日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「NO NUKES」と時代

2011-04-12 21:15:09 | 徒然
先日、東京で「反原発デモ」があったようだ(紹介記事は「ガジェット通信」より)。
新聞などの大手メディアが殆ど報じていないこともあり、余り知られていないようだ。

この記事を見たとき、私にとってはとても懐かしいことばを見た。
デモ参加者たちが掲げている、「NO NUKES」ということばだ。
私と同世代以上の洋楽ファンの方にとっては、とても懐かしく、そしてある思いのある言葉なのではないだろうか。
というのも1979年、米国スリーマイル島での「原発事故」をキッカケに、急速に全米各地で反原発という運動が広がっていった。
その運動の中心に、数多くのミュージシャンがいた。
そのミュージシャンたちが、自発的に集まり「NO NUKESコンサート」を開催したのだった。
当時は、「70年代のウッドストック」のような呼ばれ方もされたのだった。
同じ年には「チャイナシンドローム」という、原子力発電所事故を取り上げた映画も製作され、日本でも話題にもなった(日本公開は、映画公開はスリーマイル島事故の後だったのだが、米国公開はスリーマイル島事故の前だったようだ)。

映画「チャイナシンドローム」は、アカデミー賞他数々の映画賞を受賞したこと、主演女優のジェーン・フォンダの社会的発言などで、注目を浴びたように思うのだが、「NO NUKESコンサート」のほうは、一部音楽雑誌などで「コンサート内容」が紹介された程度で終ってしまった。
日本ではその当時からメディア的には「原子力(発電)」そのものが、アンタッチャブル的存在だったのかも知れない。
政治的には、強力に「原子力発電推進」政策をとっていた時代だったからだ。
それが逆に、洋楽ファンにとって「NO NUKES」という言葉と共に、記憶に残っているような気がする。

それから30年以上の時間が過ぎ、米国では再び「原子力発電」に注目し、今回の「福島第一原子力発電所事故」が起きた。
なんと皮肉なことだろう。
だが、当時のミュージシャンたちが一生懸命に訴えていた「自然エネルギーへの転換」というコトは、30年経っても殆ど進んではいない。
もちろん、技術的な面では大躍進をしているのだと思うのだが、「原子力に変わるエネルギー」とはなっていないのが現状だろう。

もし、30年前のスリーマイル島事故をキッカケに、世界中がエネルギー転換を積極的に行い、その中心に日本がいればどうなっていたのだろう?
「たら・れば」の話をしても意味がないと思うが、少なくとも今回の「福島第一原子力発電所事故」は、世界中がエネルギー転換を考える大きなキッカケとなるような気がする。


東京電力株主さま、GWは東北旅行へ行きませんか?

2011-04-12 11:40:47 | CMウォッチ
今から20年ほど前に、「その先の日本へ。」というJR東日本のテレビCMがあった。
数年、シリーズ化されたという記憶がある。
おそらく、JR東海の「そうだ京都、行こう」 と同じ頃に始まったテレビCMだったと思う。
JR東海の「そうだ京都、行こう」のテレビCMは今現在も続いていて、春と秋に流れる京都の様々な風景は、ひと時の旅気分を味あわせてくれる(キャンペーンは、四季折々にあわせてる)。

それとは違うアプローチで始まったのが、JR東日本の「その先の日本へ。」だった。
おそらく、東北新幹線が開業し、東北への旅の訴求を狙ったCMだったと思う。
出演者は、ロケ地となった周辺の駅の駅長さんと地元の人たち。
特別な演出などは、一切なし。
ただただ、駅長さんと地元の人たちとそれを包み込むような風景の美しさだけが、映し出されているCMだった。
下手な演出がまったく無い分、そこの土地土地に住む人たちの表情や朴訥とした駅長さんたちの姿が、逆に新鮮でとても評判の良いCMでもあった。

今回の震災で、CMに起用された場所の多くが被災したと思う。
だからこそ、今再び「その先の日本へ。」というテレビCMを見たいと思っている。
なぜなら、被災地が復興し目指すところが、「その先の日本」であって欲しいからだ。

このGWには、東北新幹線が全線再開となる予定のようだ。
東京電力株を持っている方々は、是非とも積極的に東北新幹線を利用して、茨城・福島方面へ旅行に行ってもらいたい。
その理由は、述べるまでもないと思う。