北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

89式小銃の改良 市街戦・近接戦闘へ

2006-12-25 15:29:47 | コラム

■TYPE89 RIFLE +

 陸上自衛隊の新小銃として配備が進められている89式小銃は一部の普通科部隊を除き配備が進み、特科、機甲科部隊へも配備が進んでいる。その89式小銃は七月に東京マルイよりエアソフトガンが発売され、売れ行きは好調ときく。

Photo_216  89式小銃は、アサルトライフルとしてはコンパクトにまとまっており、執銃において構えた際の感覚も良く、また射撃時の安定性が良好であり使い勝手はいい。しかし、既報の通り89式小銃の特集を行った際に、必ずしも最適な状態ではない幾つかの部分が気付き、更に小銃を構えたままの近接戦闘の訓練を行った際にも、建造物内や山間部、急斜面などにおいて幾つか気付いた点があり、今回はコラージュ画像にて89式小銃の運用においての問題点を反映したものを掲載したい。現役自衛官も驚くほどの出来というエアソフトガンである為、この問題点への対処は実銃、89式を考える上でも一つの回答となるやもしれないが、基本的にお遊びなので肩の力を抜いてご覧下さい。

Photo_217  写真は“89式特殊任務銃”、89式小銃は、いわゆるカービン銃ではないため致し方ないが、それでも室内、特に扉部分や階段などの閉所では、916㍉というその長さが支障になる。そこで、銃身部分を短縮し、M4カービンの伸縮式ストックを装着した。これで最長でも830㍉程度となっている。実銃の89式を製造する豊和工業ではカービンモデルも試作されているようだが、折畳式銃床を採用しているが、この場合は畳んだ状態での射撃に問題があり、エアガンでは空挺仕様が出ていないこともありM4のものを流用した。更に、弾倉受(マガジンキャッチャー)部分を下方に延長し、安全装置も左側に配置されている。また、20㍉レイル装着場所となる薬莢受装着部を延長している。これでM4並に取り回しがよくなるはずだ。

Photo_218  “89式短小銃”、携帯性を追求するならば、FA-MASやAUGのようなブルパップモデルもあるだろう。既報のモデルはやや無理があった為、各部分を堅牢なものとした。先に挙げたカービンモデルよりも更に短縮されているが、機関部はそのままであり、実現可能なようにカットモデルと比較したところ主要設計を活用している。ただし、弾倉交換に際してはブルパップ式はカービンモデルに比して劣っており、それはブルパップというコンセプトそのものが操作性よりも携帯性に重点を置いている為致し方ないが、後方支援要員など戦闘以外の任務にあたる場合は有効であろう。

Photo_219  上は“89式短小銃”の薬莢受装着部に20㍉レイルを装着し、更にM4カービンのキャリングハンドル部分とAR15用4倍光学照準器を搭載したもの。ブルパップ式小銃はフロントサイト・リアサイト間の間隔が短く、照準精度の低下が挙げられる。そこで光学照準器の装着、となる。

 下は“89式短小銃2型”、航空機搭乗員などの自衛用で通常の短小銃が89式小銃と同じ銃身を用いているのに対し、2型はその縮小型銃身を用いている。短縮により損なわれた射撃時の安定性を確保する目的で、折畳式握把(バーティカルグリップ)を装着している。

Photo_220  “9㍉機関拳銃2型”、機動隊銃器対策班などが採用しているMP5機関短銃がH&KG3突撃銃の機関部を利用したもので、スイス製SG550小銃も9㍉弾仕様の短機関銃型があることから、89式小銃の主要部分を利用し、折畳式銃床や補助握把を装着している。警備や対テロ任務用に最適な大きさとなっている。89式空挺小銃仕様と異なり、銃床は右側に折畳まれる為、左側安全装置の必然性が高まっている。弾倉着脱釦は銃本体部分の他に弾倉前側に配置しており、迅速な再装填が可能となっている。ちなみにバッテリーは本体上部分の増着位置に収納する。

Photo_221  40㍉擲弾発射筒を装着した89式小銃。用いているのはM-203グリネイドランチャーで、実物の重量は1550㌘あり、携帯性は著しく失われ、銃剣も装着できなくなるが二名が擲弾手として配属されれば小銃班の火力は現行の銃口装着型擲弾発射器を装備した場合よりも向上する。何よりも命中精度が高い、エアソフトガンの場合はモスカートを装着すれば火力が著しく増大する。ところで、89式小銃、長さそのものは短くしていないのだが1000㍉のM16A2と916㍉の89式は長さが異なることに改めて気付かされる。

Photo_222  これが大元の89式小銃。ここから派生型を今回作成した。ちなみに、最初にも述べたが今回の写真は無改造の89式小銃とM-16A2,M-4A1,PDW以外、コラージュ画像により作成されたものであり、豊和工業や東京マルイ、防衛庁への問い合わせはしないように、欲しい人はプリントアウトして、カスタムショップの人と相談しよう!でも、こんなのがあるといいよね!

HARUNA

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