」と言う問題ではなく、「広く・多くの人に知ってもらう」と言うコトが重要なのだ。
そのために、多額の広告費を投入しCMを製作し・流しているのだ。

ただ、記事中の指摘のように「効果がないCM」は、大きなロスだ。
単なる費用的問題だけではなく、そこにかかる労力と時間を含めると「効率が悪い」と言う程度ではないと思う。
だからだろうか?企業の多くがテレビCMそのものを見直し始めたようで、大手広告代理店の収益が下がり始めている。
もちろんその背景には、「WEB広告」と呼ばれるネット広告の台頭があるのだが、それでもやはり「テレビCM」は、消費行動には大きく影響を与える存在だと言える。
そのテレビCMが、印象に残らないと言うのは「広告制作とは?」と言うことを、考え直す良い機会なのではないだろうか?
と言うのも、この記事にある「白戸家」や「BOSS」、「任天堂」などは、いずれも業績の良い企業や商品だからだ。
その意味で、テレビCMは流す量ではなく、その質が問われ始めている、と言っても良いのかも知れない。

個人的には、JR東海の「そうだ京都、行こう」「うまし うるわし 奈良」のように、「大人の修学旅行」と言う提案をし、定着させているCMなども素晴らしいと思うのだが・・・。

そしてもう一つ言えるとすれば、好印象のあったテレビCMには、素敵なWEBサイトがあるコトが多いということだ。