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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ソマリア沖海賊対処任務第14次派遣大書行動水上部隊護衛艦すずなみ、きりさめ日本出港

2012-12-21 23:36:42 | 防衛・安全保障

◆舞鶴第3護衛隊群第3護衛隊ソマリアへ

 18日と20日、相次いでソマリア沖海賊対処任務派遣水上部隊が日本を出港しました。

Kimg_9655 今回の派遣は第14次派遣任務となり、実施部隊は舞鶴基地第3護衛隊群第3護衛隊が当たることとなっています。派遣艦は、護衛艦すずなみ、護衛艦きりさめ、で12月18日に護衛艦すずなみ母港大湊基地より出港、12月20日に護衛艦きりさめ、が母港佐世保基地よりそれぞれソマリアへ向け出港しています。

Kimg_4152_2 指揮官及び派遣部隊は、第3護衛隊司令下淳一1佐以下司令部要員30名、護衛艦すずなみ艦長宮田俊邦2佐以下乗員170名、護衛艦きりさめ艦長加世田孝行2佐以下乗員180名、この護衛艦二隻乗員と司令部要員の海上自衛官380名に加え、海上保安官8名が今回も同乗しているとのこと。

Kimg_4138 現在ソマリア沖では第13次派遣部隊の護衛艦まきなみ、護衛艦ゆうぎり、が任務中です。南西諸島での緊張が続く中、稼働中の護衛艦は一隻でも必要であり、現在ソマリア沖において船団護衛任務に当たっている二隻に加え今回の二隻の出港により四隻が当たっていることになり、ローテーションに負担があることは否めません。

Kimg_6529 訓練を尖閣諸島から距離がかなりあったとしても沖縄近海や太平洋方面で実施するだけでも抑止力とはなるからです。ただ、国際公序としての海洋の自由通行を希求するための具体的行動へ艦艇及び航空部隊を派遣し続けている、という事実は世界へ伝わっているのだといえるでしょう。 

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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平成二十四年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2012.12.23)

2012-12-20 22:37:48 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 本当に寒い、身に沁みる寒さ、沖縄は暖かった、九州はどんな感じなのかな、という中ですが如何お過ごしでしょうか。

Gimg_4331 今週末は本年最後の艦艇寄港行事が行われます、一般公開ですね、その今年一年を締めくくる行事は神奈川県藤沢湘南港において掃海艇えのしま一般公開で、今年の最新鋭掃海艇、海上自衛隊初のFRP製掃海艇が、艦艇の由来である江の島において一般公開が行われます。母港横須賀まで江ノ電から横須賀線乗り換えで一本なので、基地には入れませんが遊覧船などにのってみるのもいいやも。

Gimg_3656 舞鶴基地、人気の週末一般公開ですが、今週末は一般公開が行われません、何故でしょうか、警備特別訓練や艦艇稼働率の問題でしょうか、基地防衛特別訓練でもやっているのでしょうかね、海軍記念館あ一般公開されています。このほか、一般公開予定の日にちであっても北吸桟橋が積雪の場合には安全管理上の問題から急遽一般公開が中止になることもあるとのこと、ご注意を。

Gimg_6718 佐世保基地ですが、今週末の三連休、週明けも含めてですが三日とも一般公開が行われます、ただ、米軍桟橋側の立神桟橋は一般公開されませんでのご注意ください、佐世保駅を出て左側へ進んだ方が一般公開が行われている桟橋で、時間がしっかり定められていますのでこの点ご確認ください。

Gimg_9181 呉基地一般公開は、練習艦見学が日曜日可能となっています。こちらも時間などにご注意ください。呉基地係船堀桟橋で一般公開が行われるのですが、この場所、徒歩だと呉駅からかなり距離があります、舞鶴よりもえきからは遠く、呉駅前からバスの利用がお勧めです。このほか、音楽隊がクリスマスコンサートを様々な場所で行うようですね。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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謎のロシア電子偵察機Tu-214 我が国周辺に二日連続出現、航空自衛隊は緊急発進で対処

