日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

スマートフォンというコミュニケーションツール

2011-04-20 11:36:14 | アラカルト
本日のタイトルを見て、「そんなの当たり前」と思われる方ばかりだと思う。
なぜなら「スマートフォン」は「携帯電話の進化系」だから。
携帯電話そのものが、コミュニケーションツールなのだから、当然スマートフォンもコミュニケーションツールということになる。
ただ、今回あえてこのようなタイトルにしたのには、訳がある。
それは、「障害者にとってのコミュニケーションツール」という点だ。

先日、福祉関係のテレビ番組を見ていたら「スマートフォン」を取り上げていた。
「スマートフォン」を使って、自閉症などの知的障害をもった子供たちが、障害を持っていない人たちとコミュニケーションをしながら買い物をしたり、障害者同士で何かモノを作ったり・・・。
非障害者にとってできて当たり前の事が、障害者にはできないコトが多くあり、スマートフォンを活用するコトで、協力しあってモノを作ったり、一人で出かけたりするコトが可能になる、という内容だったのだ。
非障害者が「スマートフォンを使う」というコトと、障害者が「スマートフォンを使う」という意味が、違うということに気が付いたのだった。

と言っても「スマートフォン」に、何か特別なオプションを付加しているわけでは無い。
通常のアプリケーションを、使う側なりに工夫するコトで「コミュニケーションツール」としているのだ。
だから、彼ら障害者にとって「スマートフォン」は、携帯電話でもパソコンでもない。
彼らにとって、自分の意志を相手に伝え・受信するためのツールなのだ。
場合によっては、「自己管理ツール」となるコトもあるようだ。

その中でとても興味深かったのは、「スマートフォンのカスタマイズ化」という点だ。
一般的な「スマートフォンのカスタマイズ化」と言えば、音楽配信などのダウンロード内容イメージするのだが、障害者にとっての「カスタマイズ化」とは、一般的なアプリケーションを使って、コミュニケーションツールとするコトなのだ。
そのために、必要なことは障害者自らが「一般的アプリケーションを使いやすくする提案」というコトになる。
それだけではなく、障害者目線でのスマートフォンのカスタマイズ化というのは、高齢者や子供たちにとっても使用メリットが高い場合が多い。
そんな視点で考えると、「障害者参加」のアプリケーション開発があっても良いのでは無いだろうか?
知的障害をもった人たちも積極的に社会参加をしてもらう機会を与える、というコトも重要な点なのだ。

その理由は「知的障害者」は、協調性などが無いと思われがちだが、彼ら自身も「人から見とめてもらいたい」という思いは強くある。
しかし残念ながら、障害があると言うコトで多くの場合周囲から認めてもらえない、という状況になってしまっている。
彼らにとって「周囲から認めてもらう」というコトは、とても大きな意味を持つ。
なぜなら、「周囲から認めてもらう」とで初めて社会との関わりということを実感し、学ぶことができるからだ。

そのためのツールとしての「スマートフォン」という位置付けに、考えさせらたのだった。