日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

新社会人たちへ、エール

2011-04-10 20:19:14 | CMウォッチ
そろそろ、新人研修が終わり週が明けるといよいよ配属という時期になってきた。
配属先が決まると、当然新人たちには「名刺」が渡される。
「名刺」をもらうと、「あぁぁぁ~、社会人になったんだ・・・」という実感が湧いてくるはずだ。

テレビCMもそんな、新人向けのテレビCMが登場している。
NTTdocomoの「名刺篇」だ。
テレビCMとしては、新機種のスマートフォンの「名刺整理機能」を謳っている内容だが、ポイントは「名刺に負けるな」というコトバだ。

この「名刺に負けるな」というコトバの前には、「偉い人順に名刺を並べ替える」というコトがある。
残念ながら(というより、当然のことだが)「偉い人順」という並べ替え機能は無い。
その機能がないということよりも、スマートフォン役になっている俳優・渡辺謙さんの言葉が素敵だ。

渡辺:偉い?
渡辺:君が言う『偉い人』っていうのは、一体なんだ?
渡辺:肩書きか?それとも地位のことかな?


この問い掛けにチョッと戸惑ってしまったのだ。
確かに、社会に出て何年も経つと、「肩書き」や「地位」で人を見てしまうことがある。
もちろん、「肩書き」や「地位」というものは、その人が積んできた実績や評価があって付くはずのものだ。
当然、責任も一緒に付いている。
その意味で「肩書き」や「地位」というのは、その人を知る一つの手だてだと言える。
でも、いつしか「肩書き」や「地位」だけが独り歩きをしてしまっている場合がある、というのも事実だろう。
それどころか、企業内の「肩書き」や「地位」が、企業以外でも通用すると勘違いをしているのでは?という、方も少なからずいらっしゃる。

CMの最後には若い経営者が登場し「名刺(=肩書きや地位)に負けるな」と、エールを送る・・・という場面で終っている。
大切なコトは、「肩書き」や「地位」で人を見るのではなく、その人が創ってきた「肩書き」や「地位」を見ることなのだ・・・と、気付かせてもらったような気がした。

ロゴの変更などで、「(ソフトバンクなどへの)反撃」がコケタ受けた印象のあるdocomoのCMだが、昨年あたりから本格的に「反撃」し始めたようだ。