2012-12-19 23:30:00 | 先端軍事テクノロジー

◆米RC-135に匹敵?旅客機原型で各部にアンテナ

 17日と18日、相次いで日本周辺に謎の電子偵察機が出現しているようです。

Img_8645_1 航空自衛隊が発表した写真では、双発ワイドボディ旅客機Tu-214について胴体側面の主翼前後に大型のカヌー型アンテナを搭載、胴体上部と下部にもアンテナドームを搭載し、旅客機を原型とした電子偵察機であることが分かります。先日沖縄の嘉手納で撮影したRC-135と似ている印象ですが、Tu-214の原型機はRC-135の原型機ボーイング707よりも新しい。

Img_1196 17日に撮影された機体の垂直尾翼には“RA-64511”の文字、本日発表の写真は水平尾翼により垂直尾翼記載の機体番号は“511”のみ確認でき、アンテナの数と位置などは確認できる範囲内で同一のもので、確実とは言えませんが昨日と本日飛来のTu-214は同一機種の可能性があります。

Mimg_6630 航空自衛隊が発表した写真ではエンジン後部に排煙の白い帯が伸びている様子が映っており、これはかなり高高度を飛行していることを示します。偵察機ですがこれまでTu-95などの写真偵察も高高度で行われており、これは戦術偵察とは異なり、航空を長時間飛行し情報収集を行う航空機なのでしょう。

Img_89387 接近経路ですが、17「日の接近経路は沿海州から稚内方めんへ直進し、その後変針し北海道日本海沿岸を新潟沖で能登半島方面へ変針、若狭湾北方海域にて大陸側に変針し、隠岐の島沖と竹島東方海域を経て北上、その後北朝鮮の羅針方面へ西方へ変針したのち、航空自衛隊の任務圏外に出ました。

Pimg_2634 本日はより長距離を飛行し、まう沿海州上空から宗谷海峡上空を根室沖方面へ飛行、国後島択捉島付近を経て襟裳岬方面へ転進、更に襟裳岬南方にて南下経路に転進、仙台沖及び千葉沖を飛行する東京急行の経路を飛行、一挙に小笠原諸島八丈島東方海域へ進出したのち、元きた経路を北上しています。

Img_6855 Tu-214は元きた経路を宗谷海峡上空を飛行したのち、そのまま戻ることなく北海道日本海沿岸を飛行、積丹半島沖と奥尻島沖を飛行したのち変針、宗谷海峡上空をサハリン南方経由の形で大陸へ戻りました。この謎の新型偵察機の航続距離は旅客機を原型としているだけにかなり大きいといえるやもしれません。今後、新しいロシア長距離偵察機として緊急発進の常連対象となってゆくのでしょうか。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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自衛隊ハイチ安定化任務PKO派遣 ハリケーン被害により二ヶ月間延長

2012-12-18 22:31:18 | 防衛・安全保障

◆2013年3月任務完了完全帰国予定

 20万の犠牲者を出したハイチ大地震へのハイチ安定化任務PKOの自衛隊派遣が二か月間延長されました。

Cimg_9796 自衛隊派遣は復興人道支援任務は既に完了し、現在撤収支援部隊が派遣中となっており、2013年1月までに撤収を完了し派遣部隊は帰国する計画でしたが、ハイチを今年襲った巨大ハリケーン被害により再度ハイチ国内には大きな被害が発生し、来月中の撤収完了が不可能となったことを受けての措置とのこと。

Img_6035 なお、今回のハイチ派遣任務では自衛隊施設科部隊が復興人道支援任務用に持ち込んだ建機などの防衛装備品がハイチ政府へ供与されることとなりました。これは自衛隊創設以来初の防衛装備品供与となり、装備品供与は武器輸出三原則の運用見直しにより可能となったようです。

Img_3840 この引渡しはハイチ政府から求められたもので、外務省により防衛省装備品の譲渡へハイチ政府との間で最後の調整が行われているとのことです。なお、今回は通常の建機ですが、譲渡装備品については軍事用に用いることが無いよう、外務省よりハイチ政府に対し条件として提示されました。

