■特報:世界の防衛,最新論点
今回は各国の機雷戦への取り組みを纏めてみました。
海上自衛隊は三菱重工より護衛艦もがみ型用水中無人機OZZ-5の受領を開始しました。OZZ-5型水中無人機はFFM多機能護衛艦として建造される護衛艦もがみ型の機雷戦を担当する装備であり、これによりオーガニック方式という、水上戦闘艦からの機雷戦闘が本格的に可能となります、これまでは艦載ソナーによる機雷探知など限られていました。
OZZ-5型水中無人機は、全長4mで幅0.5m、重量は950㎏で速力は非開示となっています。その特色は複合ソナーシステムによる高解像度開口ソナー能力であり、NEC製低周波ソナーとフランスのタレス製高周波ソナーを組み合わせ、視程の悪いもしくは濁った海域での機雷探知、海流や障害物が存在する厳しい状況での探知能力が確保されています。
もがみ型護衛艦にはAuDC自動検知分類能力などを含めた機雷戦情報処理装置も搭載されており、2023年3月末に最初の一機が納入され2024年内に5基が海上自衛隊へ納入される方針です。タレス社によれば日本政府の方針とともにOZZ-5型水中無人機は国際防衛装備品市場にも提供されるものとされ、この種の装備は広い需要も見込まれています。
ベルギーとオランダが導入するMCM機雷戦艦の一番艦オーステンデが進水式を挙行しました。これはフランスのナーバルグループが建造を担当する将来機雷戦艦艇であり、高度な機雷掃討能力を持つ一種の水中無人機母艦というべき艦艇で、ベルギーとオランダの両国が共同して開発し、両国が合わせて12隻を建造、量産効果向上を期待するもの。
オーステンデはベルギー海軍向けの一番艦で12隻の先陣を切りコンカルノーで進水式を迎え、ベルギーのリュディヴィーヌデドンデル国防相とカイサオロングレンオランダ国防相が進水式に臨席しました。進水式とともに数隻が既に起工式を迎えており、両名はこの後に同じ造船所で行われたベルギー向け三番艦トゥルネーの起工式も視察したとのこと。
MCM機雷戦艦は満載排水量2800t、全長は82.3mと従来の掃海艇や掃海艦と比較した場合破格の大きさであり、武装も管制式ボフォース40mmMk4機関砲など充実しています、この大きさの背景には複数の大型水中無人機と無人掃海艇を管制する能力が付与されており、ベルギー海軍は6隻を導入予定、2018年に11億ユーロの予算を計上しています。
アメリカのHII社とオーシャンアエロ社は次世代の水中無人プラットフォーム開発の協同を発表しました。HII社は既に水中無人機REMUS-MK18Mod1およびREMUS-MK18Mod 2をアメリカ海軍へ納入し、第五艦隊などで運用実績を重ねていますし、この実証実験であるデジタルホライゾン演習に参加し高い能力を示したとのことです。
水上無人機としてオーシャンアエロ社は世界初となる再生可能エネルギー型自律式水上無人艇トリトンを完成、太陽光及び波力や風力を動力源とした無人哨戒艇であり、極めて長期間にわたり外洋での哨戒任務や情報収集任務に対応し常時情報を伝送する無人艇として完成しています。HIIとオーシャンアエロ社はこれをもとに水中無人機を開発するという。
水中無人プラットフォーム、HII社には現在世界中で600機以上の水中無人機化稼働しているとともに機能も多様であり、なかには深海6000mまで潜航可能という無人潜水艇の開発実績があります、自律航行し例えば長期間にわたる機雷探知や機雷掃討と重要海域への機雷敷設の監視、例えば潜航する潜水艦の探知能力などが想定されているとのこと。
シンガポール海軍はMRCV多目的戦闘艦計画の概要を決定しました。MRCV多目的戦闘艦は旧型でマストの形状がかわいらしいと話題のビクトリー級コルベットを置き換えるものとなります。ビクトリー級コルベットは有力な水上戦闘艦ですが建造は1986年とまもなく竣工40年を迎えるものであり、MRCV多目的戦闘艦はその後継艦となる計画です。
MRCV多目的戦闘艦は無人機母艦であり無人艇母艦であるという点が特色で、機雷を掃討する機雷処分弾薬や水中を探索し不審水中物体発見から救難用にも用いる水中無人機、また一隻の水上戦闘艦が広範囲の警戒監視を行う上で必要な水上無人艇の管制能力、水中無人機の母船となる水中無人船、無人ヘリコプターや固定翼無人機の運用能力等を担う。
MRCV多目的戦闘艦は単に水中無人機などの母艦というだけではなく艦砲やVLSを搭載した水上戦闘艦であり、日本が量産する護衛艦もがみ型のような多機能水上戦闘艦を志向しているものです。この6隻の建造にはすでに同国で実績があるシンガポールのSTエンジニアリング社が担当、計画では6隻を建造する構想で2028年に一番艦竣工を目指す。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は各国の機雷戦への取り組みを纏めてみました。
