日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

どうなるのか?ソニー

2006-10-17 22:10:31 | ビジネス
しばらく前から問題になっていた「ソニー製リチウム電池」。
今日、自社ブランドの「VAIO」も回収の対象になったようだ。

最初このニュースを聞いた時、ソニーが「デル」や「アップル」等にリチウム電池を提供している事を知って、業界内での信頼の高さに驚いた。
しかし、その後次々と国内のメーカーから同様の事故があることを知り、その対応策に注目していた。
というのも、日本製のノートPCだけではなく全世界を対象となる「商品回収」となる可能性が高かったからだ。

昨年、松下電器のファンヒーター回収があった。
問題が発覚したのは、春。
その後、回収・修理が進まず、修理した商品が新たな事故を起こした。
そこで松下は、商品の全面回収に切り替え、一時はテレビCMを総て「回収のお願い」にし、全戸数へチラシや案内ハガキを投函。
とにかく、考えられる方法を総て使って回収に当たっていた。
それは、今年も続いている
「徹底して、問題となっている商品回収をしなくてはいけない」という企業姿勢が、感じられる。

松下の場合は自社製のみだったが、ソニーの場合は国内メーカーの製品だけではなく、デルやアップルといった海外の製品にまで及んでいる。
製品供給を受けていた企業の一部では、「企業イメージが下がった」等を理由に損害賠償請求をする動きもあるようだ。
ソニーの対応いかんによっては、これまで築いてきた「ソニーブランド」だけではなく、「ソニー」という企業そのものの存続に関わることになるだろう。

ところで・・・私が使っているノートPCも「VAIO」なんですが・・・。
大丈夫なんでしょうか?ソニーさん。
対象機種なのかどうか、わからないんですけど・・・。

センスに問題-いじめと個性-

2006-10-16 22:31:00 | 徒然
先週から、小中学生の自殺がニュースで取り上げられている。
いじめられっ子経験のある、私としては「いじめもいじめられない子>いじめる子>いじめられる子」という数的関係があり、学校の先生だけではなく親御さんの多くは「いじめもいじめられない子」か、「いじめる子」の経験しかない、と思っている。
だから「いじめられっ子」の気持ちなど分からないと思っているし、「いじめは悪いことだから、自分の周囲では、いじめはあってはいけない」という建前が、「いじめ」を隠蔽していると考えている。

「いじめ」が、良いことか悪いことかと言われれば、「悪いこと」に決まっている。
「みんなと仲良く」できることが一番だ。
でも、「みんなと仲良く」と言う時には「みんなと一緒」というコトも、含まれている場合が多い。
言い換えれば、「一つの枠組みから外れるということを嫌う」と、いうことでもあるのだ。
それは、思考だけではなくファッションや持ち物、見ているテレビ番組なども「同じ」でなくては、「仲間ではない」というコトなのだ。

反面、「個性」だとか「グローバル化」等、自分と違う価値観や思考を理解し、認め合うことが大切だといわれている。
相反する二つのことを、社会経験もない子供たちに同時に求めているようなモノなのだ。
それを指導していくのが、先生や親である身近な大人なのだが・・・。
自分にとって「都合の良い解釈」で、「個性」や「グローバル化」を使っていないだろうか?

九州の中学校であった男子生徒の自殺の背景には、担任の先生の暴言があったといわれている。
今日になって、他の生徒にも数々の暴言を授業中に吐いていたコトが、分かった。
何でも「国語の先生」らしいのだが、「国語の先生」だから「言葉のセンスが良い」とは限らない。
むしろ「国語の先生」だから「言葉のセンスを疑え」と、私はいいたい。
あくまでも、過去の経験から言っているだけのコトなのだが。
何故なら「言葉」は、「人の気持ちや思い」を伝える道具。
そのための、センスを常に磨き敏感になっていなければ、「上手に使いこなすこと」等できないのだ。
それは「テストで採点できる」ようなモノではない。
同じコトが「個性」や「グローバル化」等、違う価値観を理解し、認め合う為の基礎力なのではないだろうか?

そろそろ上っ面だけの「個性」や「グローバル化」等、声高に言うのは止めて、人の機微を察し、表現できる力を身につけさせる為には、何が必要なのか?ということを考える時期にきているのではないだろうか?

