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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】F-35オーストラリア空軍配備開始とノルウェー空軍42年ぶりの戦闘機交代

2022-01-11 20:21:59 | 先端軍事テクノロジー
■特報:世界の防衛,最新論点
 今回はF-35戦闘機とF-35戦闘機に道を譲ったF-16戦闘機のその後の話題等を紹介しましょう。

 オーストラリア空軍はF-35A戦闘機の配備を開始しました。これは2021年12月に実施されたもので、オーストラリア空軍は最初のF-35A戦闘機をティンダル空軍基地へ配備しています。ティンダル空軍基地はオーストラリア北部の防衛力強化に関して、10年間で80億オーストラリアドルを投じる防衛基盤強化の一環として基地機能を拡張してきました。

 F-35A戦闘機は旧式化したF/A-18戦闘機の後継機としてオーストラリア空軍へ採用されていたものです。空軍はF-35Aが引き渡されるまでの繋ぎとして新鋭のF/A-18F戦闘攻撃機も採用していますが、今後F-35戦闘機の充足に伴い、これらの機体はF/A-18F戦闘攻撃機から広範囲の電子戦等をになうEA-18G電子攻撃機へと転換されることともなっています。

 ティンダル空軍基地に配備されるF-35A戦闘機は第75飛行隊、F-35A配備に先駆け、滑走路の拡張や航空格納庫の刷新と基地インフラ施設の更新などを実施しており、オーストラリア北部の飛行場施設は順次7億3700万ドルを投じ基地機能を強化します。これらの施策は防衛力強化と同時に北部へ雇用を創出、国境隣接地域の人口定着も目的としています。
■F-35かSu-75かステルス機の混迷
 F-35は自由にかえる航空機ではないというステルス機の話題です。

 アラブ首長国連邦次期戦闘機はF-35戦闘機かSu-75戦闘機かで米ロ戦闘機競争が激化しています。アラブ首長国連邦は次期戦闘機として既に実績のあるF-35戦闘機を強く希望していますが、イスラエルなどの周辺情勢との関係から実現のめどは立っていません。アメリカは第五世代戦闘機ではなく4.5世代戦闘機を提示しますが、第五世代が最低条件です。

 50機のF-35戦闘機と関連機材を230億ドルで取得するという巨額防衛装備移転、しかし対外防衛装備供与に関する制限を示したソブリン条項があり、アメリカ政府はダウングレード版のF-35をアラブ首長国連邦に提示したものの、その再設計費用を上乗せる事となり、低性能版を割高に売却する構図がアラブ首長国連邦の反感を招き、交渉が凍結されました。

 Su-75はこうした中で急浮上したものです。これはロシアが輸出されたMiG-21戦闘機などの後継を意図して開発を進めている第五世代戦闘機で、2021年12月のドバイ航空ショーにおいても大々的に展示されています。無論開発中の機体でモックアップのみしか完成していませんが、バイデン政権がF-35輸出を渋るならば、この揺さ振りは続く事でしょう。
■ノルウェー42年ぶりの戦闘機交代
 実に42年間の任務を完了したという話はなにか自衛隊のファントムを思い出す。

 ノルウェー空軍は2021年1月6日よりF-35戦闘機の対領空侵犯措置任務警戒待機QRA任務を開始したとのこと。これはNATO統合防空基盤の一環で行われ、ノルウェー北部のエヴェネス空軍基地にて引き継ぎ式が行われると共に、1980年から42年間に渡り継続されたノルウェー空軍F-16飛行隊のQRA任務解除と引き継ぎの完了を意味するものです。

 F-35戦闘機のノルウェー空軍への導入計画は52機が予定されており、2025年までに全52機が納入される計画、ノルウェー空軍の戦闘機はF-16戦闘機が順次退役し、この52機のF-35へ統合される計画です。F-16戦闘機はボードー空軍基地へ配備されQRA任務を実施してきましたが、ノルウェー標準時間1月6日1145時に任務の切替を行ったとのこと。

 NATO統合防空基盤であるQRA任務において、ノルウェー北部のエヴェネス空軍基地はノルウェーはもちろんのことNATOでも最北の戦闘機部隊基地となります、これはロシアなど周辺の脅威がNATO域内へ接近する際の最前線となる事も意味し、基地には基地防衛隊や基地防空大隊の他、アメリカ軍のP-8A哨戒機部隊なども前方展開することとなります。
■F-16はルーマニアへ
 F-35戦闘機の配備により余剰となったノルウェーのF-16は再就職できたようです。

 ルーマニア空軍はノルウェー空軍のF-16戦闘機中古機32機を導入するとのこと。東欧地域へのロシア軍事圧力に直面するルーマニア軍はNATOに加盟すると共に機械化部隊のNATO基準への改編などを急いでいますが、MiG-29戦闘機など旧ソ連製戦闘機の老朽化にも悩まされてきました。ここで同じNATO加盟国であるノルウェーの支援を受けることに。

 F-16戦闘機中古機32機はノルウェーから3億5400万ユーロで導入し、整備支援や整備器具等は別途1億ユーロで取得します。ノルウェー空軍は現在、F-16戦闘機をF-35戦闘機への機種転換の過渡期にあり、最近では12月9日に追加のF-35が到着しています。ルーマニア空軍は確実に運用可能なF-16戦闘機を新造よりも遥かに安価に取得できるようです。

 黒海沿岸に位置するルーマニアはロシア軍の直接の圧力は今でこそ大きくはありませんが、2021年後半から緊迫度合いを増すウクライナ情勢が今後ロシアの圧力増大に対応しきれない場合には、ロシアが武力併合したクリミア半島からのロシア軍による黒海沿岸への圧力が増大するのも必至とみられ、ルーマニア空軍戦闘機整備は焦眉の課題となっていました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【防衛情報】PrSMミサイル進展とリンクス装甲車vs57mm砲AU-220M,ペトリオット躍進

2022-01-10 20:22:20 | インポート
■週報:世界の防衛,最新12論点
 今年最初の防衛情報は陸軍関係の話題を中心に12論点を紹介しましょう。

 アメリカ陸軍が開発を進めるPrSMプレシジョンストライクミサイルが五回連続の発射試験を完了しました。これはロッキードマーティン社が進めるアメリカ陸軍遠距離打撃戦力開発の一環で、トランプ政権時代に離脱した中距離核戦力全廃条約により、通常弾頭型のミサイルを含め地上発射型の550km以上の射程のミサイル開発か可能となった為です。

 PrSMプレシジョンストライクミサイルの実験はHIRAMS高機動ロケット砲兵システムより実施、これはトラック方式のロケット砲システムとなっています。今回の実験では射程がどの程度まで延伸されたかは明示されていませんが、陸軍が保有する最大射程はATACMSの300kmが最も大きなもので、現代戦闘ではその射程不足が指摘されています。

