日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

スキンケアとテクノロジー

2006-10-03 22:02:19 | トレンド
10月になると、金木犀の香りが漂ってくる。
まるで金木犀が、暦を知っているかのようだ。

女性ファッション誌などでは、10月号は「化粧品の特集」が、ほぼお約束になっている。
一斉に、テレビCMも変わるし、新製品の投入もこの時期だ。
テレビCMでは、資生堂の「マキアージュ」のエビちゃんことモデルの蛯原さんの演出に、やや驚きを感じた。
というのも、蛯原さんのトレードマークと言ってもよいかも知れない「巻き髪」での登場ではないし、可愛らしいフリルの付いたワンピースというファッションでもない。
最後の「ブラボー」という平板な言い方で、「あ~、エビちゃんだ」と気付く人もいるのではないだろうか?
資生堂は、CMで使うタレントさんや女優さんのイメージを良い意味で裏切ることが、上手だという気がする。

そして、スキンケアのトレンドは、「プラチナ」ということらしい。
確かに「プラチナ」という金属は、錆びることがなく心臓のペースメーカーに使われるほど、人体に優しい金属ではある。
それが「ナノ・テクノロジー」と結びついて、「錆びない肌」というのは・・・・。
だからという訳でもないのだろうが、最近では化粧品とはまったく関係ない企業が、スキンケア商品を発売しているということだ。
その代表的なのが、フジフィルム
ドラッグストアーなどで見かけたことがない(記憶がない)ので、これからということなのかも知れないが、フィルムを作る過程がスキンケア商品と結びつくというのは、チョッと想像できないことだった。

ご存知のとおり、デジタルカメラの普及によりフィルムの需要はドンドン減ってきている。
カメラメーカーも、デジタルカメラ製造へとシフトしているといわれて久しい。
しかし、「フィルムを作る」という技術や研究などから得られた様々なモノ・コトを新しい事業展開へと結び付けていくということは、企業の生き残りとしては必要なことだろう。
それが、意外にもスキンケアというまったくの異業種だった、ということなのだろう。

様々な企業が、それまでの技術・研究を使ってスキンケア事業に参入しはじめている。
これまでの中心は食品関係だったが、これからは想像もつかない企業が参入するかも知れない。
そんな予感をさせるフジフィルムのスキンケア事業だ。

検査料がもっと安くなれば・・・

2006-10-02 21:56:54 | アラカルト
今年も、ピンクリボンのテンプレートに変更した。
おなじみの「乳癌と検診」のための運動だ。

毎年9月下旬に健康診断を受けるようにしているのだが、「乳癌」や「子宮癌」等の検診費用の高さに諦めてしまう。
他にも、「脳ドッグ」と言われる検診なども高額な検査だ。
今の健康保健の考え方は、「治療から予防」となりつつある。
10月から、70歳以上の高齢者にも通常の医療費負担を求めるようになった背景も、少額治療と呼ばれる病気になることを予防し、高額治療へと振り分けようという考えがあるといわれている(本当は、健康保健が破綻する可能性が、高いからだと思うのだが)。
とすれば、その基本となる検診費用をもっと安くして欲しい、と考えてしまう。

高額医療となれば、治療を受ける人に精神的・肉体的にももちろん経済的負担も大きい。
それは家族も同じだろう。
それが、少しでも軽減する為の「健康診断」であるとすれば「乳癌」や「子宮癌」といった女性特有だけではなく、男性特有の病気診断にも検診範囲をひろげて欲しい。
大掛かりな検診を受ける為には、どうしても大学病院などの大型病院に行かなくてはならない。
そして、検診の為に1日かかってしまう。
日本の企業の多くは、社員の健康診断を実施しているのだが、「癌検診」や「脳ドッグ」等はその検査項目から外れているし、積極的に「検診休暇」を実施している企業がどれくらいあるのだろう?

社員の健康管理に積極的になることが最終的には、企業が負担する「健康医療費」が下がるということが言われている。
「ピンクリボン」がきっかけとなって、通常の健康診断項目以外の検査費用が安くなればこの運動もより意味のあるのでは?と、考えている。

テレビCMと啓蒙活動

2006-10-01 00:30:25 | CMウォッチ
今日、テレビを見ていて気が付いたことがある。
それは、キリンビールのテレビCMだ。
CMそのものが、新しい内容になったわけではない。
CMの最後、「キリン」のロゴの下に「飲酒運転は、法律で禁じられています」という文字が加わっていたのだ。
この背景にあるのは、連日のように続く「飲酒運転事故」があるということはわかる。
他社のビールCMでは、まだこのような啓蒙文が加わっていないが、近いうちに加わるだろう。
というのは、テレビCM単に「商品を宣伝する」という役割だけではなく、啓蒙活動的な部分もあるのだ。

例えば、自動車のCM。
子供たちが出てくるテレビCMの場合、チャイルドシート着用の場面が、さりげなく入れられている。
当然なのだが、「子供を乗車させる場合は、必ずチャイルドシートを着用しましょう」ということを言っているのだ。
まぁ、テレビCMを見ている側にそれだけの意識があるのかは疑問だが、自動車メーカーのCMとしては、「交通安全の為」には必要なPRでもある。

何気なく見ているテレビCMであっても、様々なメッセージが込められている。
商品を知ってもらい、購入に結びつけるだけではなく、企業が果たさなくてはいけない社会的責任を持った「啓蒙活動」という部分も持っているのだ。