動物園の飼育員には大きく分けて7つの多岐にわたる仕事があるという。動物たちの観察・点検、動物の餌の準備、獣舎の掃除、等々…。私たち受講生が直接円山動物園に出向いて職員からお話を聴いた。
連続受講している中央区いきいき講座(高齢者講座)だが、前回の第3回目は私が講座開始時間を間違えてしまい欠席してしまった。全回受講を目ざしていたのだが…。
第4回目の講座は現地講座ということで円山公園に出向き「飼育員のお仕事」と題して動物園職員からお話を聴いた。
講座は円山動物園の正門から入って直ぐの「動物園センター」のレクチャールームで行われた。講義を受け持ったのは飼育員ではなく、広報や教育を担当している職員だった。
説明はまず飼育員たちの一日の勤務態様について話されたが、飼育員たちも一般職員と同じように8時15分出勤で17時15分退勤という勤務体制を取っているとのことだった。
その勤務時間の中で、飼育員たちが担っている主な勤務内容は、①担当動物の観察・点検、②動物の餌の準備、③獣舎の掃除、④担当動物のトレーニング、⑤日誌や資料作成などのデスクワーク、⑥入浴、⑦調査・研究、といった職務を遂行しているとのことだった。
ほとんどの内容については予想どおりと受け止めたが、「トレーニング」という項目は、動物が芸を見せるためのトレーニングとかではなく、動物の体調管理のために採血するために、安全に採血できるようにトレーニングしたりするそうである。
このとき講師は「エンリッチメント」という言葉を使った。この言葉は動物福祉の観点から「人間のためになるという目標を満たすように動物が使われるのはやむを得ないが、その動物が被る痛みや苦しみは最小限に抑えなければならない」という考え方だということを動物園としては重視しているとのことだった。
また「入浴」であるが、動物たちと日常接している飼育員たちは絶えず「人獣共通感染症」のリスクを負っているので、その防止のために退勤前に入浴しているそうだ。
お話の中で少し意外だったのが飼育員の勤務時間である。普通の勤め人と変らぬ勤務体制だ、と聞いて私は意外に思った。生き物相手の仕事なので変則の勤務体制がとられているかと思ったが、そうではないことを初めて知った。出産などの場合は夜通し見守るようなことはあるが、日常は規則正しい勤務体制だとのことだった。
飼育員の仕事について「シロクマ」の飼育員の仕事を具体的に紹介する形でお話されたが、「シロクマ」の飼育の場合、プールを掃除するのも大変だという。飼育員はプールの掃除をするためにダイビングのラインセンスを取得する必要があるとも言われていた。そのシロクマのプールだが、年に何度かはプールの水全体を交換するそうだが、その費用が一回100万円もすると聞いて驚いた。
というように、知っているようで知らないことをいろいろとお聞きすることができた楽しいひと時だった。
講座はこの後、自由に円山動物園の観覧となっていたが、私はこれまで何回も訪れていたし、「めだかの学校」でも9月に訪れる予定をしているので、この日は失礼することにした。