京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

月今宵

2024年09月17日 | 日々の暮らしの中で
整形外科で足指の治療を受けている、と言ってきたのはひと月ほど前のこと。
あれからどうされているのか、連絡はない。
日中は37度をわずかに下回る猛暑だったが、今宵は中秋の名月。
東の山の上に、丸い大きなお月さんが上がってくるのをしばし眺めていた。満月は明日だという。

友人に足の具合を訪ねながら、声をかけてみた。 
 〈 養生もほどほどにして月今宵 〉  (西野文代) 
「お月さん、見てますか」

いつのことだったか、この友に案内をいただき芭蕉の墓所、義仲寺を訪れたのだった。



芭蕉は元禄4年、6月から9月まで大津に滞在していた。十六夜の月を賞美して堅田に渡ったときの句。  

   鎖(じょう)開けて月さし入れよ浮御堂

御堂の中におはします千体仏に、扉の隙間から差しこんだ月の光が当たる。
千体が光を集める、と想像しよう。光に映える御堂は、湖上に輝いて浮きあがって見えるだろうか…。
イマジン、イマジン。

月の美しさ、妖しさ。琵琶湖と月と文学。いろいろありますねえ。
ところで友は月を眺めただろうか…。
                  (浮御堂の写真は’23.5.16のときのもの)

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