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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】仁和寺,厳しすぎたあの残暑の収まりと間もなくの紅葉の季節幕開けを前に

2023-10-11 20:01:22 | 写真
■観光と拝観と混雑と
 紅葉の季節が見えてきた今日この頃なのですがこの夏の酷暑と残暑と灼熱が木々のいろづきにさてこれからどう影響するのか。

 仁和寺、紅葉の季節になりましたら此処も素晴らしいのですが、それ程混雑しないという印象も、いやいや時間帯に世手はそうではないという話と共に、要するに凪の時間が有るのでしょうね。しかしその際に混雑はこの庭園をゆったり見る事は出来なくなる。

 紅葉の季節、西山三山、長岡京市などの紅葉名所も混雑する、といいますが、清水寺に比べますと、それほどではない。もっとも、本数が少ない路線バスが混雑して、混雑回避には例えば光明寺、阪急の長岡京駅から寺まで2kmほど歩くことをお勧めされます。

 ここを航空祭輸送、この輸送手段を応用できないものかと思ってしまうのだ。急に自衛隊のイベントの話題を出して恐縮なのですが、郊外の行楽にはもう少し周りの府県のバス会社、協力会社を集めては、とも思うのですね。紅葉輸送ばかり全国で行う訳でない。

 便利な路線は満員となる、ならば敢えて不便な路線を臨時便として運行できるようにして道路渋滞を避けるとか、徒歩距離は伸びるけれどもバスに乗る際にそこまで混雑しない選択肢を示すとか。国土交通省の路線免許も柔軟に対応してもらい対応を期待したい。

 公共交通機関のリソースが限られているのは理解したうえで、しかし協力会社として航空祭のようにほかの会社から応援を受ければ、対応できる水準とも、思います。オーバーツーリズムは問題ですが、逆にCOVID-19の時代には閑古鳥の方が問題でしたから。

 閑古鳥、京都も当てはまるところですが2020年と2021年に2022年までの3年間、感染対策により門戸を閉ざした寺院は多く、一方で文化財は降雨に酷暑に台風と降雪に虫害と市街戦、いや紫外線により痛みは積もり、その修繕費用捻出に苦慮したところが。

 COVID-19の場合は、感染対策よりも経済、という声は京都府のお隣大阪府に多く、爆発的感染拡大を重ねた一方、寺院などは高齢化も進み、当初致死率2%、感染対策を怠れば物理的な意味で廃絶が見えていた故にどうにもならない状況があったことも否めません。

 檀家の尽力で伽藍を維持するには難しい規模の寺院は多く、すると、オーバーツーリズムは困るが閑古鳥はもっと困る、という厳しい課題もあるのですね。実際、京都市バスなどは市民がのれないオーバーツーリズムとして槍玉にあがるところですが、少し前には。

 京都市バス全路線赤字、といいましてバス停時刻表の片隅に、144とか110とか223とか小さく数字が四角く囲われて明示されています。護衛艦の艦番号か、といえばそうではなく、そのバス路線が100円稼ぐための諸費用を明示し、100以上の数字は全て赤字、と。

 205系統も赤字ということに驚いたのですが、オーバーツーリズムとはいわれても乗車率を高めなければバス路線さえ維持できないという厳しい現実がそこにありました、すると京都は本来、COVID-19の閑古鳥とともにオーバーツーリズム対策をすべきであった。

 市財政も大赤字、特に観光業依存度が高く京セラや任天堂に日本電産といった例外を除けば観光業依存度が高い京都市は、稼ぐ側が突如給付金で生き延びる側に回ってしまい、予算面で観光客が少ないうちにオーバーツーリズム対策の財投などは出来ない状況だった。

 問題視されているオーバーツーリズムですけれども、観光との共存を考えなければ、政教分離の進んだ現代日本において世界遺産に登録されるほどの伽藍は維持できません、こういうことは文化財と云えども例外ではないもので、向き合ってゆくことが重要なのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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