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北海道・北東北の縄文遺跡群巡り〈17〉三内丸山遺跡(青森市)

2023-11-15 19:02:10 | 北海道・北東北縄文遺跡群関連
 「三内丸山遺跡」は北海道・北東北縄文遺跡群の中で唯一国の「特別史跡」に指定された遺跡であり、もちろん北海道・北東北縄文遺跡群の中の中心的存在である。その規模、発掘された建物跡、大型の掘立柱建物など他を圧している感がある遺跡である。
 
        
 私が「三内丸山遺跡」を訪れたのは、2020年に続いて2度目である。したがって新たなる感動というものはなかったが、北東北の遺跡群を巡ってきた後に訪れると、やはりそのスケール、遺跡としての充実ぶりは群れを抜いている感じがする。
 「三内丸山遺跡」は紀元前3,900~2,200年前とされ縄文の前期から中期にかけての遺跡とされている。
  
  ※ 唯一この写真だけは「三内丸山遺跡」を概観する写真としてウェブ上から拝借しました。

 遺跡はまずガイダンス施設である「三内丸山遺跡センター・縄文時遊館」がドーンと構えていて、そこを通らないと遺跡そのものを見ることができない仕組みとなっている。入場料410円を払い「縄文時遊館」に入ると、まずは「映像シアター」で「三内丸山遺跡」の概要を把握し、続いて30分おきに出発するガイドツアーを待つ。(時間30分程度、ガイド料:無料)
  
  ※ 「三内丸山遺跡センター・縄文時遊館」のエントランスです。写真右側にも広がっていてとてもカメラに収まりませんでした。
  
  ※ 「縄文時遊館」の内部です。右側は中庭。左側に映像シアター、展示室、そして遺跡の入口などが並んでいます。

 そしてガイドに従い時遊トンネルを通って、いよいよ遺跡に足を踏み込むことになる。ガイドされた順は2020年の時と同じだった。ムラのメインストリートの両側には「土抗墓」と呼ばれる墓跡が土を盛り上げたような形で多数残っていた。続いて、縄文人に住居である竪穴式住居が再現されたものが数棟立ち並び、その中の二つの住居だけが内部の見学を許された。続いて貯蔵庫を再現した建物、捨て場跡(これは実際の跡が残されていた)、さらに長さ32mもある大型建物を復元したもの、そして「三内丸山遺跡」のシンボルともなっている太さ1mものクリの木を使用した大型掘立柱建物を再現したもの、と当時の集落の様子を彷彿とさせる遺跡にはため息が出るほどだった。
  
  ※ ガイド(黄色の人)の説明を聴くガイドツアー参加者です。前方に丸い形をした土抗墓が見えます。
  
  ※ 掘り起こした土溝を見せている施設です。
  
  ※ こちらはいろいろな形の竪穴式住居を復元している一角です。
  
  ※ 高床式の貯蔵庫を復元したものと思われます。
  
  ※ 竪穴式の住居跡の柱を建てた穴を発掘当時のまま展示しているところです。
  
  ※ 「三内丸山遺跡」のシンボルの大型掘立柱建物を復元したものです。

 最後に、「大型掘立柱建物」を建てた時の柱跡が発掘当時のまま保存されているところに案内された。その穴の大きさ、柱の太さは目を見張るほどだった。
  
  ※ 大型掘立柱建物の柱を立てた穴(発掘当時のまま)です。
  
  ※ その穴から発掘されたクリの木の残骸が発掘され、現在はその木のレプリカが
穴の中に置かれていました。(本物は縄文時遊館に)

 ガイドされたところは以上だったが、「三内丸山遺跡」は面積42haだという。私たちが巡り歩いたのはそのほんの一部だったのではないだろうか?雨風が強い悪天だったために、私は早々に「縄文時遊館」に引き返したが、できればもっとじっくりと遺跡を見たかったとも思ったのだが…。
 ガイドツアーを終え、「縄文時遊館」の展示を見て回った。「三内丸山遺跡」は2,000点以上の土偶が発掘されるなど、発掘された出土品の数においても全国有数だという。それらが非常に見やすく展示されていた。また、その展示品の前の解説が分かりやすく訪れた者に興味を抱かせてくれた。
  
  ※ 三内丸山遺跡で発掘された土偶は2,000点以上にものぼるそうだが、その中の代表とされる「大型板状土偶」です。
  
  ※ 館内には写真のように縄文人の生活の様子を再現した展示もありました。手前の四角いタッチパネルが展示品を丁寧に説明してくれる装置が素晴らしかったです。
 さらには、展示しきれなかった出土品なども別棟の方に収蔵されている様子が窓越しに見られるようになっていた。
  
  ※ 展示室に展示できない多くの出土品が見える形の収蔵庫にたくさん収められていました。手前の黒い塊は、大型掘立柱建物の柱に使われていて発掘されたクリの木の一部です。
  
  ※ 「縄文ビッグウォール」と称して、三内丸山遺跡から発掘された土器の破片を
5,120個展示したものだそうです。
  
 北東北の縄文遺跡群を巡ってきて、各遺跡のガイドの方々が「三内丸山遺跡は…」と特別視して話す場面に何度も遭遇したが、それもむべなしの感だった。「三内丸山遺跡センター・縄文時遊館」は、レストランやショップも充実していた。私は「れすとらん五千年の星」で「縄文うどん」を食し、ミュージアムショップで掘立柱建物をイメージした長さ85cmの巨大なふ菓子を購入した。「縄文うどん」は麺にクリ、ドングリ、長芋が練り込まれているとのことだったが、味はまあまあといったところか。ふ菓子の方は孫たちの土産としたのだが、孫たちには大受けだった。
  
  ※ 私が食した「縄文うどん」です。
      
 ※ 孫たちに大受けだった「縄文柱」を模した長さ85cmのふ菓子です。

 こうして私の北東北縄文遺跡群を巡る旅を終えたのだが、振り返ってみると、全てを訪れる、というところに最大の目標をおいたこともあり、一つ一つの遺跡をじっくりと見る(観察する)という点では欠けていた点も多々あった。ただ、当初の最大の目標を無事にクリアできたことに今は満足している私である。

 ガイダンス施設「三内丸山遺跡センター・縄文時遊館」 青森市三内丸山305               
 ◇入館料 410円


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