日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業誘致ばかりが、地域の活性化では無い

2013-03-04 17:07:58 | ビジネス
鳥取県という、日本でも「田舎」と呼ばれるような地域と行き来をしていると、感じるコトがある。
それは「地域経済の活性化=企業誘致」だという考えが、まだまだ根強いと言う点だ。

今までは、製造業を中心とする大企業の工場などを誘致する、と言うコトは地域経済の活性化に役立ってきたと思う。
ただ残念ながら、その手法は過去のものになってしまったのではないだろうか?
実際、一昨年あたりからパナソニックをはじめとして、国内の工場を削減・閉鎖をして海外に拠点を移す、と言う動きが活発になってきている。
「国内生産では採算が合わない」と言うだけではなく、家電などの場合パナソニックやシャープの様に企業体力そのものが低下してしまった、と言う点もあるのではないだろうか?
何より、一度稼働し始めた施設を閉鎖される方が、地域経済に与えるダメージは大きいのではないだろうか?

もちろん「世界のエクセレントカンパニー・トヨタ」という企業もあるが、そのトヨタにしても全国に工場を持ち、生産ラインを動かす程の企業体力があるとは思えないのだ。
何故なら、海外で販売するクルマについては販売する国で生産をする、と言うコトが定着してきているからだ。

とすれば、企業誘致ばかりを考えるのではなく、個々の地域にあった産業を創出する、と言う方法くらいしか残っていないのではないだろうか?
日本では「ベンチャー企業」というと、眉唾企業のようなとらえ方をされがちで、地方に行けば行くほど、その思考は強くなる。
しかし、パナソニックやソニーだって、企業ができた時は「ベンチャー企業」だったのだ。
むしろ、都市部から離れているコトで、社会に対する視点が全く違った「ベンチャー企業」が生まれてきてもおかしくはない、と思う。

今日の日経新聞のWEBサイトに掲載されている動画の一つに、企業再生支援機構の瀬谷俊雄氏の講演の一部がUpされている。
企業再生支援機構 瀬谷俊雄氏講演
瀬谷氏の講演でも、「地方経済活性化に対する具体策」などの提案はされていない。
むしろ、機構の責任者としてもアイディアがなく、困っている風な印象を受ける。
と言うコトは、今までの様な方法では、地方経済を活性化させると言うコトは、難しいと考えている、とも言えるのではないだろうか?

名古屋の栄には、全国の産業振興担当の事務所が集まったビルがある。
そこで活動している方々の目的の一部は、トヨタを筆頭とした東海地区の大企業の工場などの企業誘致だろう。
地域の特産品=農作物や工芸品、と言う発想も二昔前のような気がするが、企業誘致が経済振興という発想も、そろそろ変える時代が来ているのでは?と、そのフロアーに行くと思うのだ。