クラブライセンス制度の導入の影響もあるのか、各クラブの経営の動きが出ています。まずは現在首位のJ1仙台。昨日、某黄色いチームが競り負けましたが、とにかく強い。去年の柏に似てきました。対戦相手ではありましたが、もし仙台が優勝してもJリーグは盛り上がると思いました。
以前の記事でも紹介しましたが、J1仙台は経営面で情報公開が進み、役員構成もいい感じでできているなと思います。前回の株主総会で、常務取締役と3人の取締役が交代しています。その常務となった佐藤氏は仙台市水道事業管理者、市スポーツ振興事業団理事長を経て、クラブの常勤監査役を務めておられました。役員構成を観る限り、「公共財」にふさわしいと思います。
公式HP「会社概要ページ」で役員名簿を観ると、役員数は23名。取締役には県の副知事、市の副市長の名前があります地元マスコミが6社。大手スポンサーの他に県サッカー協会会長が就かれています。監査役3人のうちの2人は地元銀行です。
ちなみに、「主な出資企業」も公開されています。宮城県 (24.9%) と仙台市 (23.5%)、大手スポンサーの他に地元マスコミや銀行も出資されていますね。J1仙台は経営的にどうなのかという声を昔聞きましたが、現在はJ1優勝を狙うチームに成長されました。当ブログの「Jクラブの付加価値」も高く、地方クラブとしてお手本となるべき存在になりました。親企業のない企業チームより、「公共財」として地域に愛されているのではないかと個人的に思います。
ベガルタ仙台公式HP:http://www.vegalta.co.jp/
J1仙台関連⑭:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111230
〃 ⑬:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111228
〃 ⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111226
〃 ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100910
〃 ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090907
〃 ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090201
〃 ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090127
〃 ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20080929
〃 ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070708
〃 ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070401
〃 ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070308
〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070202
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20061016
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060219
J2富山でも公式HP発表で、今年の株主総会で、役員の入れ替えがありました。13人の役員のうち、4人が入れ替わりました。前代表取締役会長の㈱インテックの中尾会長がクラブ名誉会長に就任されます。代表取締役会長には、北陸経済連合会の永原会長が就任。
こちらのクラブも地域リーグ時代から、キチンと情報公開されています。クラブ公式HP「会社概要」によると、13人の役員のうち、大手スポンサーの他に、地元マスコミ、地元銀行、県サッカー協会、公共性企業がキチンと入っています。富山さんは経営的に安定していると思うので、「経営的に苦労してきたクラブの方が情報公開度が高く、役員も広く多い」という理屈は当てはまらないと思います。
こういう役職に地元経済界の重鎮が就くというのは、当ブログで「生え抜き役員体制からの近代化成功例」として、よく紹介する「栃木型」と同じ形だと思います。やはり、地元経済界に経営権をいくらか渡し、「チェック機能」を強化するのが、これからのクラブライセンス時代に適応したスタイルではないかと個人的に思います。
補足ですが、J2甲府は、公式HP発表で新しい役員名簿(15名)を発表されています。新しい社長さんは、地元マスコミ系の方のようですね。11期連続で単年度黒字を確保。まだ累積赤字がありますが、順調に減っているそうです。平均観客動員数は東日本大震災等の影響で前年より300人減の12,106人だったとか。そして、選手らによるイベント参加やサッカー教室等が前年比63回増の485回に上ったそうです。これを観ても、チームのイメージアップ、公共財としての地域貢献に「選手」が主役であった事がよくわかります。選手を全く出したがらないところがあれば、いつまでも公共財にはなれないのかもしれません。
上のクラブの事例を見ると、山雅さんでもありませんが、外部の血を入れて適度に入れ替え、いい血の循環を図る事に、つい注目してしまいますね。
読者の皆さんが応援している地元クラブはいかがでしょうか? 経営情報(役員、出資企業等)に関する情報公開はどんな感じですか? こういう部分は、スポーツクラブに限らず、普通のビジネスでも大事な事だと思います。お得意先の企業情報をネットで調べて、情報公開度で評価する事はよくある事でしょう。このシリーズはもう少し続けてみますかね。(密かに反響があるので)
さて今日、ファジアーノのアウェー千葉戦がフクアリでありました。残念ながらスコアレスドローでしたが、頑張りました。その模様は明日。今日のJ2試合では、まず岐阜さんが今季初勝利で、あの山ちゃんこと山崎選手が先発で勝利に貢献したそうです。山ちゃん岐阜に行って良かったのかもしれません。また、熊本対松本戦で黄色い蔵川選手が先発しましたが、見事プロヴィンチャ松本が勝ちました。