北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

錦小路 京都の伝統を支える味覚の小路

2006-12-31 09:44:37 | 写真

■錦 散策記

 大晦日である。近年では初売りと称して元日も元旦から店舗が活況を為すが、昔はそうではなかった、すくなくとも小生世代は辛うじてそうであった。

Img_4185  正月とは三箇日分の料理を御節料理として造り置いたものを食し、家庭内の労働を抑え、且つ店舗が初売りを始めるまでの間をのんびりと過ごすものである。北大路機関を更新する時間を除き、ほぼ一月初旬に予定されている発表や論文の作成、レポート執筆に費やさねばならない小生にあっても、いわば京都の味覚を楽しむくらいのせめてもの贅沢は許されてしかるべきであろう。錦の商店街は、100円均一などと比較されるご時勢に在って決して安価ではないが、平均的な支出でそれ以上のものを楽しむことが出来る。

Img_4178_1  しかし、起床してみれば時間にしてはやや暗い、窓を開くと比叡山がみえないほど白さ、そして舞っているのは雪である。寒冷前線が南下中との報道には接していたが、前日に妙心寺と原谷越を実施した晴天の記憶も鮮やかであり、それは日本海側だけの話だろうと高をくくっていたが、一晩でここまで変るとは正直思いもしなかった。積雪、というほどではないが今年の初雪は舞ったというくらいに留まらず、特に北山方面では積もったという表現が相応しい雪景色である。

Img_4179  錦へは、新京極や寺町と十字路にて隣接している関係上、四条高倉や四条河原町といったバス停を利用するのが最短であるが、雪には滅法弱い地上交通網の混雑を避けるべく、京都市営地下鉄を利用した。京都駅からも北大路駅からも基本的に同じで、地下鉄烏丸線を烏丸御池駅にて東西線に乗り換え、京都市役所前駅で降り徒歩というのが妥当であろう。または少し遠いが烏丸線四条駅から阪急地下道を河原町駅へ歩いて移動するという手もある。また京阪三条駅や阪急河原町からも徒歩で行くことができる、便利なのはダイヤがしっかりしていればバス、電車ならば阪急である。

Img_4196  錦小路とは一言でいうものの、浄心寺から大丸裏まで実質700㍍続く商店街であり、1200㍍のアーケードが続く新京極通や寺町通ほどの長さではないが、逆にその幅は狭い。したがって、その移動は満員の電車やバスから降車するほどの労力が必要となる。電車は扉まで長くとも数㍍、バスでも後ろから前までは9㍍であるがこちらは700㍍、乗り過ごしは無いだろう、と思われるかもしれないが、こちらは目的が買い物、下手に人の流れに乗ってしまうと乗り過ごすこともある。

Img_4199  正月には栗金団やゴマメ、黒豆に昆布巻といったものは当然必要となるが、この他にやはり日本酒に合うものも必要となる。ここで鯛膾や蛸塩辛となるのだが、何分、夜半過に四条で呑んで帰るときとは異なるこの混雑、目標の店舗はどこか知っていても知らなくともさして変わりないほどの混雑に遭う、こうした中で調達予定にはなかった、お湯で戻して食する麩や湯葉などを調達したのだがここで体力の限界、西大文字町から一旦、四条通に離脱した。

Img_4198  昼食兼朝食に丼ものを胃に収め、再度挑戦、人が多いはずで、観光ツアーのバッジを付けた人が次々と入ってきていた。それを避け小生は目的のものがありそうな区域へ瀬戸屋町から錦に入った。幾度か文字通り流されたり、間違ったりしながらも、目的のものを購入した。焼き牡蠣と日本酒の枡酒をその場のカウンターで楽しめる店を発見したが、ここでアルコールを入れては後の支障も考えられるので、牡蠣を諦めつつ、この他目的地であったジュンク堂書店に向かった。

Img_4194  以上が錦小路への買出しの顛末である。近年ではこうした商店街も京都以外では少なくなったようだが、デパートやスーパーにての御節に更に幾品目か、今日は大晦日のまだ朝である、錦の味覚を加えてみられては如何だろうか。それでは皆さん、良いお年を!

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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