Img_6653 防衛装備品という事で、自衛隊の施設科が装備する装備、と言いますと装甲ドーザ等を想像される方もいるやもしれませんが、通常の建機です。防衛省が防衛予算により調達したものではありますが、基本的に供与されるものは民間の建設会社などが運用する建設機械とは塗装などのほか一部の金具を除き変わりません。

Img_4555 しかし、防衛省によればこれら建機についても自衛隊の装備品であるため施設科隊員が運用する際に携行する小銃を固定する金具が取り付けられており、武器になってしまうとのことであり、武器輸出三原則の拡大運用が行われていた時点では輸出や供与をすることはできませんでした。

Img_1961 今回は防衛装備品のほか、プレハブ住宅など自衛隊が宿営地として運用した建物も供与されます。この方式であれば、自衛隊初の国際平和維持活動への部隊参加となったカンボジアPKOでも自衛隊の宿営地となっていたタケオ基地もカンボジア政府へ供与されましたね。

北大路機関:はるな

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第11旅団創設3周年 真駒内駐屯地創設57周年記念行事詳報⑫ 遠距離火力戦闘展開

2012-12-17 22:37:15 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆敵の砲兵を叩け!特科部隊射撃開始!

 偵察部隊及び航空部隊の展開に続き、いよいよ火力戦闘部隊の展開が開始されます。

Mimg_0207 第11特科隊の75式自走榴弾砲が射撃位置への侵入を開始しました。最大射程19kmの155mm榴弾砲を搭載し、自動装填装置により素早い効力射と陣地転換が可能な自走榴弾砲により、第11旅団隷下の普通科部隊は火力支援とともに敵砲兵脅威から守られることとなる部隊がやってきました。

Mimg_0205 本砲は回転式弾倉二基を、その砲塔内部に搭載し、人員装填に大きな重量或る155mm砲弾を自動装填し、早い射撃速度を有しますが、旧式化が進んでいることも事実であり、現在では第11特科隊へも後継装備として99式自走榴弾砲の装備が開始されています。

Mimg_2221 二門の75式自走榴弾砲が展開を完了しました。しかしすぐには発砲しません、特科隊長の決心まで、そういうのも射撃すれば155mm砲弾は即座に地中マイクロフォンや対砲レーダ装置により標定される危険があり、確実に撃破できる情報まで、自己位置を秘匿しつつ命令一下即射撃まで準備するということ。

Mimg_0210 陸上自衛隊は部隊として戦います、特科部隊は野砲と共に対砲レーダ装置や支援車両と共に行動し本領を発揮しますし、広く展開すれば航空攻撃の脅威にさらされますこうして、これらの事態に対抗するべく各部隊が有するそのほかの車両も続々と展開を行ってゆきます。

Mimg_0175 93式近距離地対空誘導弾、野戦特科部隊を航空攻撃より支援するべく展開したのは通称近SAMとよばれる第11高射特科中隊の防空装備で、この装備の人mは対空レーダ装置による情報を処理する師団防空システムとの連動により遠距離での目標情報を共有し、射程内に入った瞬間にこれを排除無力化する、というもの。

Mimg_0189 そして普通科連隊が用いる120mm重迫撃砲RTも展開を開始しました。120mm重迫撃砲RTはフランス製の最大射程8100mという迫撃砲で、射程延伸弾を用いた場合13000mもの先の目標を射撃可能、夜戦ではIR照明弾による暗視装置支援なども実施可能で、普通科連隊の頼もしい友人です。

Mimg_0198 重迫撃砲は高機動車を牽引車として運用、部隊としては師団普通科連隊では重迫撃砲中隊に12門が配備されますが、旅団普通科連隊では普通科連隊の中隊数が効率化され、併せて重迫撃砲も本部管理中隊に置かれる重迫撃砲小隊に4門が配備されています。牽引車は遠距離から発見されやすくなるため、砲と弾薬を展開させたのち素早く去ってゆく。

