日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

マネジメントについて考える

2013-03-13 13:12:58 | ビジネス
「もしドラ」が流行したのは、4年ほど前になるのだろうか?
ドラッカーの「マネジメント」を、高校野球部の女子マネージャーがよんだら?と言う内容で、「これなら、理解出来そうだ!」と、読まれた方も多かったのだろう。
確かにドラッカーのマネジメントを理解するのは、大変だ。
私なども、何度も何度も読み返しをするのだが、言葉としての理解は出来ても、その内容を深く掘り下げて理解できているのか?と言う点については、とても怪しい。
だからこそ「もしドラ」が、大ヒットしたのだと思う。

最近、気になるコトがあった。
それは「新規事業を始めたい」と言う方と、話をしている時だった。
新規事業を始めるのは、とても良いことだと思うのだが「事業目的は何ですか?」、「社会に対する事業の目的は?」と、伺うと「・・・???」というお答え。
「起業をするなら、一番大事なトコロでしょ?」と、重ねて聞くのだが、余りハッキリとした答えが出てこない。
これで起業をすると言うのだから、失敗するコトは目に見えている。

その後しばらく経ってから「部下は、上司の顔をうかがいながら仕事をする」という、話を聞いた。
「一体何時の時代の話だろう?」と思いながらいたのだが、どうやら今現在の話らしい。
そんな組織で、本当に事業が上手くいっているのだろうか?と、関係ないコトながら、心配をしてしまった。

ところで、自分が属している組織が、この様な「上司の顔色を伺いながら、仕事をする」という体質だったら、どうだろう?
私としては、「嫌」の一言しか思い浮かばない。
確かに「大きな組織の一駒として働いていて、人事考査が気になる」と言うのは、わかるのだが、それよりも問題なのは上司が「事業の社会的目的をハッキリと伝え・理解させるコトができない」という組織である、と言うコトの方が大きな問題なのだと思う。

違う言い方をすれば、「誰に対して事業をしているのか?」というコトが、全く判っていない組織が、単なる企業内の上下関係だけで、顔色をうかがいながら仕事をしている、と言うコトだと言えるのでは?
そんな組織体質が提供する商品やサービスを、誰が買いたいと思うのだろう?

「もしドラ」で最初の方に書かれていた(と思う)「事業の目的」が、あやふやな企業や組織にマネジメントができるのだろうか?
もっと違う言い方をすれば「事業目的に沿った成果」が、現れるのだろうか?
「アベノミクス」以前から、少しずつ感じられる様になった景気の回復傾向だが、生活者の厳しい企業の見方が変わる訳では無い。
むしろ回復傾向がほんの僅かだが現れ始めた今だからこそ、改めて「事業の社会的目的は何か?」という組織全体の共通認識とその認識の上にたった、企業活動が大切なのではないだろうか?