 中距離核戦力全廃条約は核兵器ではなく地上発射型の550kmから4500kmまでのミサイル保有を米ソ、冷戦後はアメリカとロシアの未規制していました、しかし、逆にこの射程の兵器の空白地帯を生むと共に中国の前進をゆるし、規制逃れ等の面で、実効性を有していないと判断した当時のトランプ政権が脱退、バイデン政権も復帰の意思を示していません。
■ブラッドレイIFV後継研究
 ブラッドレイ装甲戦闘車も今日的に見れば80年代の防御力思想の限界に曝されています。

 アメリカ陸軍はブラッドレイ装甲戦闘車後継選定用のリンクス装甲戦闘車試験車両を受領しました。ブラッドレイ装甲戦闘車後継装甲車には幾つかの車両が候補に挙げられていますが、アメリカ陸軍が重視するのは1970年代の防御力想定では全く不十分となっている2020年代の戦闘を前に防御力が高く、火力や通信でも将来拡張性に優れた戦闘車両です。

 リンクス装甲戦闘車はドイツのラインメタル社がプライベートベンチャーにより開発した2010年代の設計で、同社が1990年代に開発しドイツ連邦軍へ採用されているプーマ装甲戦闘車の経験を反映させたものとなており、基本重量は42tですが戦闘重量は50tまで想定し、ロシア軍次期装甲車に搭載される57mm砲に耐える極めて重装甲の装甲戦闘車です。
■豪州リンクス生産体制
 リンクス装甲戦闘車は取得費用は高いものの特筆できる防御力をもつ。

 オーストラリアは陸軍が採用したリンクス装甲戦闘車をアメリカのブラッドレイ装甲戦闘車後継選定用に輸出しました。リンクス装甲戦闘車はドイツのラインメタル社が設計していますが、オーストラリア陸軍は厳しい選定の結果、次期装甲戦闘車としてリンクスを採用しています、この条件が車体性能とともにオーストラリアの防衛産業への貢献でした。

 クイーンズランド州レッドバンクにはラインメタルオーストラリアランドシステムズ社の工場が置かれており、オーストラリア軍向けのリンクス装甲戦闘車が製造される施設です。ラインメタル社ではプーマ装甲戦闘車の量産と並行してリンクスを量産する製造ラインの圧迫を回避できると共に、合弁企業現地生産であっても利益は或る選択肢といえました。
■トルコのMAV装甲車
 稼働率を考えず数を揃えるならば日本も検討したい装備ですが、結局のところ必要な数をしっかり量産するならば新興工業国にもできることという。

 トルコのFNSS社はZAHA-MAV両用強襲車輛の試作車両をIDEF2021国際産業展に展示しました。ZAHA-MAV両用強襲車輛は装軌式の装甲車両で、アメリカ製AAV-7両用強襲車輛と比較し二回りほど小型、展示された車輛は全体を増加装甲で覆い、無人砲塔を搭載した状態でした。2019年より試作車が海上航行試験や陸上戦闘試験に供されています。

 ZAHA-MAV両用強襲車輛は陸上最高速度70km/h、海上ではウォータージェットにより7ノットで航行可能であり、CAKA無人砲塔には12.7mm機銃と40mm擲弾銃を連装装備していて、FNSS社によればアメリカのAAV-7両用強襲車搭載砲塔と比較し、砲手の安全性が車内で確保されるとともに、目標捕捉能力や砲塔旋回速度などが向上しているという。

 トルコ陸軍はZAHA-MAV両用強襲車輛を当面27両取得する計画で、23両が基本型、2両が指揮通信型、2両が操行改修型となります。外見は既存車輛の前部を凌波形状とした上でウォータージェット配管を装甲で覆ったもので、1990年代にイタリアがM-113装甲車を改造したアリゲーター両用装甲車よりも性能は優れているが、外見は過渡期のものといえる。
■イスラエルACE-N52新小銃
 ブルパップ式はやはり使いにくいのでしょうか現在重視しているのはイスラエル軍と中国軍オーストラリアにオーストリアか。

 イスラエルのIWIイスラエルウェポンインダストリーズは画期的なACE-N52突撃銃を発表しました。IWI社はUZI短機関銃やガリル突撃銃、現在のイスラエル軍制式小銃であるタボール突撃銃等を生産しており、確実な作動性で知られる軍用銃の設計で知られます。今回はタボール突撃銃の運用を踏まえ、ガリル突撃銃の設計を応用し開発されたもの。

 ACE-N52突撃銃は5.56mm仕様と7.62mm仕様を銃身及び機関部一部の取換により実現しており、またレイルシステムを採用する事で各種光学機材や暗視装置の装備を設計に盛り込んでいます。形状はタボール突撃銃のブルパップ式から直床方式に回帰しており、全体に樹脂を多用し軽量化しつつ伸縮式銃床を採用し機械化部隊の携行にも配慮があります。
■ドイツ,空挺用新車両
 自衛隊のパジェロにあたる車両さえ新規調達しなければならない弱体から復興へのドイツ軍の話題です。

 ドイツ連邦軍は空挺部隊用エノク4.8航空機動車輛を受領したとのこと。エノクはメルセデスベンツGクラスの軍用仕様でメルセデスベンツ社が納入した車両をGmbHアーマードカーシステムズ社が連邦軍仕様へ改修を実施している。車両はエノクLAPVとして2008年より247両が採用されており装甲車両ではなく斥候や連絡車と軽輸送に用いられている。

 エノク4.8航空機動車輛は空中機動部隊向けの車両であり、定員は4名、車体部分は極力軽量化されるとともに偵察任務に充てるべく車体後部にオートバイを装備し、車体上部には機関銃を搭載する。本車の派生型にはエノク5.4軽装甲車がある、こちらは重量が増大しているが小銃弾等へ耐弾性能があり、基地警備や飛行場警備と空港のテロ対策に用いられる。
■AU-220M自動兵器システム
 57mm自動砲は高射砲を転用したもので初速もたかく射程がTOWミサイルよりも長いのですよね。

 ロシアは57mm搭載AU-220M自動砲兵器システムをユーゴスラビアへ輸出している。これはユーゴスラビアのベオグラードで10月11日から四日間にわたり執り行われたユーゴインポートSDPR兵器見本市においてユーゴスラビア製ラザル3装甲戦闘車に搭載されたかたちで発表されている。ラザル3はユーゴスラビアが独自に開発した装輪装甲車だ。

