北大路機関

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【日曜特集】平成28年第1空挺団降下訓練始【10】空中機動部隊戦果拡張(2016-01-10)

2020-04-19 20:00:44 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■ヘリボーン部隊の増援到着
 AH-1S対戦車ヘリコプターは減少が進み後継のAH-64D戦闘ヘリコプターは数が揃わず政治的に放置されているところ。

 ヘリコプターの編隊飛行と共に戦果拡張を行う、第1空挺団降下訓練始め、その訓練展示模擬戦もいよいよ最終段階となってきました。第1空挺団よりも支援の第1ヘリコプター団や東部方面航空隊と第1師団や富士学校の方が目立っている、とかは敢えて考えない。

 CH-47JA輸送ヘリコプターが編隊飛行で前進する、陸上自衛隊唯一の僥倖はヘリコプター関連装備が後継機未定とミサイル防衛優先航空機調達中断により、瓦解寸前か瓦解している状況にあって、CH-47JA輸送ヘリコプターだけは調達が続いた、という状況でしょう。

 55名の人員を輸送し、8tの装備を吊下げ空輸、緊急時には近距離短時間に限り11tまでの装備品を吊下げ可能というこの航空機は自衛隊の至宝というべき存在です、老朽機の延命改修も始まりましたが、アメリカではCH-47AをCH-47Dに改修しまだ使っている事例が。

 バートル社が開発し、ボーイング社に引き継がれているCH-47JA輸送ヘリコプター、日本では1981年の導入開始以来川崎重工がライセンス生産を行っています。前型CH-46,日本では民間型V-107を制式名としていましたが、双方とも大事に生産基盤が維持されている。

 狙撃手がM-24狙撃銃と共に観測手を先頭に駆けています、UH-1J多用途ヘリコプターが二機編隊で展開した際の先頭機で機動、擬装完璧で今の今まで気付かなかった。いよいよ状況終了も近くなった、ところですが、最後の最後に仮設敵に動きがあったのでしょうか。

 中距離多目的誘導弾も待機している、第1空挺団はジープで知られる73式小型トラックに車載する79式対舟艇対戦車誘導弾、巨大な弾頭を備えた重MATを愛用してきましたが、車載式で嵩張るものの、射程8km、この世界でも最も新しいミサイルへ更新したもよう。

 仮設敵が遊撃戦を展開してきた、狙撃手が走っていたのはこれが理由でしたか。報道席前で分かりやすく仮設敵の反撃が始まる、成程冒頭に残置斥候を配置した程の仮設敵です、今回も遊撃戦を試みたところで空挺団の警戒線に捕捉され、近接戦闘となったようですね。

 9mm機関拳銃と89式小銃を手に空挺隊員が敵逆襲部隊制圧に向かう、残置斥候で無く逆襲か、軽装甲機動車と共に稜線を走ってゆく。我が方は戦果拡張へ戦車部隊を投入し本格的な反撃に移行しましたが、後方連絡線を遮断された敵部隊が遮二無二突進を開始したか。

 87式対戦車誘導弾を構え稜線に陣取る対戦車小隊を見ますと、敵には反撃の徴候も依然残っているのでしょうか、87式対戦車誘導弾は直接照準式とレーザー誘導併用方式、発射装置隣では箱形のレーザー照射装置により敵戦車の逆襲に備えている様子が見て取れます。

 9mm機関拳銃、遠目には軽量軽快にみえる。9mm拳銃の後継として空挺団と空中機動の第12旅団に配備された所謂短機関銃で、銃床を持たず突き出して安定させるスリング保持方式を採用している。個人的にはH&K-MP-7の様な個人防護火器に切り替えるべきと思う。

 空挺団の警戒線に捕捉された仮設敵は逆襲部隊ではなく、少数の遊撃戦部隊であったもようです。増援部隊の到着前までに、第一線を保持していた部隊により制圧され、一部は捕虜となったもよう。こうして戦果拡張に続く形で、この訓練展示は状況終了となりました。

 MLRSも撤収を開始する。MLRS,日産自動車によりライセンス生産された、91両を取得したのですが、足回りはアメリカのM-2装甲戦闘車、これを生産したのならば68両で調達中止となった89式装甲戦闘車に代え、M-2装甲戦闘車日本仕様を造っても良かったのではとも思う。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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