サカダイの「地方クラブ奮戦記 Jリーグにおける“プロヴィンチャ”の存在意義」特集最後は、「九州サッカー事情 九州Jクラブの紆余曲折と未来」です。高校サッカーの名門校をいくつも擁し、多くの逸材を送り込んでおり、九州には現在5つのJクラブがあるが、紆余曲折があり、今後進むべき道のキーワードは「地域密着」としています。以下、抜粋して紹介。
現在、九州・沖縄地方には現在8県中5県にJクラブがあり、残る長崎、鹿児島、沖縄にもJを目指しているクラブがあります。どのクラブも問題を多く抱えているが、その熱は着実に地域住民に伝播しているとしています。
まずはJ2福岡。九州初のJクラブですが、他県から誘致して誕生しました。経営母体を持たない市民クラブで、'02年にJ2に降格してからは11年のうち9年をJ2で、地域密着も進んでいないともあり、下から上に昇格を重ねて行ったクラブと違って、「産みの苦しみを知らない甘さ」を指摘される事もあるとしています。最近は様々なシーンで市民レベルの活動へとつながり始め、新たな時代へと足を踏み入れようとしているとあります。
J2鳥栖が一番様々な事情に翻弄されているとしています。九州初で唯一のJクラブになるはずが、隣の福岡に誕生し、予定が狂ってしまう。'94年に他県のチームを誘致したが、'96年にメインスポンサーの撤退とともに一度解散になりそうになったが、存続運動で生まれ変わる。'05年に新会社へ経営権譲渡とともに運営面で蘇生し、'12年に見事J1昇格。小さな砂粒が集まり、固まってできる砂岩をもじったクラブ名だそうです。
違うページにも鳥栖の特集がありました。鳥栖市の人口は7万人。J1にあがったクラブなのに、未だ専用練習場を持っていない。少ない予算でのやりくりとこの成果は多くの地域クラブの一つの指標となるはずであり、J1で1年間戦った事で、地域にどのような事が起き、還元されるのかが問われてくるとしています。
J2大分の事例も載っていましたが、すでに皆さんがよく知っている内容なので省略。「負の出来事」が支える大分の人々の意識を変え、今度は本当の意味での地域密着型クラブとして再出発を期待でき、その想いが今の大分の原動力になっているとあります。
九州のJクラブには2タイプあり、ブームで誕生したところ、過去の歴史から学んで地域密着をベースにボトムアップとともにクラブを作り上げていったところになると。後者はJ2熊本とJ2北九州です。
まずはJ2熊本。'04年に「熊本にJリーグチームを」県民推進運動本部が発足。自治体、県民、地元メディアが力を結集してJ昇格を遂げ、「子ども達に夢を」という(どこかで聞いた)フレーズだけでなく、「県民に力を」「熊本に活力を」というスローガンを掲げ、地域に根ざしたクラブとして、地域に生活する人々とともに発展を続け、現在は「ロアッソ熊本をJ1へ 愛募金」に見られるように、本気でJ1昇格を目指しておられます。
J2北九州は、「徹底した身の丈の経営」を信条に、今まで背伸びをせずに一歩ずつ歩む慎重に今まで歩んで来られました。世界的な企業がスポンサーにあり、'16年に新スタジアムを建設する計画があり、環境的には大きな潜在力があるとしています。
今後の九州のクラブについて記事では、Jクラブは地域のシンボルであり、地域の活力源、地域の価値観でなければならず、地域と融合して発展すべきと締めくくっておられます。「地域密着」がJクラブがこれから歩むべく道という結論がついて終わっています。
個人的な感想としては、九州のどのチームもよっぽど地域密着しているよなぁと思いました。福岡さんも最近、選手による地域貢献活動がよく目につきます。鳥栖さんはJ1で現在5位!もちろん選手による地域貢献できています。大分さんはそれに加えて、地域の後援会組織づくりが進んでいます。熊本さんも北九さんも、選手による地域貢献活動で全然頑張っていると思います。「地域密着」には「主役」である「選手」は不可欠だと思います。
この記事を読みながらも、こういう特集で取り上げられている事について、とてもうらやましかったです。一時はこういう記事では必ずといっていいほど、岡山が紹介されていたのに、なんで岡山のおの字もないのかと首をかしげながら読んでいました。ホント、今度編集部の人に聞いてみたいなぁ。いつか、「地域密着とともにJ1昇格に突き進む」というキャッチフレーズで登場する岡山が観てみたいものですね。
今日、ファジのホーム・鳥取戦に行ってきました。その模様は明日。