京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 石段に立ちて

2012年02月05日 | 日々の暮らしの中で

顔に当たる風がやわらかく感じられた一日だった。

「東風凍解」、東風凍を解く(とうふう・はるかぜこおりをとく)。東風といえば春の代名詞、春を呼ぶ風が凍土を解かし始めるとされる、2月4日から8日頃を言うようだ。
これは、二十四節気をさらに三等分して、凡そ五日ごとにその時期ならではの気象や動植物に関する変化を示した七十二候の一つにあたる。

どう考えても理解し得ない、摩訶不思議としかいいようが無い自然観の現われもある。例えば、「鷹化して鳩となる」(2月16日頃)、「雀大水に入り蛤となる」(10月13日頃)など挙げてみたい。
古代中国で発生したものが、形を変え整理されて採りいれられているということで納得するわけだが、国内も地域によって風土によっても違いはあることだろう。

未来や明日への夢を託して節を分かったが、実際は寒さも厳しい日が多いこの月だ。
とは言え「初春」、春への思いはふくらんでいく。

     石段に立ちて眺めや京の春  野村泊月

「見渡せば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける」と素性法師が詠っている。さて、この春は私もどこかの石段に立ってみたいと思う。とても見尽くせぬ春の錦だが、楽しみな宿題をもらった気分で、新たな風景を求めてみよう。
私のカメラでは収まり切らないとしたら…、その節はカメラ持参でおいでいただこうか~。
コメント (7)
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