それと・・・この先生、生徒の成績を地元の特産品「苺」の品種で、ランク付けをしていたようなのだが、「苺」の品種はその食用目的によって違っている。
ジャム用の苺と生食用、製菓用では「味も形も違って当然」。
それを一まとめにしてしまう思考は、やはり「センスも想像性も知識もない」というコトをあらわしているように感じる。




おやつ好きは、男性?!

2006-10-15 23:27:43 | マーケティング
先日、毎日新聞のWEBサイトにおやつ調査:ビジネスマンの9割が仕事中にお菓子--江崎グリコ実施という、記事が掲載されていた。
詳細の調査は、こちらで確認して頂きたいのだが、これまで「お菓子=こども、女性」というイメージは、実態として違っていた。ということことになる。
もちろん、一昔・二昔前なら「オフィスでお菓子を食べるのは、女性」が、当たり前だったと思う。
その当時から見れば、今回の調査で明らかになった「よく食べるお菓子・1位」のチョコレートなどは、「洋酒のつまみにチョッと」という程度だったのではないだろうか?
それが今や堂々の1位である。
もちろん、チョコレート菓子も進化(?)していて、「ポリフェノール」とか「GABA」といった「健康効果」を強く打ち出し、市場の拡大を図っている。
しかし、それだけで市場が拡大するとは思えない。

「お菓子を食べる理由」を見てみると、実は「小腹がすいた時」が多い。
ある意味、実質的な勤務時間の長時間化が普通になってきている、という可能性がある。
そのため、就業時間の一区切りとなる午後5時くらいに一息入れ、新たなエネルギー補給としての「お菓子」としてのあり方が一般化し、職場でも容認するようになってきているという、「職場風景」が思い浮かべることが出来る。
だからこそ「置き薬」ならぬ「置きお菓子」という、ビジネスが成り立つのだろう。

この調査で、一つ気になったことがある。
それは、女性がダイエットでよく食べる「豆乳クッキー」とか「ファイバークラッカー」、「カロリーメイト」等のハンディタイプの栄養価もそれなりにある「お菓子」と「食事」の中間的な食べ物が、入っていないことだ。
やはり、「夕飯は自宅で食べたい」という気持ちがあるからだろうか?
もう一つ、イメージや固定観念でモノを見る危険性だ。
実態とかけ離れ、市場そのものを見誤る可能性の高さを改めて知らされた、調査でもあった。



ユニクロの低価格ショップ

2006-10-13 23:49:06 | ビジネス
Yahooのトピックスでも、アップされていたユニクロの低価格ショップが、今日オープンした。
既に、ユニクロサイド(=ファーストリテーリング)から、プレスリリースがされていたので、「あ~、やるんだ・・・」程度にしか思っていなかった。

今日のオープンは、初日ということもあり大行列が出来るほどの賑わいだったようだが、「低価格」だけで、お客様を惹きつけ続けることは難しいだろう。
確かに、100円ショップよりも安いソックスなどは魅力的だが、その「低価格馴れ」することのほうが、怖いような気がする。

今日一部テレビのニュース番組で、社長であり会長である柳井氏は「2週間程度で、商品が次々と入れ替わるので、『買いたい!』と思った時に購入できる価格設定をしている」という趣旨のことを話していた。
おそらくユニクロの狙いは、そこにあるのだろう。
在庫を持たずに、売り切ってしまうことで価格を抑え、常に一種の商品飢餓状態を作ることで、ブランド維持をしていくという考えなのではないだろうか?
実際、海外では若年層向けの低価格帯のセレクトショップでは、そのような方法でブランド維持に成功しているところもある。

問題なのは、「常に新鮮な商品が売られているのか?」ということだ。
手っ取り早い方法は、「同一デザインによる限定色展開」なのだが、それだけでは生活者は飽きてしまう。
多少の手直しデザインでは、「新鮮な情報」とは言いがたい。
毎シーズン、猫の目のようにクルクルと変わるファッショントレンドを、追いかけ続けるにしても、今度は生活者のほうが疲れてしまう。
トレンドとコンサバティブ、価格と品質というバランスがいずれにしても重要なのではないだろうか?

先に書いた、海外における若年層向けの低価格帯セレクトショップなどは、全国展開をしていない。
その意味で「その場所に行かなくては、商品を購入することが出来ない」という「レア感」がある。
それに対して今回のユニクロの新ブランド「g.u.」は、関東・関西で50店舗の展開予定をしている。
この全国展開というのも、「どうなのだろうか?」と疑問がある。

今回は、子供服とその親をターゲットとした商品を中心に販売しているようだが、果たしてご祝儀的人気が終わってから、どうなるのか?