 AU-220M自動砲兵器システムはロシアがBMP-1/2装甲戦闘車後継車両用に開発した57mm自動砲で、アメリカの装甲戦闘車は25mmと欧州でも40mm機関砲を搭載する従来型装甲戦闘車を圧倒する新型機関砲で、毎分80発を射撃可能で射程は14km、砲安定装置と熱線暗視装置及びレーザー測距装置により極めて高い精度での射撃が可能となっている。
■57mm砲は陸戦を変えるか
 自衛隊の少なすぎる89式装甲戦闘車と10式戦車については考え直さねばならない様に改めて痛感します、特に切迫度は増している。

 ロシアの57mm砲AU-220M自動砲兵器システムは陸戦体系に新しい変革をもたらすのだろうか。AU-220M自動砲兵器システムは30mm機関砲や73mm低圧砲を搭載したBMP装甲戦闘車シリーズの後継車両に搭載されるものだ。射程は7kmと対戦車ミサイル並に大きく、地上戦闘への直接火力支援と対装甲戦闘を両立させ得ると共に原型は対空砲である。

 AU-220M自動砲兵器システムはM-2ブラッドレイやフランスのVBCI装甲戦闘車を4km以遠より破壊でき、特にTOW対戦車ミサイルの射程外から攻撃が可能、欧州で広く採用されるCV-90装甲戦闘車もMk2までは正面装甲を貫徹される恐れがある。欧州にはプーマやリンクスといった57mm砲に耐える正面装甲を持つ装甲車も開発されているが多くはない。
■ポーランドのペトリオット
 ウクライナ情勢を隣国の緊張として受け止めるポーランドの緊張は高いものですが、ロシアは日本の隣国でもある。

 ポーランド軍は2022年内に予定されるペトリオットミサイル受領の施設整備を進めており、現在ポーランド陸軍第3防空砲兵旅団では施設建設とアメリカオクラホマ州のフォートシルへの要員留学を通じ、訓練装置での教習が実施中で、ポーランド施設の建設に関しては2021年10月7日にマリウスブラシュザック国防大臣がその進捗状況を視察しました。

 ポーランド軍が導入を計画しているのはAN/MPQ-65射撃指揮装置4基と4連装発射装置16基、及び指揮統制装置4基とペトリオットミサイルPAC-3-MSEの導入を計画しており、先行して2セットが納入されます。PAC-3-MSEは短距離弾道弾や准中距離弾道弾に対しての迎撃能力を有しており、より速度の速いミサイルへの迎撃能力整備も進められています。
■ギリシャ軍サウジ派遣
 経済問題からの出稼ぎというようにも見えなくはないのですが応援を得られる構図が少し羨ましい。

 ギリシャ軍防空砲兵部隊のサウジアラビア派遣が正式に開始されました。これは2021年4月に開始された試みで、内戦中のイエメンより反政府武装勢力フーシ派による自爆無人機攻撃や巡航ミサイル攻撃に曝されているサウイアラビア防空軍を補完するべく、NATO加盟国であり高い練度を有するギリシャ軍の地対空ミサイルをサウジアラビアに配備します。

 サウジアラビア派遣部隊はギリシャ空軍のペトリオットミサイル2個中隊で、9月に派遣本体がサウジアラビアへ到着しています。サウジアラビア軍には多数のペトリオットミサイルを装備する防空軍と野戦防空を担う陸軍が編成されていますが、自爆無人機多数による飽和攻撃へはどれだけ多数のミサイルがあっても充分と言い切れない状況があるようです。
■マレーシア軍のLG-1榴弾砲
 日本の場合は火砲を155mmに統合していますが空挺部隊や山岳戦闘を考えますと120mm迫撃砲のようなものよりも105mm砲の有用性は意外とあるようにも。

 マレーシア陸軍はネクスターLG-1-Mk3/105mm榴弾砲の初度作戦能力獲得完了を発表しました。ネクスターLG-1は同社がジアッド社時代に開発した軽量榴弾砲で頑丈で信頼性のある牽引式榴弾砲です、Mk3は砲口制退器の改良や車輪部分の改良が施され、不整地での牽引に際しても破損の懸念が軽減、また泥濘踏破後での即座の射撃が可能となりました。

 マレーシア陸軍は第10空挺旅団隷下の第1王立砲兵連隊へ旧式化した25ポンド砲とOTOメララ社製105mm空挺砲を置換える新型火砲としてネクスターLG-1-Mk3/105mm榴弾砲18門の採用を2018年に決定、ノックダウン生産方式でジョホール州ジェメンタにあるアドバンスドディフェンスシステムズ社に最初の6門を引渡し、試験に供されていました。
■タイのBTR-4両用装甲車
 旧ソ連製装備の系譜は渡河能力を重視していますので水陸両用性能は意外な程に高いのですよね。

 タイ海兵隊向けBTR-4装甲車指揮通信型がウクライナのキエフにて組立が完了しつつあります。BTR-4は水陸両用装甲車であるBTR-3の指揮通信車型です。水陸両用装甲車はアメリカ製AAV-7が有名ではありますが、欧州の大河を念頭に旧ソ連製装甲車の大半は浮航能力を有し、これらは改造するだけで外洋の波浪に在る程度対応する冗長性があります。

 BTR-4は八輪方式、BTR-3では30mm機関砲を搭載していましたが指揮通信型のBTR-4は砲塔に代え車体後部の天井を高く車体を再設計しています。エンジン出力は500hpで、路上速度110km/hに水上浮航速度10km/hと優秀で、タイ海兵隊は水陸両用車輛として先行してBTR-3を採用しており、BTR-4とともにファミリー装備体系を構築するもようです。

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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-広島,新幹線乗車前爆ぜる美味さ燃える辛さ

2022-01-10 18:22:19 | グルメ
■山陽新幹線の乗車前に一杯
 いまはこのお店の支店は広島駅の旧店舗から少し離れた駅中のekie広島に在るという。

 江田島基地の練習艦隊出航は毎年恒例の撮影となっていて、広島の愉しみと云えば牡蠣、というものが筆頭に来るものですがもう一つ、ちょっとした楽しみがあります、それは勿論好ききらいがあるところなのでしょうけれども、広島に行けば食べたくなるというもの。

 広島駅、昭和の山陽新幹線開通とともに整備された重厚だが機能美と歴史を湛えた駅ビルは惜しくも新しい駅ビルへ建て替えるべく解体が開始され、寂しく思います。そして広島駅と云いますと駅ナカグルメが面白いものが多く新幹線発車直前まで楽しめたものでした。

 勇者たちの記録が刻まれた表札が壁を埋め尽くす情景こそがこのお店の歴史を語る、さて。お気づきでしょうか。そうです、ばくだん屋です。つけ麺好きという方は数多いるでしょうが、その中でも辛いもの好き辛さ耐性自慢と云えば広島からしつけ麺に一目置くという。

