紹介レポです。
先日、マヨさんから借りた「ネル本」こと「ネルシーニョ すべては勝利のために」を読破しました。その部分部分で印象に残った内容をピックアップして紹介したいと思います。興味がある方はぜひ購入下さい。
小見ダイレクターとネル監督は東京ヴェルディの黄金時代に、強化部と監督の関係にあり、Jリーグ制覇を果たした盟友。就任初日の選手を前にした第一声は「良い練習をして、良い結果を残そう、自信を取り戻そう」。考えの根幹は「相手の長所を消し、ニュートラルな状態にもっていき、弱点を突いて自らの長所を生かす」です。
困った時に立ち返るチームのスタンダード
①各々が託された役割を果たすこと
②その役割のために全員がハードワークすること
③そして、自分達の長所を出していくこと
若手育成にも定評のある指導者。その代表的な選手が、名古屋時代の本田圭祐選手。「若手選手は試合に継続して使うことによって、急激に能力が伸びることがある」という持論で今まで多くの選手を育てて来られました。細かく多くのアドバイスを与え、柏時代では茨田、大津、TJ、酒井など。後の2人の共通点は本職ではないポジションを経験して新たに吸収できた点です。大谷や栗澤などの中堅選手も同様。
監督とフロントの風通しの良さも挙げられます。監督からの突然の無理っぽい要望も全力で実現してきたフロントの存在があり、その点が柏時代と名古屋時代の実績の違いに表れているのかもしれません。そして、「勝者の振る舞い」。
勝利する → 自信がつく → 負ける → 二度と同じ失敗をしないように準備する → 勝利する → 課題を乗り越えられたという自信がつく・・・
こういう好循環で、負けたらどうしようと後ろ向きに考えるのではなく、勝つ事だけを考える振る舞いを植え付けており、優勝経験のない若いチームでも「優勝のプレッシャーよりも、レギュラー争いのプレッシャーの方が強い」と言わしめ、優勝しちゃいました。
すべての守備は攻撃の第一歩のためにあり、何度も選手達に提示されたフレーズ。
勝利のため → ゴールのため → 攻撃のため → 守備のため
「全員がグラウンド内で走るべき。全員に整理された役割があり、果たされるべき。個性はチームが生かすべき」という持論のもとに、黄色い選手達を導いてきました。気になるのが、うまくいかなかった時の第2の対応策「Bタイプ」の存在。徹底分析され、ニーヤンのマークがきつくなったために、勝ちにくくなった今シーズンこそ、まさに「Bタイプ」の出現が問われているはず。実際にこの前の札幌戦では、ポジションチェンジでニーヤンを真ん中に置く「Bタイプ」が現れましたね。
最後に筆者は「今の関係が続けば、長期政権が実現するかもしれない」と締めくくっています。柏にかかわっている人全員がそう望んでいると思います。他のJクラブには当分移籍しないでしょうが、ポストザックが少々心配。来週はまたACLがあります。相手は再び中国です。黄色ジャパン頑張って欲しいです。
これらは、ネル本に書かれてあったほんの一部の内容の抜粋です。まだまだ濃い内容で、とても読み応えがありました。Jの監督、Jを目指す監督さんはぜひ読まれたらいかがでしょうか。素人の当方が読んでも、社会人生活で大切な事をいろいろと再確認させていただきました。
個人的に思ったのは、「監視」と「観察」の違い。後ろ指を指されるリーダーは「監視をして安心する」。立派なリーダーは「観察をした後にしっかりコミュニケーションを取る」。前者はイエスマン以外とのコミュニケーションの取り方がわからない。だから周りにイエスマンしか置かず、保身に走るのかなと。あっ、これはあくまで一般論ですので。こういうテーマは、語る会(みんなよく知っているね)で盛り上がるかもしれませんが。