地方とメセナ

2006-10-12 21:49:18 | アラカルト
今日の朝日新聞のWEBサイトasahi.comにメセナ大賞にベネッセと直島福武美術館財団という記事が、掲載されていた。
「メセナ」という言葉そのものが、久しぶりに聞くような気がする。
今回は、ベネッセの関連美術館を運営している財団が、大賞を受賞している。
岡山と香川という地方で展開するメセナというのが、とても大切なのではないだろうか?
もちろん、サントリーホールやコニカなど在京の企業もあるが、ベネッセなど地方から様々な情報を発信している企業が、メセナという文化活動に積極的であるということが、とても興味深いと感じるのだ。

以前、「新潟妻有トリエンナーレ」についてエントリしたが、地方の企業や自治体が文化活動に積極的であることが「美しい国」のひとつではないだろうか?
それは、アート活動だけではなくスポーツなども同じだ。
北海道でウィンタースポーツだけではなく、野球やサッカーをし、楽しむ子供たちが育つことや、マラソンなど陸上競技の名門企業が、地域を巻き込んで「大スポーツ大会」を主催し、その大会に世界のトップアスリートが参加する。
日常生活の中に、トップクラスのスポーツやアートがある、ということに対して日本の企業はもっと積極的になってもよいのではないだろうか?

バブルのころ、多くの企業は「メセナ」に酔った。
すっかり忘れられているが、マドンナの初来日は某電機メーカーの冠コンサートだった。
当時の役員は、「マドンナって?『坊ちゃんのマドンナ』なら知っているが・・・」という程度の反応だったといわれている。
企業の宣伝活動としての「メセナ」を象徴するような話だが、当時の「メセナ」というのは、その程度の認識でしかなかった。
バブル崩壊後、企業の多くがメセナ活動を中止した理由はそこにあった。

それから時が流れ、地方の企業が自分達にあった「メセナ活動」を少しづつ始めた。
そのことが、これから先重要な企業活動になっていくのではないだろうか?

わーい!明日からバーゲンだ!!

2006-10-10 23:13:27 | 徒然
プロ野球のセリーグ優勝が決まった。
地元中日に決まった。
ということで、明日から3日間くらいは市内の百貨店やスーパーマーケットは、「おめでとうセール」が始まる。
はっきり言うと、野球に興味のない多くの主婦にとっては、この「バーゲン」が楽しみなのだ。

これまで、中日優勝の年というのは、余りおめでたいことがない。
一番は、昭和天皇が病に伏された年の優勝だ。
当然お祝いムードも「自粛」で、バーゲンも実施されなかった。
そして今年は、北朝鮮の核実験だ。
優勝が決まる前日にあったことだけに、「やっぱり・・・、中日優勝の年には何かある」という気になってしまう。

明日、名古屋に仕事で来られる方は、とりあえずスタバではなく地元の喫茶店(有名なところでは「コメダ珈琲店」)を利用することをお勧めする。
きっと、何かの「おまけ」がついてくるはずだ。
ちなみに、コーヒーを注文して付いてくる小袋に入った豆菓子などは、「優勝のおまけ」ではない。
名古屋喫茶店の、お約束お菓子なのだ。
ポケットに入れて持ち帰っても、誰も文句を言う人はいない。
名古屋特有の喫茶店文化だと、思ってください。

もしかしたら、「アピタ・ユニーグループ」は、他地域でもバーゲンがあるかも知れませんが・・・。
何故なら、「アピタ・ユニー」の母体「ユニー」本社は、名古屋近隣の稲沢市にあり、シーズン中は、ドラゴンズ応援を掲げていたので・・・。
全国的には、コンビニの「サークルKサンクス」になるのかな?