 ばくだん屋、辛いが美味いと云おうとしてウッと云いかけたところでむせた方を見てきました、このお店は北大路機関草創期の頃、東京の友人が岩国基地の帰りに美味いぞ食べて行こうぜ、と誘ってくれたところです。あの終電ギリギリの岩国帰路、寄ったのはすごい。

 あっさりとした和風つけ麺と温野菜のセット、これが辛さ0倍、これに赤いものを載せてゆく、20倍からは記念表札に名前を記して店に飾る事が出来る、30倍までは行った、その後胃をやられホームでうなだれていると、アンタもスッちまったねえ、と話しかけられた。

 からいといっても、魚介と唐辛子を調和させた独特の香辛料を使っているとの事で、単に一味で再現しようとすると失敗します、やはり食べに行くほかないのですね。香辛料は和風つけタレに浮いているので充分混ぜて食べる事、そうでないと最初の一口が激辛になる。

 アンタもスッちまったねえ、場外馬券場の近くに在る駅にここの支店が在りまして、そんな事が在ったのですが、総じていえばからしつけ麺は辛いというか痛いのですが、妙に暫くすると口さみしくなるのですよね、現在は広島県内に八店舗、香港も支店はあるという。

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新年防衛論集二〇二二,中央情報機関が必要だ!アフガニスタン情勢解析失敗と北極海情勢

2022-01-09 20:12:34 | 北大路機関特別企画
■中央情報機関
 国力が停滞している時こそ情勢変化が生まれる為に危機管理の為の情報収集が重要となります。

 中央情報機関。日本には情報機関に当る組織は外務省や防衛省と法務省に内閣府や警察庁など非常に多くの組織があるのですが、分野ごとの情報に特化した組織が多く、横断的な中央組織がありません。また、日本国家の活動は戦後かなり早い時期からグローバルに展開していますが、情報収集、安全情報も含めて、その分析を含め国として追い付いていません。

 日本にとり情報機関と云いますと、一般的な観念として秘密諜報や暗殺など後ろめたい印象があるのかもしれません、もちろん情報収集には防衛面の通信解析や電波情報収集等が含まれますので、否定するものではありませんが、例えば突発的な情勢変化から邦人保護というものを展開するには必要な施策です。この分野はもう少し国力を投じて良いと思う。

 アフガニスタン情勢。日本の情報収集における近年最大の失敗はアフガニスタン情勢の急変を全く予見できず、自衛隊機のアフガニスタン派遣も法的に難しくなる情勢悪化まで踏み切れず、邦人保護や輸送対象者を出国できないという、国家として長期に禍根を残す失敗を犯しています、いや失敗はまだ良い、しかしリカバーする動きが国に、見られません。

 台湾の成功。情報収集の重要性を端的に示すのは、2019年に台湾が中国国内の情勢分析を行った際、中国武漢市内の特異な情勢変化から危機的な状況を見ぬき、新型肺炎、この発生が2020年初頭に顕在化した際、素早い対応を執るまでの準備情報を得られた点でしょう。諜報による情報分析というものではなく、民間情報の分析という努力の結果と云えます。

 COVID-19対策については、ここ数日間のオミクロン株感染拡大が例外となりつつあるのはさておき、超過死亡抑制という視点で日本の施策は成功したものでした、が、これは2020年初頭に中国衛生基準と発表情報の少なさから脅威度見積もりを各国が低く見た中で、日本は横浜港ダイヤモンドプリンセス防疫から脅威度を認識する機会が在ったにすぎません。

 超過死亡の観点からは致死率に照らせば厚生労働省は対策不十分ならば日本では一年間に40万死亡と警鐘を鳴らしています、欧米では人口比そうなった。情報収集というものはこのように、国家の存亡、欧州や北米の視点からは人口一億人当たりの死者40万程度は受忍できる水準なのかもしれませんが、国民の生命に大きくかかわるということになります。

 第四次中東戦争に際しては日本の総合商社によりスエズ運河周辺でのエジプト軍の特異な動きから危機発生をイスラエルよりも先に見抜き、国内に必要な物資調達などの面で先手を打てた、という伝説的な話がありまして、商社情報やラジヲプレスのような情報分析と市場情報のようなものから解析するという選択肢も、情報機関としては必要な施策という。

 北極圏情勢や台湾情勢、実のところ日本の情報収集能力が極めて重要となるのはこうした、現実の課題へ対処する為に必要だという考えがあります。台湾情勢の重要度については敢えて示す必要はないのかもしれません、例えば台湾情勢が緊迫化すれば、日本周辺での戦闘の懸念や邦人保護の必要性も生じますが、浮流機雷が日本船舶を沈める危険性もある。

 台湾情勢は、仮に台湾が失陥するならば例えばサプライチェーンひとつとても東南アジアから日本に至るシーレーンが圧迫されることとなりまして、日本は東シナ海情勢だけでなく南シナ海情勢にも直接のステイクホルダーとなり負担となります。戦争は良くない、大陸での侵攻兆候を情報分析により早期察知、徹底的な予防外交で平和的手段以外抑えねば。

 北極海情勢。気候変動により欧州とアジアを結ぶ新航路として北極海航路が注目されています、日本として砕氷艦を建造し乗り出すべきとは全く考えないのですが、しかし日本がどう当ろうとも無関係でいられないのは確かです、何故ならば欧州とアジアを結ぶ最短経路として北極海航路が開拓されるのですから、日本はその航路上にある、無関係は無理だ。

 インド洋情勢の緊張ではありませんが、海上通商路として北極海の重要性が高まるならば、その通商路を保護する為に海軍艦艇を遊弋させ周辺国に圧力を加えようとする事例が、個北極海航路の開拓が進めば進むほど高まるでしょう。すると日本は圧力を加えられる側になるのです、インド洋航路の重要性から中国がインド洋にてインドへ圧力をかけたように。

 情報機関が必要だと考えます、それも勿論偵察衛星や電子偵察機や情報収集艦のようなものも必要だとは考えるのですが、所謂地域研究者や技術情報研究者と政治学研究者を集めて地域情勢の変化を官邸へ学者を招いて調査というようなものではなく、情報機関として集めて、もちろん現地調査も必要なのですが、機能する常設機関として必要だと考えます。

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新年防衛論集二〇二二,文民保護の防衛ドクトリン-南西諸島防衛や日米同盟・米中関係の課題

2022-01-09 18:12:34 | 北大路機関特別企画
■防衛力整備の根底に必要
 南西諸島にしても北方にしてもシーレーンにしても防衛力そのものを設計する防衛ドクトリン、その根底に必要なものがある。