Mimg_2284 75式自走榴弾砲が、航空部隊により判明した敵の火力戦闘部隊に関する位置情報に基づき、効力射を開始しました。砲兵の任務とは火力支援と誤解されがちですが、それ以前に自らが敵砲兵により無力化される以前に、対砲兵戦を展開し、敵火砲を砲撃により叩き潰さねばなりません。

Img_2237 破裂音は大気を震わせ、響き渡ります。二門の75式自走榴弾砲が交互に射撃を行います。ちなみに撮影ですが、どちらが先に射撃するかわかりませんので、広角で撮影して射撃後、まだ発砲していない車両の方へズーム、なんとか発砲焔を撮りたいところで、撮影位置にてここが踏ん張りどころと。

Mimg_0188 我が方の特科火砲の攻撃に対し、航空機が接近です。仮設敵方向から航空攻撃が仕掛けられることとなり、重機関銃により対空戦闘準備を開始します。重機関銃は一世紀前からと同じM-2機関銃ですが、重量こそ大きいものの弾丸威力と持続射撃能力等装備としての信頼性は大きい。

Mimg_0183 仮設敵航空機役はOH-6観測ヘリコプターが乱舞、想定は攻撃ヘリコプターとのことでしたが、実際には観測ヘリコプターに発見された目標は同時に火力戦闘部隊や航空攻撃目標となるので、ヘリコプターそのものの能力は武装を有さないため決して大きくなくとも、その存在は無視できません。

Mimg_0180 航空脅威を排除するのは93式近距離地対空誘導弾、射程5kmの91式携帯式地対空誘導弾を光学照準装置と防空システムの連動により運用するもので、これが充分な離隔距離を以て展開することで航空攻撃を寄せ付けない準備を構築、訓練展示でも本装備により目標は排除されてゆきました。

Mimg_2283 敵砲兵部隊へ続いて射撃が行われます。今回は空包射撃ですが、実戦であれば6.8kgのTNTを内蔵した43.6kgのM-107榴弾等各種砲弾を投射してゆきます。ところで、後ろに見える建物は駐屯地の建物ではなく札幌市営地下鉄自衛隊前駅の高架駅舎、駅前で自走榴弾砲が射撃を続けます。

Mimg_2252 自動装填装置により次々と射撃が行われ、目標を無力化します。射程19kmの75式は射程のみでは見劣りが否めませんが、日本の地形では19km先を見通せる場所はほぼなく、確実な目標の評定と迅速な陣地転換により、敵砲兵射程の懐でも任務遂行は可能で、これは湾岸戦争やイラク戦争において射程の小さな米軍砲兵は長射程のイラク軍砲兵を一方的に撃破しました。

Mimg_0193 重迫撃砲の展開も合わせて展開されます。背景には戦車も写り込んでいますね。重迫撃砲は、対砲兵戦ではなく、普通科部隊の最前線での近接戦闘を、その長大な射程と高威力の打撃力により支援します。逆に迫撃砲の制圧が砲兵の任務の一つでもあるため、迅速な展開と射撃に撤収が部隊の生存を左右するということ。

Mimg_0200 120mm重迫撃砲の装填動作展示、迫撃砲に装填される動作に、咄嗟な耳の反故を行う方がいるのは先ほどの75式自走榴弾砲の空包射撃の迫力が凄かったから、なのですけれども、実は重迫撃砲は基本空包射撃は行えません。もっとも、部隊によっては手製の内筒に火薬を仕込むこともあるようですが。

Mimg_2258 90式戦車が1500馬力のエンジン音を響かせ、75式自走榴弾砲の背後を第一線へ。特科火砲の射撃により敵砲兵部隊に一定の損害を与え行動不能とさせ、いよいよ戦闘は目標を観ない間接照準射撃による遠距離戦闘から、戦車と普通科が直接脅威を無力化する直接火力戦闘へ展開するという事に。

Mimg_2257 90式戦車の低く、しかし獰猛なシルエットとともに進入してゆきます、この戦車部隊展開と共に、遠距離火力戦闘から訓練展示は近距離火力戦闘へと転換して行きます。この近距離火力戦闘の様相は次回の真駒内駐屯地記念行事詳報に掲載することとしましょう。

