北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ミサイル破壊措置命令発令!自衛隊法第82条の3第3項に基づき森本防衛大臣が命令

2012-12-07 23:22:53 | 防衛・安全保障

◆自衛隊出動!、首都圏と南西諸島で防衛体制整う

 本日、森本防衛大臣によりミサイル破壊措置命令が発令されました、これは自衛隊法に基づく命令です。

Mimg_7093 ミサイル破壊措置命令は自衛隊法第82条の3第3項に基づき発令されたもので、北朝鮮が間もなく長距離弾道弾実験を行う発表とともに、我が国南西諸島上空を飛翔しフィリピン周辺に落達するとの想定に際し、我が国領域に落下する飛行経路を飛翔した際、自衛隊が迎撃し、被害を防ぐ構え。

Mimg_6935 迎撃は二段構えとなっており、洋上のイージス艦が長距離索敵が可能である高性能なSPY-1レーダーと射程1000kmを越えるスタンダードSM-3誘導弾が第一の迎撃を行い、この迎撃を突破した目標に対しては陸上に配備された航空自衛隊のペトリオットPAC-3が射程15~20kmにおいて直撃し、弾頭を破砕することで地上での爆発を防ぐとのこと。

Mimg_4137 森本防衛大臣は今回のミサイル破壊措置命令に先立ち、ペトリ音ミサイルが配備されていない南西諸島南部に対し、ミサイル破壊措置準備命令を発令し、特に弾道ミサイルの落下の危険性がある宮古島と石垣島へ航空自衛隊のペトリオットミサイル部隊を海上自衛隊の輸送艦が輸送支援を行い、今日までに展開を完了しました。

Mimg_5260 今回海上自衛隊の輸送艦三隻のうち二隻が展開に協力しており、輸送艦くにさき、は芦屋基地の高射隊を呉基地よを3日に出港し翌日午後までに宮古島へ輸送し、航空自衛隊のレーダーサイトである宮古島分屯基地へ、輸送艦おおすみ、は白山分屯基地と饗庭野分屯基地の高射隊を石垣島へ輸送し石垣港等の射撃陣地へ輸送しています。

Mimg_7117 沖縄本島にも那覇基地と知念分屯基地より防空体制が整えられています。一方、京都、大阪、神戸、名古屋、福岡の防空体制は大穴があいています。今回派遣の白山分屯基地の第14高射隊は三重県の分屯基地から名古屋中京地区を、饗庭野分屯基地の第12高射隊は滋賀県の分屯基地から京阪神地区を、芦屋基地の高射隊は福岡の防空に当たる部隊でしたが、ペトリオットミサイルPAC-3の不足から現在の状況となりました。

Mimg_4328 万一、北朝鮮の弾道ミサイルが首都圏方面に飛翔した場合を想定し、首都東京を防空する準備も完了しています。航空自衛隊は首都圏の四カ所にPAC-3を配備しました。配備カ所は防衛省によれば陸上自衛隊朝霞訓練場、陸上自衛隊習志野演習場、航空自衛隊市ヶ谷基地、航空自衛隊習志野分屯基地、この四カ所です。

Mimg_2043_1 イージス艦は本日、続々と佐世保基地を出港し、所定の海域へ急行中です。今回佐世保基地を出港したのはイージス艦こんごう、イージス艦みょうこう、イージス艦ちょうかい、の三隻で海上自衛隊ではこのほかイージス艦きりしま、の護衛艦こんごう型四隻が弾道ミサイル防衛能力を有する護衛艦となっています。

Mimg_2837 今回はミサイル防衛対応イージス艦四隻が稼働状態においてミサイル実験が行われることとなりました。イージス艦きりしま、は来週上旬に鹿児島港で行われる一般公開を中止しており、南西諸島以外の、恐らく首都圏への弾道ミサイルを警戒する海域へ展開していると考えられるでしょう。

Mimg_2450_1 更に佐世保基地にはイージス艦あたご、が停泊しており、弾道ミサイル防衛対応改修はまだ完了していませんが、SPY-1レーダーはミサイル防衛対応前のイージス艦みょうこう、が1998年に弾道ミサイル追尾に成功しているため、今回も追尾支援へ派遣される可能性があり、特に前回のミサイル実験が上昇に失敗したため探知を開始できず、次の機会には発射施設により接近し警戒すると発表されていますので、今回は前進するのかもしれません。