 文民保護、この視点は防衛を考える際に絶対に忘れてはならない視点です。防衛とともに予防外交と抑止力という概念そのものは戦争を回避する事により文民保護の概念に繋がる、こう考える事も出来るのですが、防衛ドクトリンの段階から文民保護、この視点を念頭として防衛力整備を行う必要があるでしょう。戦争放棄と平和的生存権の関係に繋がる。

 沖縄を戦場にしない。日本の安全保障を考える上で避けて通れないのは日米同盟と対中関係ですが、洋上ミサイル戦を基本としたアメリカ海兵隊の海兵沿岸連隊への改編や、陸軍への戦域ミサイル配備と日本本土への配備要求というものは、所謂巻き込まれ論として危惧します。即ち、なぜ巡航ミサイル原潜では対応できないのかと素朴な疑問というもの。

 自衛隊においても島嶼部防衛用滑空弾の開発は進んでいますが、南西諸島への陸上防衛力配備に際して、例えば狭い島嶼部での防衛配置は防衛空白地帯への展開と云う意味は理解できるのですが、国土よりも遥かに広い海洋があるのですから、スウェーデンの旧沿岸砲兵のような装備体系と、アメリカが想定する装備体系に一線を画す必要を感じるのですね。

 上陸させない地対艦ミサイルと、策源地攻撃に用いるスタンドオフミサイル、懸念するのはこの境界線が曖昧となる事です。例えば沿岸特科連隊として、即応機動連隊の機動戦闘車隊を地対艦ミサイル装備の特科隊へ、火力支援中隊を高射特科中隊に置換えたような沿岸防備に特化した機動運用部隊は必要だとは思う、しかしミサイルの境界線が曖昧ならば。

 地対艦ミサイルとスタンドオフミサイルの境界が曖昧となれば、今度はこちらの島嶼部防衛部隊が策源地攻撃の対象となる事を意味します。すると、スタンドオフミサイルなどはアメリカのラピットドラゴン方式のように輸送機から直接投射するというような陸を拠点としない方式を整備し区別できなければ、地上戦以外の戦闘に住民が巻き込まれかねない。

 ラピットドラゴン方式ならば例えば航空自衛隊にはC-2輸送機がありますので、はるか離れた空域からF-2戦闘機とは比較にならない規模のスタンドオフミサイル運用能力があります。また、退役前の旧式潜水艦を巡航ミサイル潜水艦へ転用し、小笠原諸島など万一策源地攻撃を行われた場合でも文民被害が及ばない選択肢というものも検討すべきでしょう。

 国民保護法制。文民保護については、国民保護法制により非戦闘地域からの退避という原則があるようですが、これこそ絵に描いた餅というもので、そもそも人口密集地はもとより島嶼部から短期間で住民を避難させるほどの旅客機や旅客船は民間には在りません、そして来年度に侵攻があるようだ、という情報などはなく危機は基本的に奇襲的にはじまる。

 平時の感覚ならば年次計画を組んで実施に先立って準備を進めて、となるのでしょうが災害と先方に主導権のある有事は突然発生します。すると、云ったからな的な免罪符的といえる法整備よりは、ドクトリンの段階で民生被害を回避する、極力国土から離れた防衛力整備が必要となる訳です。もっとも、憲法違反である、の一言で現状が醸成されたのだが。

 文民保護。もう一つ忘れてはならないのは、2021年8月のアフガニスタン事案、日本政府は事実上の棄民に近い施策を行ったという、コロナ対策では世界に誇る成功を果たした菅政権には大きな失策となりました、情報収集の稚拙もありましたが、邦人保護の法整備をもう少し踏み込んだ施策を採れるよう、様々な法的制約を除かねば、国ではありません。

 本来は国を守るとは国民を守る事と同義であるべきなのですが、平和を手段としていれば結果を期待するのみという視点と、平和を結果として得られる施策の乖離がこの命題を阻んでいる様にもみえてしまいます。流されるままの防衛力整備や泥縄式の能力構築ではなく、もう少し踏み込んだ、若しくは根本的な部分での防衛力整備への議論が、必要でしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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新年防衛論集二〇二二,財政再建と防衛安全保障の両立-日本を崩壊からまもるもう一つの視点

2022-01-08 20:22:47 | 北大路機関特別企画
■財政再建と防衛安全保障
 日本は緊縮財政のやりすぎで景気後退から立ち直れないという論調を聞いたあとで、実際の財政支出を内閣府HPなどで調べますと驚かされます。

 財政再建。実のところ日本では緊縮財政を行った分だけ特別会計の大盤振る舞いをおこなっていますので、財政破綻を回避し防衛力整備を行うという視点ももちろん忘れては成りません。防衛省が外敵から国家を守るように財務省も財政破綻から国家を守る、どちらが崩れても日本という国家を存続することに危機が及ぶ点はかわりなく、両立は必須です。

 財政破綻は現実的な脅威として考えなければ、1990年代から続く低成長時代、2020年代まで継続しており、しかも東日本大震災後の電力不足と短期間とはいえ過去の急激な円高放置政治による製造業の空洞化、打つ手無い少子高齢化に国内の需要不足、この状況では財政破綻という懸念は、日本程の経済大国ならば起きないだろう、とは平和ボケそのもの。

 赤字国債の無際限な発行により戦車でも戦闘機でも、という理念には厳しい現実をみる必要はあるでしょう。こう考えるのは赤字国債を発行しても経済破綻しないという一部識者や評論家の意見が、それならば何故世界には債券発行により経済破綻する諸国が大半なのか、という現実の命題に確たる答えがないためです、日本は何故に特殊なのでしょうか。

 財政無制限論、という無茶苦茶な論理がありまして、これは要するに、通貨を発行する主体である国家は通貨発行権を例えば欧州中央銀行のような主体に預けない限り破綻はない、という理論です。ただこれは無茶を通り過ぎていまして、ジンバブエやベネズエラが財政破綻した事実を無視し論点のすり替えを行っています。財政を無限とするには税収が要る。

 日本の国債は外債ではないとしていますが、それならば何故日本国際は外債ではなく金融機関が引き受けられるのか、その担保を辿りますと、それは日本の将来性でも若者の活力でもなく、単に対外資産、1991年から2021年まで連綿と続く世界第一位の対外資産が一つの担保になっているとしか考えられません、これを切り崩さねば国債は無限だ。しかし。

 対外資産。しかし、これも高度経済成長時代から安定成長時代まで連綿と蓄え続けた国民の資産ではあるものの、これ以上積み重ねる余地がなくなれば目減りに転じます。サウジアラビア並の安価に掘れる油田やオーストラリアのようなレアメタル鉱山でも日本国内に発見されない限り、稼いで税収を伸ばす方向に転じない限り、国債は実のところ有限です。