北大路機関:はるな

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総選挙2012 新政権に望む“予防外交と抑止力による我が国平和の維持”の実行と実現

2012-12-16 22:49:21 | 国際・政治

◆衆議院総選挙2012

 本日は総選挙、2000時に投票締め切りとなり現在開票が進められています。

Img_6430 詳細の結果は未知数ではありますが、NHKの出口調査などによりほぼ大勢は固まったようで、前回の衆院選に続く政権交代として成り立つようです。新しい与党は景気対策や外交防衛政策に実績ある旧与党の与党回帰であり、実質三年ぶりとなる本格的な景気対策と通貨政策に加え物価安定化政策は戦後三年間の長期間放置されたことの無い分野の再開だけに大きな効果が期待されます。

Kuramaimg_9132_1 一方で、現与党は外交防衛政策において、文字通り場当たり的な、とという揶揄に反論できないほどの様々な施策を続け、普天間問題と東アジア共同体構想では対米関係に皹を入れ、曖昧な領土問題への姿勢は尖閣諸島問題を国際紛争から武力紛争手前の水準に押し上げ、竹島問題では日韓関係を最悪の状態へ転換させました。

Pimg_7205 新政権には、我が国平和を永続させる手段として予防外交と抑止力に依拠した施策を以て、この問題には取り組んでほしいと切に願います。悪化させた状況を立て直すには、逆効果となるかつての手法への踏襲という危惧もあり得るのですが、如何なる手段を用いたとしても将来の安定の基盤となる安定は維持されねばなりません。

Img_2041 特に防衛費は、周辺地域の緊張と併せ、我が国の歳出額は年々増大傾向である一方で縮減もしくは微増という施策の恒常化により、多くの分野、例えば装備充足率、例えば教育基盤、例えば後方支援体制、例えば防衛産業、等など枚挙に遑がないほどの状況となっています。この建て直しには長期間を要することとなるでしょうが、実現性を逸脱しない範囲内において実行を願うところ。

Img_8495 一方で、我が国は指摘された南海トラフ地震の連動地震という可能性や原子力政策との福島第一原発事故後の新しい施策を如何に行うか、という課題を抱えていることも忘れてはならず、現与党が方便の実績というほかない具体的実績を以て与党の座を追われる実情を真摯に受け止め、実感としての実績を残す事を第一とした短期的長期的折り合わせた成果が残されねばなりません。

Img_78_41 さもなくば、今現在も与党の座に就く準備を怠り、耳触りの良い数字と事象の題目のみを集めた代案無き政策案を掲げる新興政党により将来再度その地位を脅かされ、結果として国民の不幸へと繋がることでしょう。他方で、国民は幼少より知識詰め込みの教育を教養として維持しつつ、論理と討議を主体とした知的集約を如何に教育体系に取り込むかの検討を促し、自らの主権を委任しうる政治家の養成を達成する手法を時間が掛かろうとも模索し続けねばなりません。

北大路機関:はるな

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台湾との防衛協議の必要性 与那国問題の反省と南西諸島防衛での自衛隊行動増の場合

2012-12-15 17:16:02 | 国際・政治

◆中国反発はあろうが衝突回避の視点から

 台湾、現在我が国との間に正式の国交はありませんが、南西諸島問題が今後緊張度を増す場合、特に領空侵犯事案が続く場合には台湾との防衛協議の必要性が生まれるでしょう。

Img_2485 尖閣諸島の領空を中国機が侵犯し2日が経ちました。我が国は今後南西諸島の防空体制を再構築する必要性が生じたわけで、現在南西方面航空混成団は増勢の方向で推移していますが、早期警戒管制機の効率運用や場合によっては後継機選定や保有数への影響、空中給油輸送機の増強などが必要となるやもしれません。