Mimg_4620 陸上自衛隊も海上自衛隊と航空自衛隊が迎撃任務に当たる一方、万一の着弾に備えて展開しています。防衛省によれば陸上自衛隊は今回も南西諸島に部隊を派遣しています。ミサイル部隊が展開する宮古島と石垣島に加え、西表島と波照間島に陸上部隊を派遣しました。

Mimg_4889 四月の弾道ミサイル事案に際しては有毒なミサイル推進剤ヒドラシンの拡散に備え、化学防護部隊を展開させました。ヒドラシンは糜爛性で発がん性のある劇物ですがロケット燃料として多用されています、万一人口密集地にこれが拡散した場合には防護装備を有する陸上自衛隊部隊が住民の救出と毒物の中和に当たることになるでしょう。

Mimg_5427 また、仮に全国の公表された経路以外に落下した場合にも災害派遣が迅速に行われるでしょう。このほか、防衛省発表にはありませんが、全国の航空自衛隊警戒管制施設においてもレーダーを発射台方向に向け、警戒を強化していると考えられます。自衛隊の準備態勢は出来得る最善の準備を行いました。

Mimg_0629 落ちるかもわからない、と一部の方が考える弾道ミサイルですが、これまで北朝鮮の弾道ミサイルで落下せず宇宙に達したものはありません。ミサイルが海上に落下した場合には、海上自衛隊が我が国の排他的経済水域圏内であった場合に限られますが、海上自衛隊や海上保安庁によりミサイルの破片を捜索する可能性があります。

Mimg_9821 例えば、2009年に北朝鮮が日本海に対して弾道ミサイル実験を行った際には、予告期間において日本海を警備管区とする舞鶴地方隊では舞鶴基地在泊艦艇の出港準備を行っていました。まだ全ての配置が完了したわけではないと防衛大臣は記者会見で述べていますが、北朝鮮がミサイル実験を行う期間は12月10日、それまでに展開を完了するとのことです。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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東北地方沿岸にM7.3の地震 津波警報津波情報 宮城県予想高さ1m予想到達日時7日17時40分

2012-12-07 17:31:36 | 防災・災害派遣

◆津波警報が発令されました

◆直ちに避難を!1800時気象庁宮城県沖を沿岸に向かう津波を観測

 本日1718時の太平洋沖を震源とする地震により津波警報が発令されました。東北地方太平洋岸にお住まいの方は自治体の誘導に従い沿岸部から高台へ退避してください。

00101震度速報 2012年12月7日 17時20分 気象庁発表・・・12月7日17時18分ごろ地震がありました。[観測地域] 青森県三八上北など [震度] 5弱 今後の情報にご注意ください。

地震の発生日時:2012年12月7日 17時18分ごろ
震源地:三陸沖  マグニチュード:7.3  深さ:10km

http://emergency.weather.yahoo.co.jp/weather/jp/tsunami/?1354868550

津波予報区名 津波警報・注意報グレード
宮城県 津波の津波警報
青森県太平洋沿岸 津波注意報
岩手県 津波注意報
福島県 津波注意報
茨城県 津波注意報

予報区 予想高さ 予想到達日時

宮城県  1m    7日17時40分

青森県太平洋沿岸 0.5m 7日18時00分

岩手県  0.5m   7日17時40分

福島県  0.5m   7日17時50分

茨城県  0.5m   7日18時00分

◆◆◆1740更新

気象庁発表:震源地は三陸沖 ( 北緯37.8度、東経144.2度、牡鹿半島の東240km付近)で震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は7.3

20121207172950391071718平成24年12月07日17時29分 気象庁発表
07日17時18分頃地震がありました。
震源地は三陸沖 ( 北緯37.8度、東経144.2度、牡鹿半島の東240km付近)で震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は7.3と推定されます。
各地の震度は次の通りです。
なお、*印は気象庁以外の震度観測点についての情報です。
http://www.jma.go.jp/jp/quake/

