京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「沢山の仇名を」

2013年05月30日 | 日々の暮らしの中で
雨にぬれて、ジャガイモの薄い紫の花が咲いていた。
啄木は「馬鈴薯の花咲く頃となれりけり 君もこの花を好きたまふらむ」と歌っている。
消しがたい面影の「君」を馬鈴薯の花に偲んで…。どことなく恋ごころを誘う花なのだろうか。

「ジャガイモみたいな人が好き」、海老蔵さんをこんなふうに言われたのが麻央さんだった。茨木のり子さんに「おんなのことば」という少し長い詩がある。
 【いとしい人には 沢山の仇名をつけてあげよう 
  小動物やギリシャの神々 猛獣なんかになぞらえて
  愛しあう夜には やさしい言葉を そっと呼びにゆこう 闇にまぎれて】
と始まる。
いとしいどなたかを思い浮かべながら、果たして次から次と名づけられるほどに湧き出る喜びはあるものだろうか。一度いかが、お試しあれ。

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8 コメント

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どんな花にも・・・ (白鷺)
2013-05-31 11:45:53
そうなんですか、ジャガイモの花だって、見る人が見れば魅力を引き出してくれるのですね。
どんな花にも、淡き恋心を抱かせる要素は十分にありそうですね。
今からまさにジャガイモの花真っ盛り。
蝶がさんざん舞ったら、取り入れの時期になります。
さてどんなあだ名や呼び方で掘り起こしてみましょうかね~(笑)
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たくさん、白鷺さん (kei)
2013-05-31 16:25:58
そうなんですね~。
白い花もありますんですね。
ジャガイモの花を一緒にみた人がいたのか、初恋の人だったのか??
面影はいろいろな形になって現れそうですよ。
派手さはありませんが、趣のある花ですよね。
私はメ―Queen! わが君・男爵さんもキタアカリねえさんも…(笑)
あちらは…こちらは…、白鷺さん、たくさんつけられそうですね(笑)
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真っ盛り! (菜の花)
2013-06-01 08:12:01
どこの畑にもジャガイモの花が咲いて、存在感バツグンです。ころあいを見て引っこ抜いた時の心地よさいいですよね。

そう、あだ名を探してつけてみましょうか?
なんだか、アラ探しをするみたいで無粋な私でした。
でも面白いな・・・とも思います。
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ジャガイモの花 (さんたろう)
2013-06-01 09:04:11
 心の豊かな人はあんな地味なジャガイモ畑で、美しい花を見つけて感動なさるんですね。

 まもなく私の地方でもジャガイモの花が咲きます。しみじみと美しさを味わって見ることにします。目を開かせて頂きました。

 でも無粋な私には
 いとしいどなたかを思い浮かべながら、果たして次から次と名づけられるほどに湧き出る喜びの世界は遠い遠い美し過ぎる世界のようです。
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あだ名を探して…、菜の花さん (kei)
2013-06-01 10:23:47
はやまっ盛りですか。
地味ですが味わいのある花ですね。
ゴロゴロと三和土に転がして、こもった土のにおいが蘇ります。

いろいろ視点、角度を変えながら、よいとこ取りも必要ですね。
人をよくもみるということにつながりそうです。



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美しさを…、さんたろうさん (kei)
2013-06-01 10:34:44
啄木が代用教員時代の、「北海道の女」のようですね。
地味さを感じる花ですが、花の付きかた、形、色合いも目を引き、味わいのある花です。

一番近くにいらっしゃるお方に、素敵な呼び名をプレゼントされてはいかがでしょう。
いくつできますでしょうね。楽しいい発見があるやもです…。

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ジャガイモ (Rei)
2013-06-01 10:54:45
茨木のり子さん詩集、「倚りかからず」など数冊持っていますが、
この詩は覚えていません。
街中では野菜の花を見ることは難しいです。
可憐な花ですね。

昔の知り合いですが、ムンクのあだ名を持つ人がいました。

あだ名をつけるにもセンスがなければできませんよね。
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センスが、Reiさん (kei)
2013-06-01 17:16:08
一乗寺に恵文社という特色のある書店があります。
時々訪れては立ち読みさせてもらっています。
表題を思い出せんませんが、文庫本でした。
詩のタイトル「おんなのことば」だけを覚えて帰り、改めて調べました。

確かにそうですね、あだ名をつけるにもセンスがいりますね(笑)
ただ、相手の心を傷つけるような呼び方は控えたいですね。

よそさんの畑に入り込むことはできませんが、可能な限り、覗き込んで歩く私です。
カメラを向けると花も喜んでると、どなたかが言われてました。
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