帝が「月に男が住んでいると言う。」と言うと、
すかさず光秀は「桂男でございますか。」と答えます。
だから私は、やっぱり「桂男」って何ぞやと調べたくなるのです。
「麒麟がくる」では過去にも何度かそういう展開がありましたね。帝や将軍の教養の深さがうかがえるシーンでしたが、それに迷いもなく応え理解する光秀の奥深さも伝わるシーンでもあったと思います。
「桂男」とは何かとは、あまり今回の趣旨には必要はない事かと思ったので、ここでは説明は省きますが、興味のある方はウキペディアのページを貼っておきますね。→ここ「桂男」です。
しかし、私はちょっと驚きました。真夜中に覗いた時には、気が付きませんでしたが(なかったのでは?)、今見たら、
「麒麟がくる第41話「月にのぼる男」(正親町天皇が光秀に対し、信長をはじめとする武家の有力者たちの興亡を桂男になぞらえて語る。)」
の書き込みがありました。お仕事が早い人がいますね。感心します♪
「ちんはこれまであまたの武士たちが、あの月にのぼるのを見てまいった。みな帰って来なかった。」
「信長はどうか。この先信長が道を間違えないようにしかと見届けよ。」
殿上人ではない光秀は帝とは対面も出来ぬ身分の者。
だけど月を愛でると言う形を取られて、帝と対面をしたわけですが、まさか帝と顔出しでの対面が出来るとは、光秀も思っていなかったのではないかと思いました。
だからこの帝の言葉は、凄く光秀には重く響いたと思うのです。
またもインパクトの強かったことを最初に書いてしまいました。
今回は、丹波の国衆の言葉から、光秀は自分たちが何と戦っているのかを悟ると言う所も要だったと思います。
丹波の国衆は言いました。
「足利の長年の恩に報いるために。」
その時、私の頭の中には、学校で習った「封建制度」という文字が浮かびました。
そして戦国時代は下剋上の時代で、その「封建制度」が崩れていったと習ったと思います。
だけど「そりゃ、そうだな。何事も一気に総崩れなんて事は起きないんだな。一部の人間が裏切りを重ね(下剋上)、次の時代を作っていったかもしれないけれど、たいがいの多くの人は、長い間の考え方を守っていたのに違いないな。」と、そう思えたのでした。
「麒麟がくる」は、ボーっと見ていても、いろいろな事を気付かせてくれるので、本当にいい番組だなあとしみじみと思ってしまいます。
しかし、その足利の頭領の戦いは、諸国にずっとお手紙をしたため続けると言うものでした。ペン覇権頼剛・・・・じゃなくて「ペンは剣より強し」を信じての実践編でしょうか。(何なの?マイパソコン。ヘンな誤変換しちゃって。ペン・覇権・頼綱。なんか暗示みたいじゃん。)
黒い秀吉・・・・・・。
「足元をすくわれた。」と、自分に密偵をつけ信長にさも裏切ったかのように報告をした事を責めた光秀。
こんなにストレートに責めっちゃって大丈夫かと思ったけれど、秀吉は、自分に害を及ぼすかもしれない弟の方を切り捨ててしまいました。本当の弟だったかは分からない事ですが、危険な芽は摘んでおくと言う感じでした。
貧しい子供たちに恵んであげる秀吉。
ツイッターで拾った、佐々木蔵之介さんのコメント。
>「物乞いする子どもたちを見て“昔のわしじゃ”と言います。一方で、“今のわしはもう違う・・・”と思っています。『血の川へここまで踏み込んだからには、先に行くしかない』マクベスのセリフが思い浮かびました」(佐々木蔵之介)
ここでシェークスピアのセリフを思い出すとは、黒くても格調が高いですね^^
その黒い秀吉に目をつけられたと知った光秀は、その危険を菊丸に告げに行きます。
本当はここを去りたくないと言う菊丸。だけど害が駒や東庵に及ばないように去っていく菊丸でしたが、そこに刺客がやってきます。ちょっとだけドキドキしました。彼は私の中ではラストまで生き残る人になっていたけれど、それは私が勝手に思っているだけで、何と言っても後3回なので、この回で菊丸終了になっても、それもありだと思ったからです。
彼って忍びの人だからおめおめとはやられないとは思っていたけれど、逃げおおせてホッとしました。
それから、駒の助言を受けて、たまが嫁いでいきました。可愛らしかったですね。
あの子がもう嫁に行く役をやるようになったのかと、全く違った感慨にふけった私です。
お気に入りの先の関白前久が出てきて嬉しかったです。「ヤレヤレ」の言い方が可愛らしかった・・・・って、こんな感想ですみませんね、本郷奏多さん。
で、最後に二番目にインパクトのあった事を書きます。
もちろん、光秀の平蜘蛛の献上シーンです。
(やっぱり安土城のあの部屋は広すぎる・・・)
これを献上して、信長に思っていることを進言するのは決して悪い作戦ではなかったはずです。相手が信長でなければ。
こんな風に描かれた信長は、今までにはなかったと思うのです。だから面白いですよね。
人は子供の頃に得られなかったものが、それがトラウマになり、欲しくて欲しくて、ずっと乾き続ける喉を持ち続けるようになるのかも知れません。
信長のトラウマ。母や父の代わりに誰かに褒められたい、だったのでは。
だから、言って欲しい事を口にして「流石、殿」「殿、凄いです。」みたいなことを言ってくれる秀吉は、出自はともかくも、あのように出世した一因はそこにあったのかも知れません(このドラマの中では。)
信長は、光秀が平蜘蛛を持ってきてくれたことは、本当は凄く嬉しかったと思うのです。
「やはり殿のように、清らかで大いなる人がお持ちになるべき名物かと思います。」
などと言って渡せばいいものを、彼の半端ないあまのじゃくぶりをすっかり忘れて、正攻法で責める光秀。
自分の評判が良いと言う信長に、「どなたが言ったのですか。」と突っ込む光秀。
「皆が言っている。」
もうここで、信長の周りにはおべんちゃら太郎しかいない事が分かってしまいますね。
蘭奢待・平蜘蛛・豪華絢爛の安土城。
なんだか信長は豪華なおもちゃを欲しがっている、素直じゃない子供みたいです。
光秀に説教されたから、最初は嬉しかったくせに、「売ってやる。」となってしまった信長にしか見えませんでした。あれは反論の一つ。だけど、見ている側にも光秀にとっても、ビックラポンの展開ですよね。(古い !!)
私はちょっと、黒い秀吉やあまのじゃく信長が気の毒に感じてしまいました。
二人とも、そこに上り詰めるまでのドラマがあったり、街を反映させる功績があったわけですから。
だけど信長は安土城への道がどうとか言っていましたが、このドラマでは、あと3回で本能寺への道を作り、終焉を迎えなければなりません。
光秀の母のエピソードは描かれるのでしょうか。鮒ずしのお話は ? (熙子がいないから、もうないか。)
家康の妻と子供の話はどうでしょうか。
ちょっと辛くなってきましたが、次回も楽しみにし見届けていきます !!