flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

柿本寺跡

2012-02-19 00:00:00 | ほとけのいおり

(しほんじ 奈良県天理市櫟本町人丸)
 和邇下神社前に存在した奈良時代創建の寺院である。山号は治道山といい、東大寺の末寺であり、柿本氏の氏寺であった。また、この地に柿本人麿(かきのもとのひとまろ)の遺骨を葬ったことで、「歌塚」として有名となったが、室町時代に衰退し西約500mに移転、明治初期に廃寺となっている。歌塚の碑は享保十七年(1732)柿本寺の僧や、医師で歌人の森本宗範によって建てられたものである。平安時代末期の公家で歌人である藤原清輔の『清輔朝臣集』に、「大和国石上柿本寺という所の前に人磨呂の塚ありと聞きて卒都婆に柿本人丸の塚としるしつけて傍にこの歌をなん書けり 世を経てもあふべかりける契こそ苔の下にもくちせざりけれ」とある。
    

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