海上自衛隊は三菱重工より護衛艦もがみ型用水中無人機OZZ-5の受領を開始しました。OZZ-5型水中無人機はFFM多機能護衛艦として建造される護衛艦もがみ型の機雷戦を担当する装備であり、これによりオーガニック方式という、水上戦闘艦からの機雷戦闘が本格的に可能となります、これまでは艦載ソナーによる機雷探知など限られていました。
OZZ-5型水中無人機は、全長4mで幅0.5m、重量は950㎏で速力は非開示となっています。その特色は複合ソナーシステムによる高解像度開口ソナー能力であり、NEC製低周波ソナーとフランスのタレス製高周波ソナーを組み合わせ、視程の悪いもしくは濁った海域での機雷探知、海流や障害物が存在する厳しい状況での探知能力が確保されています。
もがみ型護衛艦にはAuDC自動検知分類能力などを含めた機雷戦情報処理装置も搭載されており、2023年3月末に最初の一機が納入され2024年内に5基が海上自衛隊へ納入される方針です。タレス社によれば日本政府の方針とともにOZZ-5型水中無人機は国際防衛装備品市場にも提供されるものとされ、この種の装備は広い需要も見込まれています。
ベルギーとオランダが導入するMCM機雷戦艦の一番艦オーステンデが進水式を挙行しました。これはフランスのナーバルグループが建造を担当する将来機雷戦艦艇であり、高度な機雷掃討能力を持つ一種の水中無人機母艦というべき艦艇で、ベルギーとオランダの両国が共同して開発し、両国が合わせて12隻を建造、量産効果向上を期待するもの。
オーステンデはベルギー海軍向けの一番艦で12隻の先陣を切りコンカルノーで進水式を迎え、ベルギーのリュディヴィーヌデドンデル国防相とカイサオロングレンオランダ国防相が進水式に臨席しました。進水式とともに数隻が既に起工式を迎えており、両名はこの後に同じ造船所で行われたベルギー向け三番艦トゥルネーの起工式も視察したとのこと。
MCM機雷戦艦は満載排水量2800t、全長は82.3mと従来の掃海艇や掃海艦と比較した場合破格の大きさであり、武装も管制式ボフォース40mmMk4機関砲など充実しています、この大きさの背景には複数の大型水中無人機と無人掃海艇を管制する能力が付与されており、ベルギー海軍は6隻を導入予定、2018年に11億ユーロの予算を計上しています。
アメリカのHII社とオーシャンアエロ社は次世代の水中無人プラットフォーム開発の協同を発表しました。HII社は既に水中無人機REMUS-MK18Mod1およびREMUS-MK18Mod 2をアメリカ海軍へ納入し、第五艦隊などで運用実績を重ねていますし、この実証実験であるデジタルホライゾン演習に参加し高い能力を示したとのことです。
水上無人機としてオーシャンアエロ社は世界初となる再生可能エネルギー型自律式水上無人艇トリトンを完成、太陽光及び波力や風力を動力源とした無人哨戒艇であり、極めて長期間にわたり外洋での哨戒任務や情報収集任務に対応し常時情報を伝送する無人艇として完成しています。HIIとオーシャンアエロ社はこれをもとに水中無人機を開発するという。
水中無人プラットフォーム、HII社には現在世界中で600機以上の水中無人機化稼働しているとともに機能も多様であり、なかには深海6000mまで潜航可能という無人潜水艇の開発実績があります、自律航行し例えば長期間にわたる機雷探知や機雷掃討と重要海域への機雷敷設の監視、例えば潜航する潜水艦の探知能力などが想定されているとのこと。
シンガポール海軍はMRCV多目的戦闘艦計画の概要を決定しました。MRCV多目的戦闘艦は旧型でマストの形状がかわいらしいと話題のビクトリー級コルベットを置き換えるものとなります。ビクトリー級コルベットは有力な水上戦闘艦ですが建造は1986年とまもなく竣工40年を迎えるものであり、MRCV多目的戦闘艦はその後継艦となる計画です。
MRCV多目的戦闘艦は無人機母艦であり無人艇母艦であるという点が特色で、機雷を掃討する機雷処分弾薬や水中を探索し不審水中物体発見から救難用にも用いる水中無人機、また一隻の水上戦闘艦が広範囲の警戒監視を行う上で必要な水上無人艇の管制能力、水中無人機の母船となる水中無人船、無人ヘリコプターや固定翼無人機の運用能力等を担う。
MRCV多目的戦闘艦は単に水中無人機などの母艦というだけではなく艦砲やVLSを搭載した水上戦闘艦であり、日本が量産する護衛艦もがみ型のような多機能水上戦闘艦を志向しているものです。この6隻の建造にはすでに同国で実績があるシンガポールのSTエンジニアリング社が担当、計画では6隻を建造する構想で2028年に一番艦竣工を目指す。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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もがみ型バッチ2?は後部甲板部を延長し、各種UXVの母艦機能を強化し、護衛艦隊をサポートする艦艇になればと妄想します。あと、副砲の30mm機関砲も。