flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

岩屋観音

2018-07-09 00:00:00 | 大きな仏さま

(愛知県豊橋市大岩町火打坂 2005年5月28日)
 標高78mに立つ観音像は、天平二年(730)行基により岩陰(岩屋)に建てられた観音堂に由来するという。その後衰退し、観音堂の塔頭の一つであった大岩寺が観音堂を管理するようになった。然し、天正十三年(1585)岩屋山の山火事により焼失している。元和八年(1622)に至り、曹洞宗として再興され、宝永四年(1707)吉田城主池田輝政の曾孫である備前岡山藩主池田綱政が隣宿白須賀宿に泊まった折、夢枕で観音が現れ、地震津波の難を告げられた。綱政は急遽予定を変えたところ、宝永地震が発生し、白須賀宿は津波に遭ったため、綱政は観音に帰依し、現存する観音経、絵馬、灯籠一対を寄進した。宝暦四年(1754)には、難航する豊橋(吉田大橋)架け替え工事の折、江戸下谷の大工が観音堂に参籠していると、夢告により架け替えの方法が分かり無事完成したことから、明和二年(1765)山頂に青銅製の観音像が建立された。然し、第二次世界大戦によって金属供出されたため、昭和25年(1950)再建された。
         

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