日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

TPPに関する補填よりも・・・

2013-03-24 19:58:55 | ビジネス
TPPへの交渉参加について、いろいろな動きがはじまった。
特に、農業分野に関しては早速、自民党から?「経済的補填」という言葉が出始めたようだ。
この話を聞いて「自民党お得意の経済補填で、農業が守れるの?」という、疑問が湧いてきた。

自民党時代、農業政策と言えば「減反と減反分の補填」だった。
長い間取られてきた政策だが、この結果日本の農業はどうなったのだろうか?
減反された田んぼは、休耕田となり今では田んぼとして使いたくても使えない、と言う状況になっている。
それどころか農業従事者の高齢化で、減反しなくても後継者がいないために、耕作放棄地となってしまった農地が、全国各地にあり問題となっている。

と言うコトは、経済的補填をされても農家さんの生活が守られる訳でもなく、農業の発展にも結び付いていない、と言うことなのではないだろうか?
むしろ、TPPと言う問題に直面した今だからこそ、日本の農業全体の体質改善をする必要があるのではないだろうか?

団塊の世代の人達が、仕事の第一線を退いた頃「農業をやりたいけど、できない」と、よく耳にした。
農地法の問題で、気軽に農業を始めるコトができない、と言う大きな壁があった。
農業法人化というコトに対しても、余り積極的では無かった。
今「元気がある農家」と言えば、農業法人化したトコロが多い、と言う現実がある。

とすれば、経済的補填をするよりも、日本の農業が元気になり環太平洋地域内でも、十分闘えるだけの力をつけるための法整備や法人化、販売ルートを自由に開拓できるような支援などに力を注いだ方が、良いのではないだろうか?
それだけでは無く、農業+αの産業振興ができるようにした方が、従事者の高齢化にも歯止めが掛かると思うのだ。
例えば、廃棄農作物や間伐材などを利用した「循環型エネルギー材料の創出事業」などを、農業や林業と組み合わせるコトで、随分変わるのでは?と考えるのだ。

そもそも「経済的補填」をするだけの予算が、あるのだろうか?
「アベノミクス」で、株式市場などがやや上向きになってきたとは言え、税収が大きく伸びている訳では無い。
「無い袖を振る」ような経済政策を続けるコトが、日本の将来にとってプラスとなるのか?と、再三再四問われてきている。
にも関わらず「農家には経済的補填」という政策ばかりが、出てくるのはなぜだろうか?
農家さんのことを本気で考えるのであれば、安直な「経済的補填」よりも、体質改善策+利益が上がる仕組みの為の法整備のほうが大切だと思うのだが・・・。