 日本政府は緊縮財政であるために経済が回らないとの指摘もありますが、実はかなり政府は予算を投じています。2001年の小泉政権の改革先行プログラムと緊急対応プログラム、2002年改革加速プログラム、2008年の福田内閣の安心実現緊急総合政策、同年麻生政権生活対策、生活防衛緊急対策、2009年経済危機対策、とこう立て続けに行っているのですね。

 自民党から民主党へ2009年には政権交代があり、鳩山政権明日の安心緊急経済対策、2010年菅内閣デフレ緊急対策、同年デフレ緊急対応、2011年に円高総合対応策、2012年野田内閣日本再生加速、自民党へ政権が戻り2013年阿部政権での日本経済再生緊急経済対策、好循環実現経済対策、2014年緊急経済対策、2016年未来経済投資、そしてコロナ対策予算へ。

 618兆円、総額にして618兆円規模となっていまして、これを年度予算とは別に特別会計により実施し、母屋で粥を啜りつつ離れですき焼きを毎日やっていると批判される所以です。こうしたGDP比率では5%規模、経済対策を今世紀に入り僅か20年間で年間GDPに匹敵する規模のものを実施しているのですね、これでは緊縮とは流石にいえないでしょう。

 経済対策の方向性が間違っていないのか、こう問われる事があるでしょうが、この点については否定しません。そもそも財政再建と経済刺激という矛盾する政策が進むあたりに政治の問題がある様なのですよね、目的があって手段が示されても、手段と目的は計画の進展と共に次第に前者が目的化し本来目的が空文化している事が少なくない政策が実に多い。

 歳出過剰の状態にあることは否めず、もっとも防衛費はそれほど伸びていませんので緊縮という印象をあたえるのかもしれませんが、これは政治の選択と支持した国民の選択ですので、歳出規模に対して 防衛費の比率が低い点はまた別の問題というべきです。その上で必要な防衛政策と費用というものを、増税か憲法改正かで論点とすべき次元の問題です。

 財政再建が重要です。そして、目的と手段の視点から考えますと、財政再建と防衛の問題、両立するには例えば同盟国との関係強化や包括連携協定締結国との防衛協力、防衛装備品移転に関する政治的制約の撤廃など、財政再建を阻むのは憲法を含む制度も一端にあるとの認識も必要なのかもしれません。この視点を考えることも、重要なのかもしれません。

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新年防衛論集二〇二二,榛名防備録:世界は複雑である-だからこそ複雑な問題を解決するには

2022-01-08 14:41:41 | 北大路機関特別企画
■世界はそこまで単純なものか
 新年防衛論集二〇二二も一週間といういよいよ終盤となってきましたが。

 榛名防備録。2022年も継続して掲載してゆきますが、2021年は第二次大戦中の視点だけを紹介して参りましたが、2022年は適宜もう少し新しい視点も加えたいと考えています。BS歴史番組などでは定番となりつつある視点、いままで一般論とされていた歴史の理解は果たして細部を検証した場合にはそこまで単純なものなのか、これがこの防備録の視点です。

 日本は第二次大戦中に戦艦重視であり空母を軽視していた為に敗北した、こうした視点はワシントン海軍軍縮条約明けの新戦艦を僅か2隻しか建造せず、逆に100年前には世界に先駆けて航空母艦を建造したという事実を無視していますし、空母優位といいますが、地中海や大西洋では艦隊空母が高速戦艦などに追いつかれて撃沈された事実を無視している。

 戦艦大和は航空攻撃で簡単に撃沈され役立たず的な論調がありますが、大和が撃沈された天一号作戦の坊ノ岬沖海戦は参加したアメリカ海軍の空母だけで12隻が相手であり、その搭載する艦載機は900機近く、戦艦一隻を撃沈するのと戦艦に随伴する軽巡洋艦と駆逐艦数隻を阻止するにはこれだけの兵力を集中する必要があったという事実を無視しています。

 特攻隊は無駄であったという視点もありますが、特攻が九州から組織的且つ大規模に展開されたのは1945年の沖縄戦激化の頃、東京大空襲と大阪大空襲の合間でして、何故二つの大空襲に間が空いたかを調べれば、戦略爆撃機は都市爆撃を中断し九州山間部の飛行場爆撃機に転用された為で、終戦までわずかな期間ですが都市空襲を中断させる機会を造った。

 旧軍凄いという視点が目的ではありません、一つの視点を考える事無く受け入れるという物事の単純化が大衆迎合主義やポピュリズム政治の温床となる為で、一つの出来事を多角的に評価しなければ単純な命題の単純な解決が別の問題を生じさせる、この日常で当たり前のように日々経験している事柄をマクロな視点で省く事の危険性を感じる為なのですね。

 世界は複雑である、だからこそ複雑な問題を解決するには考える習慣が必要である、これはCOVID-19対策にも当てはまる事ですしフェイクニュースに直面した際にも、環境問題の気候変動問題にも、また平和主義や日米同盟を含んだ安全保障問題にも当てはまる問題です。榛名防備録、2022年も土曜日の第二記事として定着させてゆきたいとおもうのです。

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新年防衛論集二〇二二,陸海空自衛隊主要行事実施詳報:COVID-19下の自衛隊関連行事紹介

2022-01-07 20:22:46 | 北大路機関特別企画
■自衛隊関連行事
 今週末の行事なし、こう毎週末に記載していますといざ行事再開の際に自由に見学可能の行事のみ掲載するか当日見学不能の行事も金曜日に記載するかを迷う。2022年の課題だ。

 自衛隊関連行事は今週末も実施されません。自衛隊行事が実施されない以上、しかし防衛というものはリアリスティックに継続しているのですから、他国の事ではなく我が国の事ですし、防衛への関心を繋ぐ何かを撮影し、安保政策や防衛予算や外交関係との関心への呼び水とせねばなりません。こういったなかで行事は無い中で、何を撮影して何を見るか。

 海上自衛隊創設70周年。2022年は1952年に海上警備隊が創設されて70周年となります。例年であれば自衛隊観艦式が挙行される年度ですが、2020年航空観閲式と2021年中央観閲式が行われるも、入間基地所在部隊のみ、朝霞駐屯地駐屯部隊のみの参加という、過去に例が無い程の相次いで縮小実施となり、共に行事らしい行事は執り行われませんでした。

 舞鶴地方隊は舞鶴展示訓練再開について、自衛隊を国民に見てもらう機会が減った為に敢えて実施する、と報道発表しました。一方、西部方面隊も昨年10月挙行予定の西部方面隊記念行事を大幅に規模は縮小するものの招待者のみの行事として細々とおこなうもよう。ただ、行事を見学するにはそれこそ2020年の空挺降下訓練始めとは比較できない制約が。

