日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

批判よりまず行動

2011-04-07 20:46:19 | 徒然
明日で、「東日本大震災」発生から4週間となる。
この間、日本という国は、海外から様々な評価を受けた。
世界の人たちが何より驚いたのは、甚大な震災に対する被災者の謙虚過ぎるほどの姿だ。
礼儀正しく、秩序だって周囲を思いやる姿は、「日本」という国の底力のようなモノを見せつけたような気がする。
それは、現在世界中から注目されている東京電力・福島第一原子力発電所で、作業をしつづけている人たちの高い使命感と献身さ、粉骨砕身の活躍も同じだろう。

一方、東京電力の福島第一原子力発電所の被災は、今や「人災」の様相を呈してきている。
その背景の一つは、刻々と変わる状況に対してその対応の遅さや、説明不足などがある。
東京電力だけの問題というよりも、安全保安院の記者会見などもあるだろう。
もちろん、政府の説明も分り難い部分がある。
そのようなことを含めて、野党が批判を始めているようだ。
だが、そんなコトを言う暇があったら、与野党一緒になって問題解決をするような動きをして欲しいと思うのは、私だけでは無いと思う。

特に、日本の原子力発電を推進してきた自民党は、批判するより先に「私たちが与党だった時代にもっと考える必要があった」と、一言謝るくらいのコトがあっても良いのでは?
そんなコトを棚に上げて、現在の状況についてアレコレ言うコト自体、「何だかな・・・???」と思ってしまうのだ。

もう一つは、昨夜発表された「復興庁(?)」の構成メンバーに、政治家を入れろという話があるようだが、政治家が入ると「ひも付き」となってしまう可能性がある。
それでは、「新しい、未来型のまちづくり」が出来難くなってしまうのでは?
一昔前の「土建型政治」の復活をイメージさせるような、復興計画ではまったく意味がないのに、それがわからないとすれば、まず発想を変えてもらう必要がある。
そんなコトをしている場合では無いのだから、やはりそのような方々には退場をしていただくしかない。

「行動を起こす」と言っても、「人気取りのパフォーマンス」では意味がない。
もっとも多くの生活者は、そんな「小手先人気取りパフォーマンス」を見抜くくらいの力を持っている。
実際、先週菅さんが被災地視察に行ったとき、ある高齢者の方は「国に期待するコトなんて無い。もともとあてになんかしていない」と言っていた。
それくらい、国民は冷静に政治を見ているのだ。
「批判をするのであれば、責任のある行動で日本を元気づける」というのが、政治家の仕事なのでは?
少なくとも、今はその時期だと思う。

さり気なく、こころを押すCM

2011-04-07 06:55:38 | CMウォッチ
ACのテレビCMが、随分減ってきた。
ACのテレビCMの中で、「被災地の方々のことを考えて」という理由で、放送中止となったモノに「あしなが育英会」があった。
個人的には、こんな時だからこそ「あしなが育英会」のCMが大切なのでは?と、思ったのだ。
というのも、今回の震災で数多くの「震災孤児」と呼ばれる子供たちが、たくさん出てしまったからだ。
「震災孤児」となった子供たちが、将来心配なく勉学に励むためにもこのような育英基金があることを知らせるためにも、重要なCMだと思うのだ。

ACのCMが減りつつあるということは、通常の企業CMが戻ってきた、というコトになる。
その中で、「やっぱり、違うな・・・」と思うテレビCMを見た。
それは「サントリー」のCMだった。

私が見たバージョンは「上を向いて歩こう30秒B」だったのだが、出演者を見てみるとなかなか豪華なメンバー。
過去・現在サントリーのテレビCMに出演した方々が、昭和の名曲「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん、夜の星を」を各パートに分かれて歌っている。
「スタジオでの録音風景のみ」という、テレビCMも珍しいと思うのだが、歌を歌っている出演者の方々の表情を見ていると、涙をこらえながら歌われている方もいらっしゃるように見える。
出演されている方々の、被災地の方々への思いが伝わってくるように感じる。
作りがとてもシンプルなだけ、逆に人の心に届くテレビCMとなっている。
一部では「上を向いて歩こう」は、悲しく寂しい歌詞だと考えれば、今のこの時期にはふさわしくないのでは?という指摘もあるようだが、「見上げてごらん、夜の星を」とセットにするコトで、「今は悲しいけれど、一緒に手を繋ぎ、歩いていきましょう」というメッセージとなっている。

このCMを見ていると、「サントリーらしさ」のようなモノも感じる。
というかサントリーという企業の持っている、企業文化を感じさせるのだ。
決して押し付けがましくなく、人の心に寄り添いたい・・・そんな企業文化を伝えるコトにも成功している、稀なCMのような気がしている。

もう一つ、チョッと「ほっこり」するCMがある。
それが、カンロ飴のテレビCM。
「今日の私が、あしたのアナタを元気にできるといいなと思う」という、メッセージと軽やかで可愛らしいCMだ。
このCMを見て思い出したことは、「食事は体の栄養、おやつはこころの栄養」という言葉だった。
このテレビCMは「おやつのCMはこころの安らぎ」という印象を受ける。

「自粛」と「がんばれ」ではないCMが、本当に必要な時期にきていると思う。

そういえば・・・年明け、サントリーは缶コーヒーBOSS・レインボーマウンテンのテレビCMに「上を向いて歩こう」を起用していた。
偶然とはいえ、そのCMの雰囲気の違いと共通する「顔を上げ、未来に向かって一歩を踏み出そう」というメッセージ、サントリーのCM作りの上手さを感じる。
とすれば、気になるのは「日清・カップヌードル」のCMなのだが・・・。