事例紹介コラムです。
ついに、新生アギーレジャパンがベールを脱ぎ、日本代表選手が発表されました。これからの4年、ロシアW杯までの長い道がスタートしました。まだ、アギーレさんも来日したばかりで、他のコーチ陣に意見を聞きながら決めた人選、今までの代表監督のように、徐々に顔ぶれを替えて行く事になりますが、まずは最初の23人です。大型化、若年化も進められて、平均身長は1メートル81。W杯ブラジル大会代表の1メートル78に比べて3cm増。平均年齢は25.43歳で30歳以上はGK川島、MF長谷部だけ。W杯代表の26.73歳に比べて1歳以上若返った。これからどう新生日本代表が熟成されていくか楽しみです。
【日本代表メンバー】
▽GK
川島永嗣、西川周作、林彰洋
▽DF
水本裕貴、長友佑都、森重真人、吉田麻也、酒井宏樹、坂井達弥、酒井高徳、松原健
▽MF
長谷部誠、細貝萌、田中順也、森岡亮太、扇原貴宏、柴崎岳
▽FW
岡崎慎司、本田圭佑、柿谷曜一朗、大迫勇也、皆川佑介、武藤嘉紀
W杯メンバー12人、復帰組6人、初選出5人という内訳で、W杯メンバーからは今回、清武、大久保、齋藤学、遠藤、今野、伊野波、権田が外れましたね。ついに磐田さんからは1人も選出されなくなりました。アギーレ監督は香川と原口がケガではずれた代わりに選出された形の皆川、武藤については「2人とも、他の選手のケガによって招集される形になった。若くて、攻撃的で、ハングリーな選手なので、代表に合っていると思う」とコメント。大久保などのW杯組ではなく、新顔として選んだ時点で期待度が大きい事を表しています。ここで、今後限りなくレギュラー選出に近いであろう今回初選出の5人について、ちょっと調べてみました。
【武藤嘉紀】(J1・FC東京)
慶應大3年生の昨年7月に特別指定選手としてF東京でJリーグデビュー。今季は在学中のままプロ契約を締結し、開幕戦から先発出場。今シーズンすでにJ1で20試合に出場し、7得点。抜群のスピードと切れ味鋭いドリブルでの打開力が魅力。2回足を運んだアギーレ監督の御前試合で2得点。
【皆川佑介】(J1広島)
186cmの恵まれた体格が売りのストライカータイプ。今シーズンにJ1広島に新加入。これまでにJ1で7試合に出場して2得点(そのうちの1点がこの試合)。長身を生かしたポストプレーだけでなく、左右両足ともに足下のテクニックは確かで、前線からのハードワークも持ち味の一つ。
【森岡亮太】(J1神戸)
今シーズン、トップ下の位置で才能を開花させつつある「10番」タイプ。確かなテクニックと左右両足のキックには定評があり、鋭いスルーパスで神戸のFWの得点機を演出。
【松原健】(J1新潟)
右サイドバックを主戦場とし、積極的な攻撃参加と正確なクロスが持ち味の松原は各年代別日本代表の常連。U-21日本代表では各クラブから選考できるのは一人ずつという制限があったために選出されず、今回飛び級招集になった。
【坂井達弥】(J1鳥栖)
全国的にはほぼ無名の存在で、鹿屋体育大在学中の12年に特別指定選手として鳥栖でJリーグデビュー。183cmの長身を生かした空中戦に強いセンターバックでロングフィードが持ち味のレフティー。ただ、今シーズンはこれまで4試合のみの出場で、サプライズ選出。
この中で坂井選手は今回、若くて身長が高くて左利きのセンターバックの日本唯一の選手」としてマスコミに取り上げられています。身長180センチ以上で、左利きで、センターバックとして試合に出場している選手を見て行くと、J1では坂井選手と新潟の大野選手くらい。J2を含めても5人ほどしかいないとか。しかも大野選手が今季は左サイドバックを主戦場としていることを考えると、該当選手は坂井選手だけ。
左センターバックには左利き。これはポゼッションチームの理想。その理由は第一に、左センターバックに左利きが入ると、相手FWのプレスからボールを隠しやすい。逆に右足にボールを置くと、相手FWにボールをさらす格好になり、安定したボールキープが難しくなる。また、現代サッカーでは、ボランチが相手のマークを受けたとき、センターバックがドリブルで中盤へ持ち運んで解決するケースも珍しくないが、このようなプレーも左サイドでは左利きのほうがやりやすいということ。
アギーレ監督はアジアカップ前の年内の6試合について「選手たちが、パスしないといけないテストでもある。それをパスした選手がアジア杯に進む」と3ケ月連続のテストで、メンバーをふるいにかける様子。今回の特徴として、全体的にレフティーが多いとも聞いています。まずは、9月5日のウルグアイ戦が楽しみですね。読者の皆さんにくれぐれもお願いしたいのですが、仮に負けても温かい目で見てやって下さい。本当に勝利が必要なのは4年後の本番であって、新監督初陣のこの時期ではありませんので。
本田選手については、本当なのかわかりませんが、余りにも観客動員予定数が少ないので、スポンサーか協会側から召集するように要請があったとか。「走れない選手は呼ばない」アギーレ監督のもとで、病気説もある本田選手が再び覚醒できるか。親善マッチではMVPをとっても、シーズンの中で同様の活躍ができるのかどうか。あと、今回呼ばれたTJこと田中選手にも頑張って欲しいです。