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女性マーケターから見た日々の出来事

太陽光発電も過渡期に入ったか?

2013-03-23 21:51:28 | ビジネス
日経新聞を見ていたら、ドイツのボッシュが太陽光発電の設備事業から撤退する、と報じていた。
「太陽光発電から撤退 独ボッシュも 巨額赤字で」
その前には、中国の「サンテック」の破綻を報じている。

「太陽光発電」と言えば、循環型エネルギーの筆頭のように言われ続けているのは、ご存じの通りだ。
最近では家電量販店に出かけると、「太陽光発電を設置する為の屋根リフォーム相談」のようなコーナーも設置され、電力の買い取り制度との関係もあり、週末など相談される人を見かける。
日本では、まだまだ太陽光発電への関心が高いと言う印象を受けるのだが、世界という市場で見た時には、既に「価格競争」という時代に入っているようだ。

では日本の企業の場合はどうなのだろう?
日本で太陽光発電の設備事業を行っている企業と言えば、シャープ、パナソニック、三菱、東芝、京セラといくつもの企業の名前が思い浮かぶ。
シャープやパナソニックは、テレビ事業の業績悪化というコトもあり、出来れば将来的市場がありそうな太陽光発電設備の事業に力を入れたい、と言う気持ちがあるのでは?と、想像するのだが、決して甘くは無いようだ。

日本国内に限って言えば上述した通り一般家庭や集合住宅などへの普及が始まったばかりと言うコトもあり、ある程度は期待できるのかも知れない。
特にパナソニックなどは、パナホームという住宅企業を関連会社として持っている、と言う点では他の企業よりも有利かも知れない。
街中を歩いて見ると、1年ほど前までは戸建て住宅をマンションなどに建て替えるケースが多く見られたが、最近では古いマンションの建て直しがいくつも始まっている。
おそらく新しく建て替えられたマンションには、太陽光発電システムが完備され、共用部分の照明などに使用する以外は売電をし、その売電益を共益費などに補填するようにするのかも知れない。

とは言うモノの、海外での動きは決して対岸の出来事では無い。
太陽光発電に詳しい知人の話では、太陽光発電関連の企業の寿命そのものは、他の産業に比べると短命だと聞いたコトがある。
市場があるから企業利益が上がるのではなく、市場があるから短期間で価格競争に巻き込まれる、と言うのが太陽光発電のようだ。

次世代の循環型エネルギーシステムを考えたとき、太陽光発電というのは個人でもできるエネルギーシステムだ。
しかし、現実は簡単では無いとすれば、やはり「地域全体で考える循環型エネルギーシステム」という発想の方が、現実的なのかも知れない。
その一部として個人宅(集合住宅も含む)の太陽光発電、と言う考え方になるのだろう。
日本の場合、それを現実化させるには「送発電分離」と言う大きな問題を解決する方が先ではあるのだが・・・現与党である自民党はどう考えるのだろうか?