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「謝罪したいと思います」-東京電力社長の記者会見-

2011-04-13 16:41:54 | ビジネス
今日の午後、東京電力の清水社長の記者会見があった。
総てを見たわけでは無いので、私がテレビで見た部分での感想。
一言で言うなら、「やっぱり、企業として上から目線」ということと、謝罪の記者会見としては失敗だったという印象がある。

それを端的にあらわしているのが、福島第一原子力発電所事故に対する謝罪だ。
「衷心より」という言葉を使いながら、「謝罪したいと思います」で終っている。
「衷心より」という言葉そのものが、普段使い慣れていないのだと思う。
「衷心より」=「心の底から」と言い換えれば、「謝罪したいと思います」とは、続かないはずなのだ。

ところが「謝罪したいと思います」と言ってしまっている限りは、心のどこかで「天災なんだから仕方ないだろう」とか、「とりあえず、謝罪の言葉を述べれば大丈夫だろう」と思っているのだろう。
少なくとも、受け手となる災害地域(震災被災地と区別するために、「災害地域」とさせていただきます)や、避難地域の人たちが、そう捉えても仕方のない言い方だ。

今回の事故が発生し、副社長さんご一行が災害地域の人たちが集まる避難所へ謝罪行脚(というほどではなかったが)をしたとき、「下手な謝罪行脚だな~」と感じた方は多かったのでは?
その理由は、避難所での生活を余儀なくされている方々に対して、立ったままのお詫びをしたからだ。
謝罪行脚に同行した東京電力の方々は、日頃「頭を下げる」というコトをしない方々だから、頭の下げ方を知らないんだな・・・と感じただけではなく、潜在意識の中で「謝りに来てやっている」的な「上から目線」というか、「天災なんだから、謝る必要は無いんだけど・・・世間がうるさいからとりあえず」という印象を与える結果となってしまった。

問題なのは、そのことを理解し、今回の記者会見で修正できていない点だ。
東京電力という会社の体質として、「問題発生に対しての危機管理ができていない」というだけではなく、「修正・改善する力もない」というコトが、現れてしまったカタチだ。

電力会社というのは、民間企業といいながらその実は「半官半民」のようなトコロがある。
それだけに、一般企業よりも危機管理感が薄いのかも知れないし、「電力は自分たちが供給してやっている」という驕りのようなモノも体質的にあるのかもしれない。
それがハッキリと出てしまったのが、今回の清水社長の記者会見だったような気がする。