 コロナとの時代は三年目に入りました。自衛隊行事も、幾つかは実施されましたが一般公開されている行事というものは約一年前の第1空挺団降下訓練始めが最後となりまして、実際には舞鶴防災フェスタが事実上の一般公開でしたし、奈良防衛フェスタなど探せば一般公開行事は薄く広く行われているのですが、日常復帰というものはまだ遠い話といえる。

 艦艇出入港、日常から撮影できるものとなりますと、横須賀基地や佐世保基地や呉基地に舞鶴基地と大湊基地へ入港する護衛艦を基地近くの公園から撮影するという選択肢はあります、観音崎灯台や舞鶴親海公園にかるが浜といった基地近くの公園から撮影する、というものでも迫力のある情景というものを仕上げる事が出来ます。撮影位置探しも面白い。

 岐阜基地や小松基地に小牧基地と云った戦闘機部隊や輸送機部隊の基地というものも、これも定番と云えば定番なのですが手堅い航空機の情景を撮影できます、撮影幅は広い。また、中の人に聞きますと昔からいるよ、とのことですが演習場の周りで自衛隊車輛を撮影する方もいるとのことで、この当たり線引きをどのように考えるかは難しいところですが。

 行事再開までまだ時間は要する状況で、昨今の沖縄県の感染拡大状況は第六波の到来と云わざるを得ない状況で、撮れるものを撮影する、という視点が必要でしょう。撮影できるものならば何でも、と思われるところではありますが、しかし同時にこれは好奇心と防衛というものも相容れないものがありまして、なんでも撮影すれば良いというものでもない。

 イギリスでは軍用機撮影は立派な趣味として認知されているものである、とはイギリス人観光客が海外旅行先の撮影禁止地域で軍用機を撮影し拘束された際に自国民保護へ駆け付けたイギリス領事館員が現地の官憲へ発した言なのですが、一方で艦艇入港や航空機発着、陸上部隊の演習移動等は部隊としても当然情報保全を要するものでもあるのですから、ね。

 Webへの個人の掲載が考え過ぎ、と指摘される方もいるかもしれませんが、部隊が公式SNSにおいて開示した情報を元に当日掲載するか、数日日にちを空けて掲載する、という配慮も必要なのかもしれません。ただ、手探りながらも考えてみますと撮影できるものは意外に多いものです。さて2022年最初の行事紹介も“特になし”ですが機会を、探しましょう。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事なし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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新年防衛論集二〇二二,防衛産業-国の努力なければ企業は撤退と決して安価でない海外装備

2022-01-06 20:03:02 | 北大路機関特別企画
■防衛産業は防衛力一要素
 防衛産業は防衛力一要素である、この認識が必要でしょう。しかしその現実を防衛産業が撤退した後で痛感しても意味はないのですが、既に危機的状況がある。

 防衛産業と防衛装備品について、調達の効率化は必要だとは考えるのですが、慣行という負の遺産を払拭できない限り、非効率を押し通すほかないように思います、なぜならば防衛産業をつなぎ止めるには、一社生産できる装備、被服や事務用品など、こうしたものをのぞけば防衛用専従生産となっているものがおおく、経営判断として撤退されるためです。

 1990年代から、効率生産という単語が湾岸戦争を機に日本の防衛装備品が割高であるとの指摘がなされ、これも満載排水量と基準排水量の混同、ユニットコストとフライアブルコストの単純比較、価格比較年次の十年単位でのズレなど、首肯しがたい側面はありましたが、日本製装備は割高という指摘がほぼ例外なく指摘されてきました。それで本が売れた。

 効率生産は、たとえば戦車の中期防、装甲車の中期防、支援車両の中期防と、わけて一括生産するなど工夫がなければ割高のまま、という視点が挙げられます。ただ、これは防衛装備品は戦闘機であれば900社の、戦車では1200社の様々な部品の集合体であり、なかには毎年の受注がなければ廃業撤退という装備品もまた存在するのですね。繋ぎとめるには。

 代替品は海外をみればある、イギリスのチャレンジャー2戦車もドイツの協力を受けて国内産業が廃業した後も新砲塔搭載などの近代化改修を実施していますので、日本国内で産業がなくなったとしても、同等のものを調達することは不可能ではありません、ただ、此処に海外装備は安価という常識が通じるかといえば、実際には真逆という実情も実はある。

 合弁企業方式で、たとえば現地に重工業の企業と海外装備製造企業が合弁企業を設置し、最終組立から定期整備までを現地の協力とともに行う施策は存在します、こちらは合弁企業ですのでライセンス生産のようなライセンス費用なども発生せず現地に雇用も生まれまして、じつのところ2010年代からの新しい防衛産業の取り組みといえるものができました。

 この方式を用いれば日本でも海外装備を稼働率と費用を両立させる選択肢となりうるようにも見えるのですが、しかし、オーストラリアのEC-665戦闘ヘリコプターやNH-90多用途ヘリコプターのように稼働率が異常に低い結果とも成りうる、運用国近くに整備拠点があればよいのですが、すると日本は韓国製と台湾製の装備しか選択肢がなくなるのですね。

 防衛装備は結果的に必要な数にたいして予算上取得できる装備が少なく、結果的に長期間生産となります。90式戦車も900両の戦車定数に対して年産は20両程度でしたので、現実的には不可能な調達を行っていました、当然予定数を遙かに下回る三割強の調達に留まり、しかも装甲車や火砲にヘリコプター、無計画な調達は非常に広い分野に及んでいます。

 少量でも確実に生産しなければ、非効率を度外視できる国営防衛産業公社でも創設しない限り防衛産業は撤退、つなぎ止める根拠はありません、愛国心を求めても株式会社であれば愛国心は株主の国籍によるのですから、すると非効率でも半世紀以上の慣行を、やめましたので信用してほしい、この一言で済ませられない慣行と変更の積み重ねがあるのです。

 輸出に活路を、こう反論することは簡単ですが、国にその覚悟はあるのか。たとえば日本の隣国韓国では防衛装備品の輸出が活発です、それは輸出に際して教育支援や相手国での運用基盤構築を企業のみ成らず国軍が全面協力しているためで、日本に例えば地対空ミサイルや航空機輸出の際、運用支援のために自衛隊を海外派遣する勇気はあるのか、と問う。

 戦闘機輸出で先日イタリアが中東へユーロファイター戦闘機を輸出しましたが、この際にイタリアは空軍部隊を輸出先の国へ年単位で常駐させ、また戦闘機以外に防衛協力、地対空ミサイル部隊の派遣などをおこない関係を強化した上で、二国間防衛協力の延長として戦闘機を自国防衛産業の支援と併せて輸出しています、輸出は売るだけではありません。

