「こぐま座」は日本初の公立の人形劇場だということである。設立は1976年だというが、私は恥ずかしながらこれまで訪れたことはなかった。「さっぽろでしかできない50のこと」にリストアップされていたことから、この度初めて訪れてみた。
※ いかにもこども人形劇場といったかわいい外観の「こぐま座」です。
「札幌でしかできない50のこと」の登録№015は日本で初の公立の人形劇場として設立された「札幌市こども人形劇場こぐま座」である。
ガイドマップでは「公園で人形劇を観る」と題して、次のように紹介している。
「中島公園内にある。公立としては日本で初めての人形劇専門劇場。紙芝居や腹話術の 公演もある。料金は公演により異なるが、ほとんどが3歳以上300円前後。公園散策の合間に親子で立ち寄ってみるのもよいだろう。週末はほとんど公演を行っている。」
札幌市内には、こぐま座のほかにもう一つ、東区に姉妹劇場として「やまびこ座」という人形劇場があり、私はそこを2度ほど訪れているが肝心の本家であるこの「こぐま座」は傍を通ることは数限りなくありながら訪れるのは初めてだった。
「こぐま座」は土・日・祝日に公演していると知ったので10月3日(土)の午後2時開演の部を観ることにした。
※ 開演前、スタッフたちが人形を手に呼び込みをしていました。
劇場には開演20分前に入場した。ところが観客は私一人である。「これは心細いなぁ」と思いながら開演を待った。ところが開演10分前頃から親子連れが次々と入ってきた。そして開演前には定員30名(コロナ対策)のところ20名近くが入っていたようだ。観客の中心である子どもたちは開演前ギリギリまで劇場前の公園の遊具で遊んでいて、それから入場するということのようだ。
※ 開演前ステージにおろされていた緞帳です。
この日の演目は「ごきげんなライオン」と「銀河鉄道の夜」の二本立てだった。
「ごきげんなライオン」のほうは、いわばオーソドックスな人形劇で大きな人形と分かりやすいストーリーで子どもの受けも良かったようだ。
一方、「銀河鉄道の夜」は題材としても幼児には難解なうえ、紙芝居の枠のような中で小さな人形を操るステージは、凝った演出にも見えたが、子どもたちにはまったく受けなかったようだ。
※ 「銀河鉄道の夜」の一場面です。
人形劇の世界もおそらくさまざまな試行錯誤が繰り返されているのだろうと思われる。ただ、その原点は子どもの中に豊かな心を育むことではないだろうか?突然訪れた外部の者が生意気云って申し訳ありません。
それはともかくとして、札幌市の人形劇場が公立としては全国初めての施設であり、その後設立された公立の人形劇場のモデルとなったと聞いて、少しは誇らしく思った私である。札幌の子どもたちな豊かな心が育まれるようこれからも寄与していただきたいと思った。
《札幌市こども人形劇場こぐま座 概要》
〔住 所〕札幌市中央区中島公園1番1号
〔電 話〕011-512-6886
〔開館時間〕9:00~17:00
〔休 日〕月曜日(月曜が祝日のときは火曜休館)
〔駐車場〕 無