演奏されたお二人は、北海道はもちろんのこと、全国的にもかなり名の通ったマリンバ奏者のようだ。円熟の域に差し掛かった二人の域のあった演奏は、広く高い教会の聖堂内に心地良く響き渡り、お二人の妙技を堪能したひと時だった。
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昨日午後、札幌北一条教会において、肥田野恵里さんと佐藤尚子さんのお二人による「マリンバ デュオ リサイタル」が行われたので参加した。
実はお二人の演奏を昨年11月に札幌北一条教会の「昼休みコンサート」でお聴きし、とても感動していたので、リサイタルを開催すると聞きすぐさまチケットを購入したのだった。リサイタルには200名近くの聴衆のみなさんが集っていたのではないだろうか?
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お二人の音楽的履歴を拝見すると、肥田さんは北海道教育大学で音楽を専攻し、さらに東京芸大にも学ばれ、縁あって若い時に弘前市に住まいを移されたようだ。そこで弘前大学の音楽課程を卒業された佐藤さんと出会い。「ファルサ」というパーカッショングループを起ち上げたという。それからは青森県をはじめ、全国で演奏活動を展開し、さらには海外でも何度も演奏したようである。現在はお二人とも札幌にお住いのようだ。
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※ 肥田野恵里さん ※ 佐藤尚子さん
この日演奏された曲目は次のとおりである。
◆J.S.バッハ/イタリア協奏曲 BWV971 第3楽章
◆アイルランド民謡(中谷孝哉編曲)/ロンドンデリーの歌
◆安倍圭子/コザックの思い出
◆林光/コントラスツ
◆安倍圭子/樹木の息吹Ⅱ
◆滝廉太郎(佐藤尚子編曲)/荒城の月
◆文部省唱歌(佐藤尚子編曲)/村祭り
◆R.コルサコフ、J.フィーナ(肥田野恵里編曲)/バンブル・ブギー
◆武満徹(鶴田睦夫編曲)/翼
◆讃美歌418番「こころに自由と」、417番「久しく待ちにし」
前回の昼休みコンサートの感想でも触れたが、マリンバの演奏を聴いている(見ている)と演奏者は曲によって一人で4本のマレットを手にして、そのマレットの間隔を自由に操り、とても速い速度で演奏する姿にはいつも感動してしまう。今回は特に最前列で聴かせていただいたので、その様子もたっぷりと拝見し、聴かせていただいた。
どの曲の演奏も素晴らしかったが、私的には特に安倍圭子作曲の「樹木の息吹Ⅱ」がことさら素晴らしいと思った。マリンバ演奏のさまざまな技法が凝縮されたような一曲はマリンバの魅力をいっぱいに詰め込んだ一曲に思えた。
円熟の域に差し掛かった彼女たちのステージは今後それほど多くないかもしれない。そのステージを耳にしたときには、また駆け付けたいと思わせてくれたリサイタルだった。
※ なお例によって写真撮影は禁止だったので、演奏前のステージとパンフレットの写真を投稿させてもらいました。