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映画 バードマン あるいは №271

2020-03-14 16:15:59 | 映画観賞・感想

 映画の正式名称は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」という長い題名である。題名そのものがなんとなく難解であるが、映画も私にはその良さを理解できぬままエンドロールを迎えてしまった感じだった…。

        

 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014年制作)は2015年のアカデミー賞最優秀作品賞を受賞した作品である。

 映画は「バードマン」というヒーロー映画で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、その後落ちぶれてしまったがブロードウェイで再起をかけて舞台での復活を目論むのだが、不運と精神的なダメージが重なり思うようにいかないさまをブラックコメディタッチで描いた作品である。

 「バードマン」は明らかに「バットマン」を模したもので(事実初代の「バットマン」を演じたのはこの映画の主演のマイケル・キートンである)、主演のマイケル・キートンのおかれた現状を写し出したような皮肉さもこの映画には込められているのかもしれない。しかし、ストーリーは現実と空想の世界を行ったり来たりするなど、私のようなものには到底その良さを理解出来ない展開だった。(この辺りが反対に映画通には受けたのかもしれないが…)

     

    ※ 主演のリーガン・トムソン(マイケル・キートン)には「バードマン」の幻影が

      常にまとわりついて、彼を悩ませるのだった。

 さらにこの映画を語るうえで話題にのぼるのが、あたかも1回の長回しで撮影されたかのような“疑似ワンカット撮影”のことだ。この手法はなるほど臨場感を演出するには優れた方法なのかもしれない。日本の映画においても「カメラを止めるな」という映画がやはり長回しが話題となり、私も観たのだがその良さを感得することができなかった。この「バードマン」においても同様の思いだった。

 というわけで、私は終始戸惑いながらこの映画を観終えたのだが、ネット上の作品評を見ると、この「バードマン」のような映画がアカデミー賞を受賞するということは極めて異例のことだという。まずアカデミー賞においてコメディは、それ以前は対象外と見られていたそうだ。また、ストーリーにおいてもハリウッド映画を拝金主義と見なして揶揄するような内容が受け入れられないと思われていたのが、前例を破って受賞したことなど、異例づくめの受賞だったようだ。

 したがって、私のように映画通でもない、きわめて普通の市井の人間にはなかなかその良さを理解できなかったことは、ある意味当然のことだったのかもしれない…。

          

 さあ、今夜はお口直しに今や日本映画界の巨匠の一人となったあの是枝裕和監督の2016年に日本アカデミー賞作品賞を受賞した「海街 diary」を観よう!



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