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ヴァンフォーレ甲府のように12

2013-06-09 00:02:44 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)
 事例紹介レポです。
 以前の記事で、甲府さんを再生させた海野会長の事を紹介した事があります。真壁社長や塚野社長ほど馴染みがないので、「Jリーグで尊敬する社長さん」までには行かないのですが、とても興味がある人物で、もっと知りたい気持ちが強い方です。そんな海野会長について、スポナビに「靴の底が減り、スタジアム広告が増える 存続危機から奇跡の再建というタイトルの記事が出たので、抜粋して紹介します。
          
 「売れるスペースはすべて売る」として、存続危機からクラブを立て直したJ1甲府の海野会長。山梨中銀スタジアムにはの地元クラブを支えるスポンサーの看板や横断幕がぎっしりと連なっている。ゴール裏には計39枚の看板が4列に並んでいる。「まあ、あの看板がウチの一番の自慢」と海野会長のコメント。
 両ベンチの囲いの上、脇、背後、4カ所の砂場を覆うシートの上、選手が入場してくる蛇腹(じゃばら)式トンネル、ボールボーイのイスの背中など、広告として売れるスペースはすべて販売。担架の広告は現在多くのクラブが採用しているが、最初はJ2甲府であり、試合前にはボールボーイが広告面を客席に向けて一周する儀式があるとか。

 クラブが存続の危機だった'00年度、広告料収入は2,600万円を割り込む状態。海野会長が'01年度に「再建役」社長として就任後は、'07年度に約7億7,800万円を達成。'11年度も約6億3,500万円の実績。小口のスポンサーも多いが、その数は650超。「収入を増やして支出を減らす」という企業再建のセオリーがあるが、クラブ経営はほとんどが固定費で、減らせるものは余りないために、コツコツと広告料を積み上げていくしかなかったとか。
 その広告料獲得のために海野会長は売れるスペースを探しながらアイデアを生み出す。ユニホームと練習着のスポンサーはどのクラブでもやっているが、J2甲府ではその先をいき、アウエーの試合用の練習着に別のスポンサーを設置し、10社と契約。
 選手が地域貢献活動用に「地域交流ウェア」を着用しており、そこに別の3社とスポンサー契約。マスコット「ヴァンくん」にもま甲斐犬を飼っている経営者を口説いて契約したとか。

 海野社長は商魂だけでなく、そこに遊び心が挟まっているとしています。多くの看板の設営用に、海野会長の弟が支配人をしているゴルフ場から使い古しのカートを譲り受け、設営に使用。そのカートの他の使い道として、カートの上に看板をつけ、試合前やハーフタイムにマスコットがカートに乗って場内を回るアイディアをいう企画を生み出し、カートの看板部分に「広告募集中」と掲示して、試合中にピッチの脇に置くと、後半戦からの契約が決まったとか。

 この記事では、海野会長の経歴を細かくたどってみると、その底知れぬ営業力・発想力のルーツがあるとしています。学生時代に「足を使って見聞を広める」ために、欧州各国を訪問。その後、山梨日々新聞で新聞記者としての経験を深めた結果、大物政治家や山梨出身の財界人と顔がつながり、「特ダネ記者」として活躍。編集局長から山梨放送の取締役、広告代理店のアドブレーン社常務を務めて、放送・広告業にも携わったことで人脈が一気に広がり、J1甲府の社長就任後に大きな武器になったとか。

 ゴルフ仲間でもある経営者が「山巓会」という海野会長を支援するグループを設立。現在は有力スポンサーとなっているとか。もちろん、これだけ支援者が増えたのは、クラブが地域貢献活動を盛んに行っているからとしています。小学校で巡回スポーツ教室だけでなく、食育活動を行い、選手達の小学校や病院の訪問を実施。海野は地元企業の経営者に「地域貢献に協力して欲しい。ほんのわずかでもいい」と説得され、「地域のため、子どもたちのため」が、いわば殺し文句になっているとか。
 '11年度決算では、約14億6,600万円の総収入のうち、広告料収入が約43%。存続が危ぶまれていたJ1甲府が'01年から12年連続で黒字を計上できているのはスポンサーに負う部分が大きいとしています。

