日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「楽天」の危機感

2013-03-05 15:03:41 | ビジネス
週末、繁華街へ出かける用事があり、地下鉄に乗った。
地下鉄に乗車した時の楽しみ?というか、時間つぶしが「ぶら下がり広告」を見るコト。
ほとんどは、週刊誌などの雑誌広告。
週刊誌などの広告は「今週は、こんな記事があるのか」と言う程度だが、女性誌の広告は「この雑誌はこんなファッションをトレンドと考えているのか」「この雑誌の対象の女性のライフスタイルは?」と考えながら、見るコトが多い。

そんな広告を眺めていたら、一際目立つ広告があった。
「楽天」の広告だ。
最初は、ここ2,3年前から楽天と百貨店が共同で企画している「通販で人気ショップの商品を販売」という、百貨店の広告かと思ったのだが、共同で販売する百貨店の名前が無い。
楽天単独の広告だとわかるまで、しばらく時間が必要だった。
その広告を眺めながら、日本におけるネット通販の雄・楽天が地下鉄のぶら下がり広告を出す意味、と言うコトを考えていた。

一つは、ネット通販ユーザーとなっていない層に対するアピールだろう。
拙ブログに来られる方の中には「え!未だにネット通販を経験したコトが無い、と言う人がいるの?!」と、驚かれるかも知れないが、高齢者にとってネット通販というのは、とても敷居が高い。
その理由は「欲しいモノをどうやって探せば、見つけられるのか判らない」と言うコトがある。
実際、実家の父などはPCを持ちネットにも接続できる環境になっているにも関わらず、ネット通販を利用する時は、私が帰省した時だけ(=私が、ネットで探して注文をする)。
その理由が「欲しいモノをどうやって探すのか判らない」、と言う点なのだ。

もう一つは、AmazonやYahooの攻勢だろう。
AmazonにしてもYahooにしても、楽天とシステムとしてはほとんど変わりない。
現在のAmazonは、書籍だけを販売している訳では無い。
取扱商品アイティムなどは、楽天を凌ぐ位かもしれない。
むしろ欲しいモノが見つかれば、Amazonの方が購入しやすい、と言う印象がある。

そんなAmazonやYahooが、通販に積極的に取り組み始めた、と言うニュースがあったは、先月末~今月初めだった。
これまで日本では、最大規模と売り上げを誇っていた楽天としては、強力なライバル企業が次々と登場してきた、と言うコトになる。
重ねて言うが、AmazonにしてもYahooにしても、これまでネット通販に対して積極的では無かった、と言う訳では無い。
Amazonの場合は、「書籍」のイメージが強すぎて、他の商品を購入する人が楽天ほど多く無かった、と言うコトだ。
Yahooにしても、ショッピングサイトは随分前からあっても、ポータルサイトやオークションのイメージが強く、なかなか物販とは結び付かなかった、と言うコトだと思う。

そんなライバル企業の動きに対して、危機感を持ったことが地下鉄のぶら下がり広告となったのでは?と、感じたのだ。
今まで楽天の独壇場のような状況だった、ネット通販。
果たして、どんな動きになっていくのか?注目だ。