森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「千変万化」

2021-01-08 02:06:00 | 梢は歌う(日記)

ほんの少しでも迷いを生じたら、それは勘など頼りにして人に教えない。

当然の事だと思う。

バイト先で、中学2年生が漢検を受けると言うので、その勉強の手助けをしようと

「練習したら来てください。チェックテストをしてあげるから。」と言うと、四字熟語が全く読めなくて練習にならないと言う。

それで読むところからサポートすることにしたのだが、

「千変万化」と言う言葉が出て来て、思わずさっらさらと読んで先に進みそうになったけれど、ちょっと待てよと思いとどまり、「ちょっとこれは、確認してから教えるね。」と言った。

スマホでチェックしてみると、「せんぺんばんか」と出て来た。

危なかった。「ぺん」と読むなどと思いもよらなかったからだ。「べん」とも読むとは書いてあったけれど、「・・・とも読む」みたいな方より、ちゃんとした方で覚えておきたい。

 

いまだかって、自分の人生で1度も使った事はもちろんなく、出会っていなかった言葉がテキストには出てくる。時には中二程度の知識だからとは侮れないものもある。

もちろんそれは、世の常識と言うもので図ってない話である。

意味は『局面や状況などがさまざまに変化してきわまることがないこと。▽「千」「万」は数量の多いことを表す。「変化」が千も万も起こるという意味。』

 

思わず「まるで今の世の中、そのものですね。」と言うと、少年はうんうんと深く頷いた。

☆     ☆    ☆

7日。

緊急事態宣言が再発令が決定した。期間は8日から来月2月7日まで。

それに伴って、バイト時間が変更になった。

昨日はいつも通り10時近くに夜道を歩いていたわけだけれど、明日からは午後8時過ぎに、こんな風に誰もいない夜道になってしまうのかと思った。

「学校は、けっして安全な場所には思えない。それなのになぜ一時的にも止めないんだろう。」と夫に言うと、

「働く医療従事者のお母さんたちが困るからだろ。」と、彼は冷めた口調で言った。

それが正解とは言えないけれど、「はぁ、なるほど。」と、すこぶる納得してしまった。

もしそうならば、国という大きなお団子は、この一年、ただころりころりと転がってただけなのかい。

「時間変更大丈夫ですか。」と雇い主様に、帰りがけに言われて

「全然平気ですよ~。」と言ったのに、暗い夜道を歩きながら、なんだか胸の奥が締め付けられるような気持ちになり

「苦しい、寂しい、苦しい、寂しい」と、心が悲鳴をあげだした。

 

☆     ☆     ☆

その日の朝、友人に誘われて公園に散歩に行った。

木蓮や梅の花につぼみが付いていて、気の早いものは一輪二輪の花を、私たちに見せてくれていた。

「ほら、もうすぐ春がやってくるわ。」と私は言い、そして

「何か一つ奪われたら、また何か一つ楽しいことを見つけて生きて行けばいいのよ。」と、笑いあった。

そう。私は強がりを言うのは得意なんだ。

 

               ☆      ☆     ☆

苦しくなった胸を押さえながら、夜道を歩く私。

ふと見上げたら、星が煌めいていた。

そうだ、こんな時は遠くを見るのが良いんだ。

変わらないものを見るんだ。

そうすれば今の時間なんか一瞬だって思えるものね。

やっぱり私は強がって、笑って生きていくんだ、明日からも。

 

ああ、そうだ。

変わらないもの。

それって

「恒久不変」っていうのだよね。

 

 

 

コメント (2)
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