 メーンスポンサーである食品メーカーのはくばくの工場が火災に遭うと、サポーターが「ヴァンフォーレを救ってくれた会社のために、今度は俺たちが力になる番だ」と、はくばくの商品の購入運動を実行。企業はクラブの地域貢献活動を評価し、その存在の大切さを理解しているから支援する。協賛によって単に企業名が露出し、ブランド力が上がるだけでなく、その企業への親しみもわいているのかもしれないとあります。
 企業の目をクラブに向かせているのは、海野会長らの足で稼ぐ営業活動であり、所属する部署に関係なく、全員営業がモットー。海野会長は営業に出ない社員のイスを蹴飛ばし、「ここにいて稼げるのか」と詰問。いいですねー

 1口6万円で企業名が入るうちわを1口あたり300本作って配る「うちわスポンサー」がスタートしているが、契約は年々増え、昨年は600社以上の実績。事務所の壁には、パートも含めた全社員が昨年、契約した企業名を書き込んだ紙を掲示。契約が更新されると丸印がつき、誰が何社、集めたかが一目瞭然。「もっと契約を増やせ」というサインらしい余白部分もちゃんと設けてあるとか。最も多くの契約を集めるのが海野会長、次が輿水社長。率先垂範がこのクラブの特長としています。
 J1甲府は大きな親企業もなく、人口の多い大都市にある訳でもない。少額でもいいから稼ぎ出すためのアイデアを次々と出し、足を使って支援者を増やしていくしかない。毎年、翌シーズンの営業活動が始まる12月になると、全スタッフにクラブから「靴の底が減るだろう」といういたわりと、「靴の底を減らしなさい」という強烈なメッセージ付きの靴が進呈されるとか。

 以上がスポナビのコラムの抜粋でしたが、いいですねー まずは地域貢献活動用の「地域交流ウェア」スポンサー。選手による地域貢献活動がほとんどできていないクラブには存在しない話。どれだけ地域の宝になっているかの目印だと思います。確か、シャルムにはありましたね。
 これだけスポンサーが増えたのは、クラブが地域貢献活動を盛んに行っているから。巡回スポーツ教室だけでなく、食育活動を行い、選手達の小学校や病院の訪問を実施。根本的に違いますね。企業はクラブの地域貢献活動を評価し、その存在の大切さを理解しているから支援する。
 よく「売上アップが先か、イメージアップが先か」という話が、語る会等でよく出ますが、甲府さんの事例を見るとイメージアップに伴って、売上がアップしていった事がよくわかりますね。選手をどこまで地域貢献活動に出せるか、そこがJリーグクラブの「品格」なのかもしれないと、甲府さんの活動を知ると個人的に思いました。読者の皆さんの地元クラブはいかがでしょうか?

 とても公共財を扱う管理人(管理会社)というよりは、どこかの営業所そのままですね。地域みんなのモノである「チーム」という大事な公共財の管理人である「クラブ」にあって、好ましくない内容であれば「管理人交代」という声も出るところでしょうが、甲府さんに関しては海野会長がおられる限り心配ないですね。立派な管理人さんだと思います。
 ちなみに、甲府市の人口は約8万9千人(岡山市:約71万人)、山梨県は約85万人(岡山県:約193万人)、そういう規模のまちに、年間予算14億円を集めるJ1クラブがあります。まさにプロヴィンチャ。地方クラブも甲府さんをお手本すべきですね。
スポナビ該当コラム①:http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/soccer/jleague/2013/columndtl/201306060001-spnavi?page=1
  〃         ②:http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/soccer/jleague/2013/columndtl/201306060001-spnavi?page=2
J1甲府関連⑬:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130530
 〃      ⑬:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130510
 〃      ⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130406
 〃      ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120713
 〃      ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120422
 〃      ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090129
 〃      ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090126
 〃      ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090125
 〃      ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070630
 〃      ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070328
 〃      ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070113
 〃      ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20061122
 〃      ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060830
 〃      ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060819
コメント (2)
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