Img_90_00 一方で、中国空軍の戦闘機は基本的に尖閣諸島領空へは接近できません、中国大陸から尖閣諸島は距離的には航空機ならば遠くはありません、そして航空自衛隊の那覇基地からも距離があるのですが、中国大陸から尖閣諸島へ接近する場合、台湾の防空識別圏に接近することから台湾空軍の新竹基地より発進するミラージュ2000の迎撃を受けるからです。

Bimg_8208 現実的には空中給油機による戦闘空中哨戒や訓練強化、早期警戒機と早期警戒管制機の展開を行うことで南西諸島の防空網を強化する形となるのでしょうが、併せてこの行動も台湾空軍の防空識別圏近傍を飛行することには変わりなく、無用な摩擦を避けるためには台湾空軍と航空自衛隊との情報連携体制を構築しなければならないでしょう。

Img_0024 何故台湾か、それは日本西端の与論島を巡り、実は2005年に台湾との間で摩擦が生じたことがあります。航空自衛隊は領空侵犯対処任務として、領空線外に防空識別圏を設定し、この防空識別圏を国籍不明機が突破した場合に航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させ対処していますが、この防空識別圏は航空自衛隊発足以前のアメリカ空軍が設定しました。

Img_4577a しかし、1972年に沖縄県がアメリカより本土復帰が果たされますと、先島諸島の西端にある与論島の中央に日台防空識別圏の境界線があり、我が国の領土領海領空の一部が防空識別圏外に設定され、併せて台湾、正式には中華民国の防空識別圏内に含まれているという状況だったということ。

Img_4954 実際の運用は台湾空軍が与論島近海の我が国領域を半円状に外して実運用していましたが、この事案は台湾空軍機への対領空侵犯措置が増大していた2005年に国会で問題として取り上げられ、運用として外すのではなく我が国の防空識別圏境界線を運用に合致させる方向へ改正する方針が定められ、防衛庁は台湾へ一方的に変更を通知、これが外交手順を踏んでいない措置として反発を招きました。

Gimg_0046_1 中国は国交を結ぶ諸国に対し、台湾との国交を結ばない一つの中国を求めています。一つの国家に二つの政党政府は外交関係条約の関係からあり得ず、中国は政党政府である中華民国政府と内戦状態にあった交戦団体である中華人民共和国とが国共内戦を経て入れ替わった、というかたちであるのですが、我が国が台湾との外交関係を、特に協議という形でも推進すれば反発は避けられません。

Img_1025 しかし、緊張増大と偶発衝突の可能性は日本も台湾も望まない状況であり、事前通知制度などを創設するべきでしょう。特に台湾空軍はF-16戦闘機150機、ミラージュ2000戦闘機60機、IDF戦闘機130機という優勢な航空戦力を有しており、無用な摩擦を避ける、という事はある意味当然のことと言えるでしょう。

Img_3305 他方、尖閣諸島問題は台湾もその領有権を主張しているため、事前通知制度や情報連携体制を構築しておかなければ日中台入り乱れての航空戦や、そこまで問題が大きくならずとも日本領空に接近する中国機へ台湾空軍が緊急発進し、航空自衛隊の航空機と遭遇することで緊張が増大、という可能性もあります。

Img_5626p 国境を接する国では領土問題は普通であるのですが、管轄権を有する国に対し管轄権を有さない国が併合しようと実力を行使することは異常です、平和的対処を行うよう、特に予防外交の観点から協議は必要です。しかし、こう考えると共に、本年は日本と中国の1972年における日中国交正常化40周年の記念すべき年ですが、併せて日台断交40周年という、中台問題の現状を考えなければならない一年間でもありました。

北大路機関:はるな

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平成二十四年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2012.12.15・16)

2012-12-14 22:34:17 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 ミサイル破壊措置命令解除に伴い13日より部隊撤収が開始されました。しかし、領空侵犯事案が発生し、自衛隊行事にも影響がある可能性をご理解ください。