◆◆◆1751更新 余震情報

20121207173630491071731気象庁発表情報

平成24年12月07日17時36分
気象庁発表
07日17時31分頃地震がありました。
震源地は三陸沖 ( 北緯37.9度、東経143.8度)で震源の
深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は6.2と推定されます。
各地の震度は次の通りです。
なお、*印は気象庁以外の震度観測

http://www.jma.go.jp/jp/quake/

◆◆◆1800更新

03_03_00_20121207172221気象庁発表

地震の発生日時: 12月07日17時18分頃
震源地: 三陸沖   マグニチュード: 7.3   深さ: 約10km

これらの沿岸では、直ちに安全な場所へ避難してください
なお、これ以外に津波注意報を発表している沿岸があります

◆◆◆1808更新

気象庁より第一波が観測観測されたとの情報が出されました。

03_11_00_20121207180044津波情報(津波観測に関する情報)
平成24年12月 7日18時00分 気象庁発表

[各地の検潮所で観測した津波の観測値]
場所によっては、検潮所で観測した津波の高さより更に大きな津波が到達し
ていることが考えられます
今後、津波の高さは更に高くなることも考えられます
 7日18時00分現在、検潮所での観測値は次のとおりです
宮城金華山沖*  第1波  7日17時48分     (不明

http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/joho.html

◆◆◆1812更新

 津波到達情報が更新されています。

*** [*印の沖合のGPS波浪計で観測した津波の観測値]  ***
03_11_00_20121207180044_2(本文中では、沖合での津波の観測値と、沿岸での検潮所による観測値との
混同を避けるため、すべて(不明)と表記されます。詳細は以下の通り)

宮城金華山沖*  第1波  7日17時48分 (-)  微弱 
         最大波  7日17時53分     0.2m

上記は沖合での観測値であり、沿岸では津波はさらに高くなります

**[*印の沖合のGPS波浪計付近の沿岸で推定される津波の高さ]**
沿岸での津波到達時刻および津波の高さは以下の通りと推定されます
[津波到達時刻(推定)・津波の高さ(推定)]
          津波到達時刻(推定)     津波の高さ(推定)
宮城金華山付近   7日17時53分~18時08分 0.5m
早いところでは、既に津波が到達していると推定されます
津波情報3号    

◆◆◆1850更新

気象庁発表分を更新し掲載します。

地震情報(地震の活動状況等に関する情報)
平成24年12月 7日18時35分 気象庁発表

201212071718_288_1「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」(第66報)
-平成24年12月7日17時18分頃の三陸沖の地震-について、7日18
時30分現在の概要を以下のとおりお知らせします。

*** 地震の概要 ***
発生日時:12月7日17時18分頃
マグニチュード:7.3(速報値)
場所および深さ:三陸沖(牡鹿半島の東、約240km付近)、深さ約10
km(速報値)
発震機構等:西北西・東南東方向に張力軸を持つ正断層型 (速報)

*** 震度の観測状況 ***
【最大震度5弱】青森県八戸市(はちのへし)、岩手県盛岡市(もりおかし
)、宮城県栗原市(くりはらし)、茨城県常陸太田市(ひたちおおたし)な
ど9の市町村で震度5弱を観測したほか、東北地方を中心に、北海道から九
州地方の一部にかけて震度4から1を観測しました。

201212071718_288_2*** 津波警報等の発表状況 ***
津波警報(津波):宮城県(7日17時22分発表)
津波注意報:青森県太平洋沿岸、岩手県、福島県、茨城県(7日17時22
分発表)

*** 津波の観測状況 ***
 7日18時05分現在、検潮所での観測値は次のとおりです。 
石巻市鮎川  第1波  7日17時58分 (引き) 0.3m
       最大波  7日18時02分      1.0m   

*** 余震活動の状況 ***
7日18時00分現在、震度1以上を観測した余震は2回発生しています。
(震度3:1回、震度1:1回 )

201212071718_288_203*** 防災上の留意事項 ***
 津波警報を発表している沿岸では、警戒してください。津波注意報を発表
している沿岸には、近づかないでください。津波は繰り返し来襲します。警
報が解除されるまで警戒を続けてください。
 揺れの強かった地域では、土砂災害や家屋の損壊などの危険性が高まって
いるおそれがありますので、引き続き余震による揺れに十分注意してくださ
い。

*** 緊急地震速報の発表 ***
 この地震に対し、地震検知から6.6秒後の17時19分5.2秒に緊急
地震速報(警報)を発表しました。

 地震情報、津波情報等は最新の情報をご覧下さい。
 なお、現在発表している情報は気象庁ホームページで公表しております。

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