明日からの、バーゲンにチョッとウキウキ。



ブランド米、花盛り

2006-10-09 22:12:51 | ライフスタイル
新米が、スーパーマーケットの店頭に並ぶ季節が、やってきた。
「こしひかり」「ササニシキ」、「あきたこまち」等など、いわゆる「ブランド米」が目白押しだ。
でもその生産地をよく見ると・・・。
「新潟・魚沼産こしひかり」や「秋田産あきたこまち」というわけではない。
地元産地名の「こしひかり」や「あきたこまち」が、並んでいるのだ。
もちろん、地元育ちの「あいちのかおり」や「あさひの夢」といったお米もあるのだが、なかなかお目にかかれない。
やはり「人気」という点では「こしひかり」や「ササニシキ」、「あきたこまち」の方があるのだろう。

そんな中、我が家ではご近所のスーパーマーケットの安いお米を、毎回購入している。
そのため「ブランド米」といえるほど、メジャーなお米を食べる機会が少ない。
例えば、山口の「晴るる」とか福井の「華越前」といった銘柄米をご存知の方は、どのくらいいるだろう。
食べてみると、いわゆる「ブランド米」に負けず劣らず美味しい。
もちろん、おいしいご飯を炊くために吸水時間や水加減などは、チョッと注意する必要があるが、それは「ブランド米」も同じこと。
「美味しいご飯をいただくため」の一手間と考えれば、いいのだ。

最近では、北海道産のお米がお弁当屋さんなどを中心に人気だという。
青森のお米などは、とても値ごろ感がいい場合が多い。
岐阜の「ハツシモ」は、地元銘柄のお米で値段も高いが美味しいお米だ。
「新潟・魚沼産こしひかり」だけが、美味しいお米ではない。
地元や初めて見かけた銘柄のお米にチャレンジするのも、楽しい季節ではないだろうか?

悩みは同じ・・・「むにゅ」おなか

2006-10-08 22:05:19 | マーケティング
「スキンケアとテクノロジー」にコメントを下さった、ひろさん、lupinさんありがとうございました。
ひろさんが指摘されているように、フジフィルムの化粧品・健康サプリメントを通販でするには、その告知=宣伝がポイントになっていくと思います。
むしろ、全国にあるDEP店にサンプルやカタログを置くなどして、商品の認知度を上げるとかする必要があると思います。確かにインターネット通販は一般化し、企業の大小関係なく少コストで売上を上げることが出来ますが、化粧品等は「使用感」等が購入の決めととなりますから、通販だけに頼るのは新規商品としては大変だと思います。
そして「プラチナ・スキンケア」に力を入れているlupinさんのご指摘、ありがとうございます。テレビCMなどを注意してみていると、本当にDHC社の「プラチナ」商品が目に付きます。サプリメントまであるのには、チョッとビックリというか、金属体に溜めて大丈夫?と思ってしまいます。昨今はやっている「デトックス」に反するのではないかと・・・。

今日の毎日新聞に、興味深い記事が掲載されていた。
おなか:9割以上たるみ悩む 女性の「美腹」意識、切実 「むにゅっ」の瞬間に嫌悪感だ。
この秋、女性下着メーカーが揃って力を入れているのが、「おなか」だ。
アンケート調査をしたワコールは「おなかウォーカー」という商品を出した。
1枚5000円を越すガードルとしても決して安くない商品なのだが、ヒットの兆しがあるようだ。
もちろん、ライバル企業トリンプも「スピードシェイパー」という商品を出している。
ただ、ワコールの「おなかウォーカー」は、「1日6000歩 歩るくことで自然にウエスト周りに捻りの運動を加える」という、これまでの「締めて・上げる」というガードルとは違う発想の商品だということだろう。

これまでも、通販カタログの「美容」ページ(下着の頁ではない)でも、「ハイウエストで、マッサージ効果のあるソフトガードル」という商品がある。
頁レイアウトなどを見ても、女性の多くが興味・関心があるということが良く分かる。
その意味で「目的をもった商品」が、注目されているということだろう。
スキンケアなども、「美白」「保湿」など「効果・目的を謳った商品」が、ヒットしている。
マーケティングの基本に忠実な商品開発ということになる。

この「おなかウォーカー」女性向に作られているのだが、来年あたりには「おなかウォーカーHOM」として男性向け商品が登場するかも知れない。


今日は「芋名月」・・・何かしましたか?

