森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

あのチョコレートは美味しかったですか<4-2>

2010-02-14 08:53:23 | 思いつくまま

「あのチョコレートは美味しかったですか<4-1>」の続きです。

中学時代は好きだった少年が学年が変わるたびに変わる、そんな擬似恋愛の時代だったと思います。

「愛している」と思っても、その先何かを望んでいるわけではなく、その辺は今の時代と大きく違うかもしれません。

Yは中学2年の時の想い人。初恋の人と公言していますが、ちょっと嘘。その前にも好きだった男子がいた事は、いつの間にかなかった事になっている私の自分史です。

 私が思うには中学1年と2年との間は大きな段差があるように思います。まだ子供そのものである12歳とは違って、13歳、もしくは14歳は体の成長もしかり、思考的にも、次の段階の入り口に立つような気がします。

そんな時の言い知れない不安や気だるさは経験したものには分かる共通項だと思います。

 

また、あの頃は何であんなに簡単に恋に落ちる事が出来たのだろうと思うのです。だけど同時に、そんな時代が懐かしい・・・

ある日、私は昇降口に立っていました。どうしようもないだるい体と気持ちを抱えて、どうして良いのか分からない苛立ちを抱えながら、霧雨の校庭を見つめていました。

背後には幼稚な男子たちが、元気をもてあまして廊下を走り回っていました。

 と、その時、ボールが私の足にぶつかったのです。

振り向くと、見た事もない男子が
「ごめんね、大丈夫。」とにっこり笑って言いました。

元気をもてあまして廊下でボールを蹴り走り回っていた少年、それが彼でした。
そして、私は
「うん、大丈夫。」と言いながら、恋に落ちてしまったのでした。

 

中学2年生の時、私と緑子は別のクラスでした。そして、Yは緑子と同じクラスの少年でした。別のクラスと言っても帰る時には緑子と一緒でした。その教室を覗くと、なんと緑子の隣の席が、彼でした。

少女は内緒話が大好き。

私はさっき落ちたばかりの恋の想いを、早速彼女に報告してしまいました。
もちろん、「内緒だよ。」と言う言葉を付け忘れる事はありません。

でも翌日、お昼休みに彼女のクラスに行くと、彼女が飛び出してきました。

「ごめん、言っちゃった。」
「はぁ!?」
「彼にあなたの事言っちゃった。」

・・・・だって昨日の今日。早すぎる~。
内緒話の封印は、いつか破られてしまうのがお約束。だけど、緑子よ、早すぎるのではありませんか。

いったいドンだけおしゃべりなんだと思いながら
「別にいいよ。それも面白いかも。」と、昔からプラス思考の私だったのでした。

でも、一晩で考えが変わっていたらどうしたと言うのでしょう。よく考えたら、まったくと言っていいほど知らない少年なのですから。

でも、緑子がばらしてしまったせいで、私の想いは確定的なものにならざるを得なかったような気がしました。

そうなってしまってからリサーチです。

「5組のYを知っている?」と、隣の席の子に聞くと、
「知っているよ。1年の時、同じクラスでさぁ、私好きだったんだよ。」

・・・・がーん!

「なあに、好きになっちゃたの?」

す、鋭い。

「彼っていい子よ~。私のほかにもA子、B子、C子も好きなんだよ。」

・・・・さらにがーん!!

この時に、松田聖子と言う歌手はいなかったけれど、もし時代が彼女の時代にタイムリーであるならば、私は心の中で歌ったに違いありません。

―ああ~、私の恋は~  ♪

恋がいきなりアイドルの親衛隊レベルのものになってしまったという悲劇。

さらに驚いた事には、緑子がそれから10日もしないうちに、
「私も彼のことが好きになってしまったの。」と打ち明けてきた事。

別にどうでもいいですよ。だって、好きになるのは自由だし、私は勝手に好きでいるだけで、私の気持ちは私のものなのだから。

こんな時、中には「酷いわ。」とか言う人もいるのかもしれませんが、そんなこと考えられません。

―まるで喜劇じゃないの~♪

とは歌いませんが、今思うと、なんか可愛らしくって笑っちゃうその昔なのでした。

 

 それでも、そんな恋でも私は恋はしたほうが良いと思うのです。恋と呼ぶには幼すぎて、そんなものは恋とは呼ばないと思うかもしれませんが、その苦しい心のうちは書かないだけで、実は大人のそれとなんら変わりのあるものではないのです。その事を分かっていれば思春期の少女の気持ちも分かってあげられると思うのですが、残念な事に私に娘はいなく、昔話をしてあげると言う夢も叶わないのでした。

 

 Yを好きだった中学時代、私の毎日はキラキラしていました。あまり勉強をしていないように見えたYは、それでも良い成績で、姉も優秀、母も厳しい人だと聞きました。ゆえに私も、テスト勉強の時、いつもより1時間は多く勉強するようになりました。美術の得意な彼に影響されて、絵も丁寧に書くようになりました。退屈な授業は、変わらずに聞いていませんでしたが、窓際に席を取っていた私は、毎日違うクラスのYが私の傍を通る事を念じていてエスパー度が上がりました(なんのこっちゃ。)

 

A子もB子もC子緑子も、みんなYが好き。そしてそのYは他の少女との噂がありました。でも私にはあまり関係がないのです。その他大勢の中の単なる一人に過ぎない私の想い。

そんな恋でも
恋は恋は恋♪

 

まだ続きます。また夜にでも。
ちょっと一言、どうでも良い事を。友チョコって、何が面白いんだろう・・・
貰えない子は、また惨めな思いをするのでしょうか。それでまた、義理友チョコとか生まれるのでしょうか・・・。

恋するニワトリ

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