昨年の4月以来の「札幌室内管弦楽団」だったが、今回も素晴らしい演奏を聴くことができた!「札幌室内管弦楽団」のメンバー60名弱の方々はアマチュアの中でも相当な腕前が揃った管弦楽団のようだ。
昨夜(2月25日)夜、札幌コンサートホールKitaraで「札幌室内管弦楽団」の第25回演奏会が開かれ、知人からチケットを譲られたこともあって、私にとって「札幌室内管弦楽団」は2度目の鑑賞だった。
この日演奏された曲目は…、
【第一部】
◆ П.チャイコフスキー/バレエ組曲《くるみ割り人形》
組曲Op.71より「花のワルツ」
◆ B.スメタナ/交響詩《我が祖国》より「モルダウ」
【第二部】
◆ L.ベートーヴェン/交響曲第6番 へ長調 作品68「田園」
〈アンコール〉◆ G.ヘンデル/ラルゴ
以上だったが、並べてみるといずれも本格的な曲ばかりである。私にとってはチャイコフスキーの「花のワルツ」をはじめ、いずれもが聞き覚えのある曲目が並び、とても楽しめたコンサートだった。
特にベートーヴェンの「田園」は演奏時間が40分を超える曲なのだが、団員の方々は緊張感を持続しながら演奏し切ったところにオーケストラとしての力量を感じさせてくれた。
「田園」はベートーヴェンの目が不自由になってから作曲した曲ということだったが、指揮者の松本寛之氏は「この曲は田園風景を表現した曲ではなく、田園の中にベート―ヴェンが身をおき感ずるままを曲にした」と話された。そう聴くと特に第一楽章のあの有名なフレーズは、いかにベートーヴェンが田園に身を置いて心地良かったが伝わってくるような爽やかなメロディーに聴こえてきた。
さらに松本氏はユーモアのある解説ぶりで聴衆を沸かせた。なんと松本氏は「この曲は眠たくなります。どうぞ居眠りをしながら聴いてください。その代わり後半にガツンときて目を覚ましますから…」とおっしゃった。松本氏のユーモアある解説は、クラシックコンサートでは珍しいがそれがまた独特の雰囲気を醸し出しているように思えた。
音楽的な素養に乏しい私が言うのもなんだが、プロのオーケストラと比べて敢えて違いを探すとすれば、ややメリハリに欠けるかな?と思われるくらいで前記したように相当な腕前が揃った管弦楽団との印象を抱いた。
札幌市内には、このほかに2月に聴いた「宮の森アルテ・ムジクス」。さらには「北海道交響楽団」、「西区オーケストラ」といったアマチュアオーケストラが活動中である。他には「北大交響楽団」もあると聞いている。まだまだあるのかもしれない。こうした方々の演奏会も今後楽しんでみたいと思う。