2006-10-06 21:09:07 | アラカルト
先日のエントリ「スキンケアとテクノロジー」にコメントやトラックバックをいただいています。
ありがとうございます。
大変申し訳ないのですが、本日風邪ひきのため後日お返事をさせて頂きます。

今日は、「中秋の名月」。
自宅で、里芋を煮たりお月見団子をお供えしたお宅はどのくらいあるのだろう?
昨年、一昨年は雑誌「サライ」等で「名月を楽しむ」といったたぐいの特集が組まれていたのだが、今年は見ない。
むしろ、「京都」特集を組んでいる雑誌が目に付く。
「京都特集」を組んでいるのは、「サライ」等だけではなく、「フィガロ」等の(やや高感度な)女性ファッション誌等もある。
まるで、「この秋、京都に行くのがトレンド」と、言わんばかりだ。

ところで、気になることが先月あった。
お彼岸の中日(9月23日)に、おはぎなどを用意したご家庭はどのくらいあったのだろう?
丁度、夕方ご近所の和菓子屋さんの前を通ったら美味しそうな「おはぎ(つぶあん・きなこ・ごま)」が、だいぶ売れ残っていた。
家庭で「おはぎ」を作ることは減ってきているとは思うのだが、代わりとして和菓子屋さんの「おはぎ」は、人気だと勝手に思っていたのだ。
この春のお彼岸の時も、比較的順調な売れ行きだったらしく夕方に行った時にはうりきれていたのだが・・・。
このような季節の行事が、一般家庭では年々行われなくなってきているのだろうか?

風邪さえ引いていなければ、買い置きの「白玉粉」と「缶詰のゆで小豆」でぜんざいでも・・・と思っていたのだが、来月の3日が「豆名月」なのでそれまでとっておこう。
季節の行事を楽しむ心の余裕は、この上もない「贅沢」だと思うのだが、「金銭的贅沢」ばかりに目が行ってはいないか?
そんな気がしてしまう、和菓子屋さんの風景だった。

HONDAが、TOYOTAに負けたのかな~

2006-10-05 19:31:07 | アラカルト
明日から、鈴鹿でF1の日本グランプリが開催される。
モーターファンではなくても、バブルのころ「セナ様~」人気で一気に日本にモータースポーツブームを呼び、「鈴鹿」という地名が有名になった。
もちろん、フジテレビの力もあってのことだとは思うが・・・。

その鈴鹿を本拠地にしているのは、HONDAだ。
バブル以前=日本でF1人気が出る以前から、HONDAは鈴鹿で日本グランプリを開催する為に、一生懸命にやってきていた。
F1のようなモータースポーツに参加することの意味を、企業のイノベーションととらえてきたのかも知れない。
だから、HONDAはモータースポーツが盛んな欧州では、TOYOTAを圧倒する人気を誇ることが出来たのだと思う。

実際F1に参加する為の自動車開発には、新工場1棟分かかるといわれている。
それだけの費用を掛けても、「モータースポーツ文化」を企業文化としてきただろうし、一般車の開発に結びついた技術・研究がされただろう。
その意味で、「企業ロマンと現実性のバランス」がとれた企業としてのHONDAがあるような気がする。
それが「HONDAイズム」とか、「本田宗一郎のDNA」なのかも知れないが。
それを、HONDAの工場がある地元・鈴鹿で発表する=F1開催に結びついてたようにも感じるのだ。

そのF1日本グランプリの開催地が、来年から変更される。
場所は富士サーキット。
TOYOTAのテストコースが、あるところでもある。
鈴鹿から富士に変更される理由は、明らかにされていないが、なんとなく「元気なTOYOTAが買った」という気がしてしまうのだ。

F1に参加しているTOTYTAチームだが、参加表明をしたころ地元では「TOYOTAのイメージ戦略」ということばかり言われていた。
モータースポーツの人気が高い、欧州での市場拡大を目的としている、と言うことだ。
そして「質実剛健」という「安心」はあっても、そのイメージは「年寄り臭い」だった。
「若者市場を考えた時、どうしてもF1への参加によるイメージの一新が必要」と言う判断があったということも、いわれた。
そのためには、日本グランプリも買うくらいの気持ちもお金もあったのではないだろうか?

まったく根拠のない話なのだが、地元で観るTOYOTAという企業は、決してメディアで持ち上げられるような「エクセレントカンパニー」というイメージだけではない。
時には「文化を買う企業」という印象がある。
「文化を買う」と言っても、「メセナ事業」に積極的というのではない。
今回の日本グランプリように、地道に他社が作り上げてきた文化事業を(文化事業を育ててきた)相手企業の意志とは関係なく、買い取ってしまうということなのだ。

「週間金曜日」の回し者ではないのだが、最近のトヨタ自動車を見ていると「大企業の驕り」というモノを感じるのだ。