毎回触れているが、Fosterには「育てる」という意味がある。第9回目の今回は、陸上自衛隊第11音楽隊が札幌大谷高校吹奏楽局の生徒たちを育てるために一肌脱いだ(ちょっと古臭い言い回しですなぁ)コンサートだった。
本日(2月23日)午後、札幌市内は吹雪に見舞われ、会場のかでるホール(北海道立道民センタービル)に着くまでが大変だった。また、新型コロナウィルスが猛威を振るっていることから「あるいは?」と思われたが、予定どおりに開催された。
今回はFoster Concertは、陸上自衛隊第11音楽隊(第11旅団、真駒内駐屯地)が、札幌大谷高校吹奏楽局の生徒たちと一緒に練習をし、アドバイスした結果を披露するコンサートだった。
記録をめくると、私は今回で4回目のFoster Concert鑑賞だったが、これまでアドバイス役は北海道警察音楽隊だったが、今回初めて陸上自衛隊第11音楽隊に代わっていた。代わった事情は何だったのだろうか?
この際、陸上自衛隊の音楽隊についてちょっと調べてみた。道内には陸上自衛隊音楽隊を代表する「北部方面音楽隊」(全国に五つある方面音楽隊の一つ)がある。それとは別に北海道内には第2音楽隊(旭川)、第5音楽隊(帯広)、第7音楽隊(東千歳)、第11音楽隊(真駒内)と4つの音楽隊があるという。その第11音楽隊が今回大谷高校の生徒たちの育て役を担ったということである。
※ 演奏中の写真撮影はNGだったので、演奏前のステージを写しました。
今回のプログラムは次のとおりだった。
◆第1部 〈単独演奏〉
◇札幌大谷高校吹奏楽局
① ヤン・ヴァン・デル・ロースト/アルセナール
② ジェイムズ・スウェアリンジェン/ロマネスク
③ 和泉宏隆/Leave Me Alone
④ 和泉宏隆/OMENS OF LOVE
◇陸上自衛隊第11音楽隊
① 平山雄一/2020年度課題曲Ⅰ トイズパレード
② ROBIN DEWHURST/Brasilia
③ ウィリアム・H・ヒル/セント・アンソニー・ヴァリエーシヨン
◆第2部 〈合同演奏〉
① D・ショスタコーヴイッチ/祝典序曲
② A・リード/春の猟犬
③ バリー・マニロウ/コパカバーナ
④ 和泉宏隆/宝島
《アンコール》作者不明(黒人霊歌)/聖者の行進
札幌大谷高校は、3年生が引退し21名という小編成だったが、近年は音楽コンクールにおいて入賞を繰り返していることもあり、十分に力量を備えた演奏だった。一つ気が付いたことは、音の強弱を相当に意識された演奏をしていたことから、その点についてのアドバイスがあったのではと推測してみたが、果たして実状は?
続いて演奏した第11音楽隊の演奏は、「さすがに音楽の専門家集団の演奏じゃわい!」と聴く者をうならせる演奏を披露された。ただ、技量で上回るものはより高みを目指すのだろう。2曲目、3曲目は技巧的にも難しい曲で、素人の私には音楽の楽しさを味わえない悲しさがあった。
しかし、それもその後に続いた総勢55名の合同演奏で音の厚みを感じながら、心楽しい楽曲の数々を聴くことができ、吹奏楽の良さを満喫して帰路に就くことができた。