Img_5778_1 護衛艦みねゆき、小名浜港一般公開、本日と明日土曜日に実施されています。金曜日実施の予定をお知らせが間に合わなかったことはお詫びします。さて、護衛艦みねゆき、は舞鶴基地を母港とする護衛艦はつゆき型の一隻で、福島県いわき市小名浜港第二埠頭にて一般公開の予定です。

Img_5714 久米島分屯基地開庁40周年記念行事、FPS-4を運用する第54警戒隊のレーダーサイトで、那覇基地の分屯基地となっています。ただ、時期が時期、場所が場所ですので、予定通り実施されるのでしょうか、航空自衛隊HPには実施が掲載され、一方久米島分屯基地HPは開設されておらず、上級部隊である南西方面航空混成団HPにはイベント情報の記載がありません、足を運ばれる方は離島ですのでご確認を必ずお願いします。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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北大路機関沖縄現地報告④ 初の中国機領空侵犯に揺れる那覇基地

2012-12-13 19:24:44 | 北大路機関特別企画

■PowerShotG-12撮影速報

 本日は、普天間、嘉手納、那覇と回りましたが普天間にてCH-53が飛行訓練を開始したちょうどそのころ、中国機による初の領空侵犯事案が発生しました。

Img_0995 写真は一時間ほど前に撮影した那覇航空基地、撮影場所は那覇空港です。さて、本日1118時頃、中国航空機が尖閣諸島近海に手領空侵犯しているのを海上保安庁の巡視船が確認、この通報を受け那覇基地より航空自衛隊の戦闘機が緊急発進しました。宮古島のレーダーでは完治していなかったとのこと。

Img_1000 航空自衛隊は那覇基地よりF-15戦闘機8機とE-2C早期警戒機を緊急発進させましたが、戦闘機が展開した時点ではすでに領空外に退去した後となっていました。8機同時に緊急発進、ということは考えにくいですので、2機が発信し、これに続いて戦闘空中哨戒を実施したのでしょう。

Img_1004 低空侵入、特に今回は戦闘機ではなく観測機による領空接近等事案となりましたが、宮古島などの防空監視所のレーダーが弾道ミサイル監視を重点としてアンテナを北方に向けていたとも考えられ、これが発見の遅れにつながったという可能性もあるやもしれません。

Img_1011 現在、那覇基地の第83航空隊を二個飛行隊体制へ強化する計画やE-2C早期警戒機の那覇基地転換配備などが計画されていますが、仮に現在海上で続く緊張状態が上空へ波及し長期化するのであれば、全国の飛行隊から増援部隊をローテーション配備する統合任務部隊配置や、隣接する台湾空軍との情報連携という一種禁忌とされてきたことも、緊張を拡大させない方策として検討せねばならなくなるのでしょうか。

北大路機関:はるな

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北大路機関沖縄現地報告③ 北朝鮮弾道弾監視!嘉手納基地RC-135コブラボール偵察機展開

2012-12-12 21:37:00 | 北大路機関特別企画

■PowerShotG-12撮影速報

 本日午前に北朝鮮が弾道ミサイル実験を行いました。ミサイルは北朝鮮の事前発表通りフィリピン近海に落下したとのこと。 

Kimg_0794 これがコブラボール、弾道ミサイル実験など世界の緊張地域に展開する特殊な航空機、アメリカ空軍は電子偵察機RC-135を嘉手納基地へ展開させ、北朝鮮のミサイル実験に伴う電子情報を偵察しています。そしてこの写真は本日午後、偵察任務を完了し嘉手納基地へ戻ったところ。

Kimg_0784 轟音とともに離陸するこの機体は、アメリカ海軍のEA-18G電子戦機、嘉手納基地には三機が展開していましたこの機体は、2007年より配備が開始され、従来のA-6攻撃機派生形のEA-6を代替する機体としてF/A-18E/Fを原型として開発された最新型電子戦機です。

Kimg_0783 EA-18Gは、翼端の電子戦装置とともにAN-ALQ-99電子戦ポッド、AN-ALQ-218V2通信傍受ポッドを搭載し、写真の期待はHARM対レーダーミサイルを搭載していました。電子制圧から防空制圧までこなし、APG-79レーダーをもって航空戦にも対応、高い電子戦能力を活かし模擬空戦ではF-22を撃墜判定したことも。