 防衛装備品は、有事の際に供給が止まってしまっては困ります、日本が中立的な政策を採っていたとしても有事の際に供給が止まるようなことがあっては成らないとして、自衛隊の装備は多くの場合輸入するにはアメリカ製であったことは、アメリカが同盟国であるため。このほかにスイス製機関砲や欧州製火砲を採用したのも協力が見込めるゆえ、でした。

 輸出に活路を見いだすには、輸出先の国とステイクホルダーとなる、リスクを共有する覚悟が求められる。もちろん、こうした施策を来年度から急に、というには無理があります、派遣させる部隊や法的枠組みがない、しかも輸出はいきなり突きつけても相手が買わなければ成立しない、だからこそ最初は負担の方が大きくなる、その覚悟はあるのか、とも思うのですね。

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新年防衛論集二〇二二,国際協力-本土防衛やシーレーン防衛とともにもう一つ考えるべき命題

2022-01-05 20:22:11 | 北大路機関特別企画
■これからの国際協力の在り方
 新年防衛論集、本日は国際協力という日本が南スーダン撤収以降一時中断している視点について考えてみましょう。

 日本の防衛、本土防衛やシーレーン防衛とともにもう一つ考えなければならない命題は、外交安全保障の視点から世界政治との連接を今後どのように展開してゆくのかという、日本が世界第二位の経済大国と経済成長により一国の経済力だけで一つの生存権を構成することが過去の命題となった現代において認識すべき視点です。今後にも国際協力は重要だ。

 国際協力、これはもちろん外務省が主体となり開発支援などを行う側面も大きいのですが、ODA対外援助は日本経済の限界からこれ以上増大させることは難しく、また円借款についても焦げ付きの可能性を考えれば、中国のように焦げ付いた借款を港湾管理権などで適合化させる施策も日本としては行うべきではありません、これを踏まえ、そこでの選択肢へ。

 海外派遣。もちろんこれを全ての解決に示すつもりはありませんが、日本のポテンシャルを世界に示すには、訓練などを通じての防衛協力、国際平和維持活動後方支援任務への派遣、海上自衛隊による護衛艦親善訪問を通じたプレゼンスオペレーション、人道支援物資の自衛隊輸送機による供与、こうした施策は民間には無理で自衛隊にしか実現できません。

 輸送機の機数維持と輸送艦の増勢、必要な施策はこの二つです。輸送機については、我が国もCOVID-19に際してアストラゼネカ社製ワクチンなどを世界へ供与していますが、全日空の787で空輸するよりも中国がY-20輸送機にて実施したようなポテンシャル、対外的なインパクトを発揮するにはC-2輸送機やKC-767空中給油輸送機を派遣するほうが適う。

 C-2輸送機はC-1輸送機に対して輸送力が増大していることから1:1で置き換えられていません、これは一個航空隊の定数を輸送力で上回りつつも即応機や同時展開能力という点でC-1の圏内と比較するならば下回ることとなります。一方で民間機と比較するならば紛れもなくショウザフラッグそのものの塗装となっており、機体性能からも運用上の問題もない。

 PKO国連平和維持活動については、一方で矛盾するようですが一線を引く必要があると思う、少なくとも現段階では存在しています。日本が最初に参加したPKOはUNTACカンボジア国連平和維持活動、UNTACでは国家再建という従来の停戦監視にくわえた停戦維持ではなく、停戦監視とともに国家再建という、人道支援任務の色彩を強くもつ施策でした。

 カンボジアの経験から日本ではPKOといえば人道支援、という印象を持たれる方も多いようですが実は違います。最初のPKO任務である1948年スエズ危機での派遣は、英仏のスエズ運河軍事介入に際してソ連が核攻撃を示唆し、国連軍を所管する安全保障理事会の機能付随と核戦争危機を目の前に、停戦監視として国連総会が暫定派遣したのが始まりです。

 人道支援とは、コンゴ内戦にてカタンガ傭兵団と国連軍戦闘機部隊の空中戦という第二世代PKOを考えれば人道支援に戦闘機の違和感を感じられるでしょうし、UNOSOM2国連ソマリア任務ではPKO機械化部隊が戦車を先頭に米軍を救出に出動しました。長いPKOの歴史では第三世代型の人道支援型PKOは寧ろ例外的であった事に気づかされるでしょう。

 平和執行、2006年南レバノンPKOでは国連の白いルクレルク戦車がイスラエル機械化部隊を戦車砲で威圧し、安定を回復した、いや回復を強制しましたが、現在のPKOは安全保障理事会の強制力ある決議とともに派遣される、平和維持というよりは平和執行の要素を強く含むもので必ずしも紛争に中立ではない、国連安全保障理事会の意志が優先するもの。

 南スーダンPKOでは戦闘地域に囲まれつつあった自衛隊PKO部隊が撤退に追い込まれる緊迫した状況がありましたが、カンボジアPKOの国連総会が困った国の再建を助ける要素よりも安保理主体のものに転換しています。ならばと89式装甲戦闘車を量産し白く塗ってUNと記す選択肢もありますが、現行法では国連に関与するにはPKOは難しいともいえる。

 しかし、国連との関係は、なにしろ次の安保理改革に際しては日独を含める選択肢は必然という、分担金の視点もありますので、PKOから完全撤退するという選択肢もやはりやや行き過ぎの印象は否めません。その妥協策でPKO部隊の輸送支援、アフガニスタンへ派遣されるタイ工兵隊を自衛隊輸送艦が輸送支援したのは2002年です、この方式も選択肢です。

 国際協力と国際貢献にも事業評価というものが厳密に求められる、実際のところ上記視点の背景にはこうした、無際限な経済支援を行えない現実があるからこその選択肢、このために輸送機と輸送艦は必要という、こうした認識に依拠しているのですね。打算的といわれるかもしれませんが、国際公序の理念は尊重した上での施策には間違いないのですね。

 安全保障を考えるならば、安全保障を防衛という狭い視点に収斂させますと、いや本土防衛が優先だ、と視野狭窄に陥るものですが、例えば国際の平和と安全に資するとして国連との関係と国連における役割を強化することは、日本有事に際して素早い対応を構成する基盤を構築することにほか成りませんし、もう一つ有事の際に敵に回る国をも減らせます。

 輸送機と輸送艦は戦闘機ほど猛々しい装備ではありませんが、有事の際には必須の装備であり、輸送機はアメリカのようにミサイル母機に転用できますし、輸送艦はオーガニック方式での機雷戦母艦、場合によっては戦力投射艦としてF-35B戦闘機の母艦としても転用できます、そして日本の造船業を考えれば比較的安価に揃えられる装備でもあるでしょう。

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