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「中国産タマネギよりも国産タマネギが安い」=日本の農家が喜ぶ?

2013-03-12 17:48:16 | ビジネス
新聞社のWEBサイトを見ていたら、タイトルのようなコトを安倍さんが話している記事があった。
朝日新聞「タマネギ、中国より安い」 首相、アベノミクス自賛
何となく、違和感があるのは私だけだろうか?

安倍さん曰く「アベノミクスによって、円安に動きそれが中国産タマネギの価格を上げた」というコトになるようなのだが、本当にそうなのだろうか?
スーパーに買い物に行くとわかると思うのだが、今頃から4月上旬くらいまでは「新タマネギ」が市場に出てくる頃。
当然、「新タマネギ」ではないタマネギは安くなる。
昨日買い物に出かけたスーパーでも、新タマネギの方が10~15円/個高くなっていた。
安倍さんが見られたタマネギが、新タマネギだったかどうかは知らないが、タマネギそのものが安くなる時期がこの季節でもあるのだ。

もう一つは、農家の努力が報われているのか?と言う点。
一般消費者が買い物をする時、価格を決めるのは実はスーパーや小売店。
もちろん仕入れ価格+利益という設定で、販売価格は決められるのだが、もしかしたら農家からすれば、相当に買いたたかれた価格かも知れないし、イオンなどの大手スーパーが仕入れる「無差別一括購入」という方法で、仕入れられたのかも知れない。
言い換えれば、スーパーなどで付けられた価格が、農家に直接的に影響を与えているのか?と言うと、決してそうではない。

確かに「中国産タマネギが円安になったコトで、国内産タマネギよりも値段が高くなった」と言うコトはあるかも知れない。
でも、それだけで野菜の価格が決まる訳ではないし、農家の収入が増えると言う訳でもない。
「アベノミクスで、景気が上向きになっている」とはメディアのコトバだが、安倍さんご自身が、それに乗ってしまうのはどうなのだろう?