flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

御嶽願興寺

2017-11-09 00:00:00 | ほとけのいおり

(天台宗大寺山願興寺 岐阜県可児郡御嵩町御嵩 2003年11月23日)
 中山道御嶽(みたけ)宿の一角、弘仁六年(815)当時は東山道を通り東国巡錫中の最澄によって、薬師如来を祀る布施屋(休養施設)が設けられたのが始まりと伝わる願興寺を訪れた。晩秋の候であり、紅葉の色が寺を明るく映し出している。正暦四年(993)一条天皇の皇女は、天台、真言僧の法論に加わり、詰問の末宝僧を蔑ろにしたとして、皇籍を廃して京を追われこの地に辿り着き、出家して行智尼となって正宝庵を結んだ。三年後の長徳二年(996)尼ヶ池から沢山の蟹に囲まれた一寸八分の金色尊像が現れたという。その後、七堂伽藍を備えた現山号に改められ繁栄したが、天仁元年(1108)兵火により焼失。正治元年(1199)地頭纐纈盛康によって再興されている。然しながら元亀三年(1572)武田勢によって再び兵火に遭い伽藍は焼失したが、本尊を含む仏像は事前に持ち出され難を逃れている。天正九年(1581)村民によって再び再興され、現存する本堂(国重文)はこのときのものである。
      

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