事例紹介コラムです。
9日の「FOOT×BRAIN」で「アギーレとは一体どんな監督なのか? 日本代表の方向性は?」というテーマで、アギーレ新監督の特集がありました。番組の中で都並氏は「日本人特有のメンタリティを理解している監督でないと、選手は監督の言う事を気にして動けなくなるという、対日本人の特徴や性格が理解できるかという根底部分がある。それを踏まえて原技術委員長が選任したのか」とし、オシム元監督は「彼は守備のスペシャリスト」とアギーレ監督を評しています。なかなか面白かったので、録画を観ながら整理して抜粋して紹介します。
【日本協会で7月24日に発表されやW杯の敗因】
①主力選手のケガ
②試合感不足
③直前キャンプでの調整失敗
④強豪国に対する戦い方の乏しさ
【日本人初のメキシコリーガー 百瀬俊介氏「アギーレ監督の特徴」】
①守備重視のメキシコサッカー
堅守速攻、中盤でボールを奪い、素早いカウンターを仕掛ける。ショートカウンターが得意で、1トップにゆだねる時もある。ザッケローニのスタイルは、DFラインを高く保ち、ボール保持から得点を狙う。ザッケローニの攻撃的スタイルは継承しつつ、状況に応じて守備的に変動する戦術変更。
②多彩なフォーメーション
アギーレ監督の主なフォーメーション(7種類)は「7色のフォーメーション」とも言われる。。
4-2-3-1、4-1ー4-1、4-3-2-1、4-4-2、3-4-3、3-5-2、3-6-1
メキシコ代表では4-4-2、リーガエスパニョーラでは4-2-3-1や4-3-3を駆使し、持ち手の選手や相手の特徴で状況に応じて戦術を使い分ける。その際に重要なのが選手選考。2010年南アフリカW杯では、バルサに所属していたドス・サントス(バルサ'09-10:3試合0得点)を開幕直前に突如メンバー外に。コンスタントに試合に出ている選手を好み、試合感を重視したのが選考理由。
「試合に出場していない選手は選ばない」
国内含めて試合に出ていて、結果を出している選手。
「マルチプレーヤーよりスペシャリストを好む」
アギーレは選手にとにかく、献身的なプレーを求める。シンプルだが、DFにはハードで当たり負けしない事を求めるし、中盤の選手にはボールを素早くさばく事、FWにはもちろんゴールを求める。サイドバックには高い位置までのオーバーラップを要求して、何より失点する事を嫌う。
③試合中の勇気
自分で突っ込んでいける選手は好み。求めているのは恐怖心に打ち勝つ選手。エスパニョール就任時に「まずは働け」と選手には言葉をかけたとか。常に100%を求めていて、80%では許されない。技術におごらず、全力を尽くす選手は間違いなく起用される。
「技術」「勇気」「メンタル」のバランスの中で、「メンタル」は重要なキーワード。インテンシティ(強烈さ、激しさ)とメンタルストレングス(精神力の強さ)がアギーレサッカーの肝。
【アギーレ監督の性格】
一言で表すと「とにかくラテン系」。選手を怒鳴りつける事もいとわず、とても気性が荒い。メンタリティもカルチャーも違う日本人選手とどう付き合っていくか。強烈な言葉やオーバーアクションは、プロ意識の植え付け、勝つ事への意識を高めるために協調性を相手に伝えるパフォーマンスではないか。香川選手の戦術変更時の意識の偏る欠点などがあるが、どうメンタルを保ちながら指導していくか注目。
スタッフに、フィジカルコーチ、GKコーチ、コーチに加えてメンタルトレーナーを入れている。日本では個人で付ける場合はあるが、チームに常駐するケースはほとんど無いが、メキシコでは専門職として常駐させ、「ケガ担当」「出場停止担当」「試合前担当」など、選手の様々な状況に対応できるように複数常駐させている。
メンタルトレーナーの利点としては、自分だけで解決できない事、監督へ直接言えない事などをサポートしてくれる。まずは身の丈を知って、自分がどこまで目指さなければならないのか目標設定ができる。
【SOCIAL BRAINで調査した、新たに代表入りが期待できる選手】
第3位: 斎藤(横浜FM)、宮市(アーセナル)、久保(ヤングボーイズ)、南野(C大阪)
第2位: 宇佐美(G大阪)
第1位: 柴崎(鹿島)
その他: 植田(鹿島)、米本(F東京)
という感じで、アギーレ新監督の特徴が徐々にわかってきました。たぶんあさって夜のスポーツニュースでは、アギーレ監督が視察にどこそこのスタジアムにやってきたというニュースが話題になると思います。各Jクラブでは、ブラジルW杯の惨敗で営業的な落ち込みの挽回で、アギーレ監督に「視察に来て」とラブコールがあったそうですが、まずどこにどの選手を観に行くかが気になりますね。