日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

テレビドラマも視点を変えると、ビジネスのテキストになる?!

2020-07-09 19:57:35 | 仕事のコツ

日経新聞のWEBサイトに、東大大学院の学生が起業し、AIなどの分野で注目されている「グノシー」に続けという、記事があった。
日経新聞:グノシーに続け 東大「松尾研」に集う起業家の卵 (会員有料記事)

この記事は、連載記事なので内容を把握する為には、「東大スタートアップ」を読むと良いと思うのだが、この記事のタイトルを見ながら、ある種の違和感を感じている。
その理由は、「人はAIだけでは、理解できない部分を数多く持っているのでは?」ということだ。
「新型コロナウイルス」の感染拡大の為に、撮影が中断しやっと放送が始まった、TBSの「私の家政夫ナギサさん」を見ていた時に感じた「人の心に訴える」ということの大切さだ。

見逃し配信サイトTverで見ることができるので、見逃した方は一度チェックをして欲しいのだが、放送50分頃から始まる、クライアントである開業医と主人公の女性との会話だ。
ライバル会社の製薬会社との取引が決まりかけているのを覆そうと、必死になって自社のアレルギー薬(?)のセールスポイントを説明しようとする、主人公。
それに対して、クライアントである開業医は「お薬の効果という点では、ライバル社と大きな差はない」と、言い切ってしまう。
続いて「何故、ライバル会社に決めたのか」という説明を始めるのだ。
そこで語られるのは、「B2B」ビジネスで陥りがちな問題点と、「セールスポイントとベネフィティングポイント」の違いだ。

まず「B2B」ビジネスで陥りがちな問題点、というのは「B2B」ビジネスでは、顧客となるのは「企業」だ。
だが「顧客である企業」にとっての利益だけを考えても、「顧客である企業」の利益にはなっていない、ということが間々として起きる。
大切なのは「B2B」の先にある「B2B2C」の「2C」、すなわち、「顧客である企業の先にいる生活者の利益」を、どのようにとらえるのか?ということなのだ。

もう一つ、主人公がクライアント獲得のために行っていたことは「自社のセールスポイント」を訴えることだった。
今でも日本の企業の多くが、この「セールスポイント」を強調することが、実際の顧客メリットに繋がっている、と考える傾向があるように感じることが多いのだが、大切なことは「本当の顧客メリット=ベネフィティングポイント」を探し、提案することなのだ。
この「本当の顧客メリット=ベネフィティングポイント」を探す為には、AIのような情報の分析だけでは難しいのでは?と、考えている。
何故なら「人を動かす力」は、少なからず「こころの動き」がある、と考えているからだ。

上述したグノシーのようなAIを活用することで、情報の分析は早く簡単に行うことができるようになると思う。
だが、情報の分析だけでは「(人の)こころの動き」までは、分析することは難しいように考えている。
だからこそ「AI時代に必要なこと」の一つは「人のこころの動き」に寄り添う力であり、それは人にしかできないことなのでは?と、考えるのだ。

元々このドラマは「ラブコメ」と呼ばれるカテゴリーのドラマなので、わずか1,2分しかないこの場面に気を留める視聴者はさほど多くはないかもしれない。
だが、「ラブコメ」と思い込まずに、視点を変えてみることで、テレビドラマも「ビジネスのテキスト」になるのでは?という気がしている。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。