日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

視点を変えた「公共事業」

2011-04-03 08:24:57 | ビジネス
先日、NHK教育を見ていたら「震災と障害者」というテーマの番組をしていた。
震災発生で、私たち非被災者は現地の目を覆うばかりの悲惨な状況に「一体何ができるのか?」と自己問答をし、積極的に募金に参加したり支援品を送ったりしている。
それは、とても重要なコトだと思う。

そんな中で、忘れられがちな人たちがいる。
障害者と言われる人たちだ。
障害者といっても、その障害状態・状況は人それぞれ。
一見障害者と分らない人も多くいる。
例えば、聴覚障害の人などはなかなか分りにくい障害者といえるだろう。
他にも知的障害の人たちなども、分りにく障害者といえる。
そんな人たちが、いわゆる健常者と一緒に避難所で生活をする、というのはなかなか難しい問題がある。

聴覚障害の人たちにとって、音声情報というのは受け取ることができない情報だ。
一方、知的障害の人たちの多くは、被災したという事実の受け止め方が健常者よりも、しにくいといわれている。
そのため、パニックに陥ったり興奮状態が続いたりするという。
同じようなコトが、高齢者にも言えるかも知れない。
今回の震災は、高齢者が多く生活をしている地域だったこともあり、「被災者医療が、『高齢者医療』が求められる」と、話す医療チームの話もあった。

そこで考えたいのは、このような障害者を意識した「公共事業」というコトだ。
「公共事業」というと、建物を建てたり道路を造ったりというイメージがあるが、障害者にとって使いやすい緊急情報アプリケーションを開発するコトだって、立派な「公共事業」なのでは無いだろうか?
聴覚障害者向けに、ピクトグラムを使った緊急情報を携帯電話やスマートフォンに表示するシステムとか、視覚障害者向けにGPSなどを使った音声誘導システムなど、多くの人たちにとって有益性のある事業は「公共事業」といえるのでは?

被災地では、とにかく生活基盤の建て直しが急がれる。
その中で、忘れられがちな障害者の存在。
だが、拙ブログでも何度か指摘させて頂いている通り、「社会的ハンディのある人たちが暮らしやすいまちづくり」が、新しい日本の地域社会のモデルとなるはずだ。
だからこそ、これまでと違う視点の「公共事業」が今回の震災には、必要だと思うのだ。