Kimg_0797 航空掩体区画から第18航空団のF-15Cが次々と滑走路に進んでゆきます。F-15Cは基本設計こそ1970年代の機体ではありますが、機体の余裕ある設計は新しいエンジンや電子装備の搭載を可能とし、いまなお世界最強の戦闘機と言って差し支えない性能を有する傑作機です。

Kimg_0812 F-15Cの本当の強さは戦闘機単体ではなく偵察機が集めた電子情報という戦闘以前の情報収集、早期警戒機による航空部隊の効率的な戦闘、膨大な空中給油機による戦闘機の効率的運用と、これを支えるけた外れの輸送機の輸送力が後方支援を支え、その地位を担っているにほかなりません。

Kimg_0804 将来的にF-15CはF-22やF-35といった第五世代戦闘機と比較し、主力の時代を終えることが予想されますがF-22が高い脅威目標を第一撃で排除し、F-22からの情報をも合わせ、空軍の航空戦闘システムという体系で戦うという原則が維持されるのですからF-15Cにも相応の任務が残されるでしょう。

Kimg_0814 KC-135空中給油機が着陸しました。一機でF-15C約10機分の燃料を搭載、米空軍へ約750機が導入され、冷戦時代を支えた給油機であり、現在も約390機がKC-10空中給油機とともに運用が続けられ、将来的にKC-45空中給油輸送機へ置き換えられることとはなっていますが、まだまだ現役の航空機です。

Kimg_0822 海軍のP-3C哨戒機、嘉手納基地にも前方展開している機体ですが、本日は頻繁に発着していました。先日厚木基地の本機の後継機となるP-8哨戒機が試験展開として初めて日本へ展開しました。P-8はP-3Cが対潜哨戒機であるのに対し、広域海洋監視機が対潜哨戒をも行うというもので、今後は嘉手納にもP-8が展開することとなるのでしょうか。

Kimg_0823 コブラボールがもう一機着陸してきました。少なくとも嘉手納に本日二機のRC-135がいたわけです。・・・、ところでRC-135はRC-135Wリベットジョイントなどがあるのですが電子偵察を行うのがコブラボール、米空軍に3機がはいびされリベットジョイントが17機、便宜的にコブラボールと呼んでいるのですが正しいのか、調べなければなりませんね。

Kimg_0829 F-15Cが次々と戻ってきました、後ろに見えるのが航空機を格納するシェルター、いわゆる航空掩体で、航空攻撃による爆弾や弾道ミサイルから航空機を一機一機格納することで破片による被害を局限化します。米本土の基地では航空自衛隊のような大型の格納庫に戦闘機を一括収容するのですが、沖縄は中国の弾道ミサイル射程内にあるため、航空掩体は欠かせない。

Kimg_0849 HH-60ペイブホーク救難ヘリコプター、武装し敵地に墜落した航空機搭乗員の救出に向かう航空機です。撮影したのは道の駅かでな、展望台から基地を一望することができ、屋根があり食事もできます。しかし、ここの食事、安かったので二品頼んだらボリュームがすごくて驚きました、これがオキナワスタイルか。

Kimg_0841 EA-18Gが戻ってきました。ところで、海軍の電子戦機ですが、空軍の訓練支援で展開した、ということなのでしょうか、それとも沖縄近海に空母ジョージワシントンが展開しているのでしょうか、ね。このほか、嘉手納にはAV-8攻撃機が少なくとも二機、駐機しているのが見えました。

Kimg_0844 駐機場に戻るEA-18Gの三機、本日は頭上近くを弾道ミサイルが通過、とは言っても少々距離はありましたが、という事件から始まり、普天間基地方面を望見すると、MV-22の二機編隊やAH-1Wの二機編隊、CH-53なども飛行しているのが見えましたが、このEF-18Gと二機のRC-135を嘉手納で撮影することができたのは貴重な機会となりました。

北大路機関:はるな

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